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8,花の名前だと、君が言ったから。

『曲が終わったところでもう一通メッセージが』


『じゃ、今度は俺が読みますね』


翔がメールを読み上げていく。


『ラジオネーム花さん』


ラジオネームの紹介で、パーソナリティー二人が同時にありがとうございます、と挟む。


『私も幼馴染のことがずっと好きで、でも幼馴染だからこそ告白できなかったんです』


『あら、青春』

ハルさんが感想を挟む。


『告白しないで居たら、彼にはいつの間にか彼女が出来ていました』


あら、と翔とハルさんの声が重なる。


『凄く後悔しました。その時に私も”キノウ”という曲には凄く共感してしばらく聞いていた時期がありました。ショウさんも同じですか』


『どうですか、ショウさん。良ければ教えてください』


ハルさんの気遣うような、伺うような声。気遣わなくて良いよと翔は苦笑しているだろうなと思った。


『後悔、しましたねー。なんで声かけなかったんだろうって』


『あんまり言われないですけど、後悔のある人には刺さりますよね、この曲』


翔の反応を聞いてハルさんもほっとしたように明るい声を出す。


『刺さるねー、そのあと前を向けるのがこの曲の良いところ』


『いつもならいくつか番組コーナーを用意してるんですけど、折角なので今日はこのままショウさんの思い出話と曲で行きましょうか』


『そうだね。俺も話したくなってきたから』


『じゃあ、花さんとショウさんは似たもの同士と言うことで。今日はショウさんの思い出話をたくさん聞きましょう!』


『こんなんで良いのかなぁ』

『僕が聴きたいので大丈夫です!』

『後輩にめっちゃ力説された』


翔は笑いながらじゃあ、と話し始めた。


『でも、もうすぐ終わるよ?』

『わかりました!』


『良い返事…。それ以来、実は何度か電車内で幼馴染を見かけて』


『おお! ”夢を探して”の願掛けの効果ですね』


『さっきの話ね』

翔は少し照れながら続ける。


『それで、制服といつも降りる最寄駅から、どこの学校かわかったのよ』


『おお!』


『で、実はある日の朝、私服の幼馴染を見かけて』


『平日ですか?』


『うん、幼馴染の学校の子と付き合ってる友達がいてさ、幼馴染の学校もそいつから話聞いて分かったんだけど。その日文化祭だったらしくて』


『あー、ありますね。僕の母校も文化祭の日は私服登校でした。あとは遠足の日とか!』


『そうそう。それで、その日の帰り電車が一緒だったら告白しようと思って』


『おお! さすがロマンチスト!』


段々、ハルさんも盛り上がって来たのか相槌とか反応の間隔が早まって来た。


『自分で決心できるほど勇気が無くてさ』


『いやいや! で、結果は?』

『告白した前提?』


翔は言いながら笑った。



 そんなことを思っていたなんて…。私は告白されてないから、会えなかったんだなと見当を付けた。


『それが、その日は電車一緒にならなかったんだ』


『そうなんですか、残念……』


『それ以来電車で会うことは無かった』

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