原敬について ー歴代の総理大臣の中で最も高く評価したいと思っています
大正時代の内閣総理大臣、原敬の評伝(伊藤之雄氏「原敬」)を読んだ際の感想として、4年前にフェイスブックに書いた文章です。
原敬は、歴代の内閣総理大臣の中で、最も高く評価して良い政治家だったのではないかと思っています。
2018-14、15 数年前に、児島襄「平和の失速 ー大正時代とシベリア出兵ー」を読んだ際、原敬は、私がイメージしていた以上の力量を持った政治家だったのだな、と感じましたが、今は、日本の歴代の内閣総理大臣の中で、最大の政治家だったのではないかと思います。
イギリスのような、二大政党による立憲君主制を目指し、が、まだ健全な野党が育っていないとの認識のもと、自らが所属する政友会による政党政治を確立させる。
そして、シベリアからの撤兵については、陸軍大臣と相談の上、閣議で決定し、最終的にはそれを参謀本部に受け入れさせた。
それを機に、日本がその後の大戦によりいったんは破滅することになるその最大の要因となったというべき、統帥権の独立(天皇の大権)の、内閣による統制の制度化を意図していたと思われる。
アメリカ、イギリスとの友好関係も重視していた原敬が、道半ばの総理大臣在職中に、東京駅で暗殺されることがなければ、日中戦争から太平洋戦争へと突き進んでいった、その後の日本の歴史は変わっていた、その可能性はかなり高かったのではないか。
一時期は克服するべき最大の政敵であったはずの元老山縣有朋も、皇太子妃選定問題の敗北により、自らの権力、影響力が失墜する状況であったのを、原敬に救われ、彼の人物については、高く評価していた。