真珠の眼をした女の子。2
コンビニの入り口から左側に車を停車させた。
早くコーヒーを買って夜空を眺めながら、少しドライブしたい。
そう思って、少し焦りながら車を降りた。
『いっけね、キーを刺したままだった。』
右手でキーを抜く為に、ついコンビニの左側の奥の駐車場に眼をやった。
『こんな時間に、何をしてるんだ?』
左側の奥の駐車場の車止めに、女の子が座って俯いていた。
『最近の若い子は……。』
呆れながら、コンビニへと入って行った。
『130円になりまーーす!』
いつものアルバイトの子が元気良く、対応してくれる。
『あ、はい。
あのさぁ……。
外の女の子、一人じゃ危ないだろ。
警察にでも言って、帰らせれば?』
『ああ、あの子ですか……。
それが、何度警察が来ても、戻って来ちゃうんですよぉ。』
『そうなんだ。
非行少女か……。
オタクらも大変だねぇ。』
そう言って、コンビニを出た。
そして、車に乗る前に、何となくタバコに火を付けた。
缶コーヒーの蓋を開け、深呼吸する様に、タバコの煙を堪能する。
そして、チラリと奥の駐車場に座る女の子を横目で見た。
『ったく、何が楽しいのか……。
まあ、俺もあの頃はそうだったんだろうけどな。』
何となく自分と重ねて、女の子を見つめていた。
『ん……??』
何かに気付いて、女の子を凝視する。
『泣いている??』
2023 ©︎山咲