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overlap   作者: 山咲
Encounter
3/7

真珠の眼をした女の子。3

純は、何かとてつもなくいても立っていられなくなった。



『ど、どうしたんだ? あの子。』



気持ちが意思を上回って、女の子の基へと脚が動いて行く。



気づけば、女の子の前に立っていた。




『(えぇ!? 俺、なに勝手にこの場に立っているんだよ!

面倒な事は大嫌いな筈なのに!!)』




Yシャツが途端に汗ばむのが分かる。



たじろぐ純。



すると、女の子が涙で腫れた顔をゆっくりと上げた。



『あ、あのな……。

もう暗いから、お家に帰りなさい。』



棒読みの裏返った声で、必死に大人の威厳を取る。



すると、女の子は鋭い眼で純を見つめた。



『オッサン!

お前には関係ねーーだろ!?

早く消えろっ!!』



その言葉で、純は我に返った。



『お、オッサン!?

俺はこれでも、歳の割には若く見られるんだよっ!』



『うるさいっ!

お前みたいな鳥の巣頭なんて消えろ!』



『と、鳥の巣だとぉ〜〜!?

って言うお前も、俺と似た様な髪じゃねーか!』



必死にに指を指して反論する純。


それが、大人の行動としては可笑しかったのか、途端に笑顔になる女の子。



『アハハ!!

アンタ、大人の癖にバカみたいだね!?』



『う、うるさいっ!』



その時、純は眼に入った女の子にハッとさせられた。



コンビニの光に照らされた女の子は、真珠色の眼をした、ブロンド色をした強いウェーブが掛かった髪をしていたからだ。



絵に描いた様な、美しい女の子だった。



『お、お前……。

外国人なのか?』



『そーーだよ! 悪いっ!?』



『いや、お前の瞳、真珠の様だな。』



『ああ、だから私の名前もパールなんだ。

パール=ティーナ=クリストファー。

アンタの名前は?』



『俺は、鳴鐘純。

って、そんな事はイイから、とっとと家に帰れ!』



『帰りたく無いって言ったら??』



『はぁ!?』



『ねぇ、アンタん家泊めてよ!』



『は、はぁ!?

お前、何言ってんだ!?』



『ここで会ったのも何かの縁だ!

よしっ! 決めたっ!』



『勝手に決めるなっ!』



『何だぁ、彼女でもいるの??』



パールは、不適な笑みで純を見つめる。



『余計なお世話だっ!』



『だったらイイじゃん?

さ、行こう〜〜!』



無理矢理手を引っ張られる純。



その足取りは、重かった。



『(俺、何かとんでも無い奴に声を掛けてしまったのでは……。)』





©︎2023 山咲

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