発情期(半裸)と臭いフェチ(ほぼ全裸)と巨乳好き(半裸)
ちょいとエロ要素多め
守らなくては、そんな風に思った彼女(ほぼ全裸)とトラウマの理由になった相手(殆ど半裸)が火花を散らすのを見ているだけの情けない僕(半裸)
「これ名乗りが遅れましたわね。私はネーシャ、ヴァティ商会会長の娘にしてアマーラ帝国皇帝が養女、そして……」
シロノと睨み合っていたネーシャだけれど、戦士として育ったシロノと令嬢として育った彼女じゃ土台が違う。
無碍に扱われた事での怒りと良い雰囲気を邪魔された不満が合わさってか対抗していたけれど、二度目に名を聞いた時の威圧的な態度で怯んだのだろう、僕の方に背中を預けたけれど、最後の意地なのか名乗りは堂々としている。
そんな彼女は言葉を途中で区切り、羽織っていたチャイナドレスを脱ぐと再び正面から僕に抱き付いた。
首に手を回し、胸板に胸を押し当ててからのキスはシロノに見せ付けるように時間を掛けて行う。
「……ぷはっ! そして、この通りにロノス様とは大変仲の良い婚約者ですの。此処数日で二度も押し倒されましたし、キスだって。……貴女はどうですの?」
息継ぎの為に口を離したネーシャは唾液の糸を指で絡め取って舐めた後、勝ち誇った顔をシロノに向ける。
この全裸で抱き付いて挑発を行う彼女が、実際は途中で邪魔が入って終わっているとは分からないだろう、シロノの不満そうな顔からして完全に騙されている感じだ。
「ああん、ロノス様ったら素敵な汗の臭いですわ。私の臭いで混ざり合って……」
落ち着こうか、ネーシャ。
体臭フェチなのは確信したけれど、本っ当に落ち着こうか!
僕の胸板に顔を押し付けながら身をくねらせる彼女は完全に興奮してしまっている。
あれ? もしやシロノが大人しいのはドン引きしているから?
尚、僕はドン引きなんて……してないよ?
「……成る程、理解した」
あれ? 意外と声が静かな気が……え?
怒り出すかと思いきや、落ち着いた声で頷くシロノに僕もネーシャも拍子抜けだ。
ネーシャなんて勢いで挑発してしまった事と全裸で抱き付いている状況で鼓動が高鳴っているってのに、向こうは怒り出す様子すら見られない。
ホッと一息……。
「なら、貴様の倍の回数すれば良いだけ」
ホッと一息は流石に早かったらしい、後の祭りって奴で、気を抜いた僕は伸びてきた腕を躱せず後頭部を掴まれて、ネーシャを間に挟んだまま無理やり唇を奪われる。
雰囲気も何もあったもんじゃない力付くで乱暴なキスが終わり、唇を離したシロノは唇の唾液を舐めとるけれど、その顔は完全に達していた。
「良いものだ、キスとは。もっと、もっと」
「やばっ! まさか……発情期っ!?」
そう、獣人には発情期が存在する。
特徴を持つ動物の種類や個人差は大きいけれど、意中の相手が存在する獣人は一定周期で性欲が過剰になり、常に気が高ぶっている状態になるんだ。
納めるには気が静まるまで待つか、戦うとかの手段で動き回っての発散、それか実際に行為を行う事だけれど、元が異常な体力の持ち主である獣人、それが満足行くまでだなんて冗談じゃなく搾り取るまで終わらない。
「こうなったら逃げるしか。いや、しかし……」
逃げたいけれど、ネーシャはウサギの獣人、鼻も耳も優れているから、逃げ切れてもログハウスの場所を探し当てられるだろう。
此処で気絶させる? それしか方法は無いのか?
「ロノス様、彼女の胸を揉んで下さいませ!」
「え?」
「早く!」
ネーシャを庇いながらの戦い、それも発情期で気が高ぶっているシロノ相手だ、リアスにすら脳筋呼ばわりされる身体能力と年中磨いている技量、苦戦は免れないと焦った時、ネーシャの叫びに咄嗟に従ってしまった。
両手に伝わったのはずっしりとした重量感と、筋肉も混じっているのか少し堅く弾力が強い張りの強い手触り。
思わず数度揉んでしまった僕だけれど、当のシロノは抵抗もしなければ続きを要求もして来ない。
「……ぁん」
代わりに口から切なそうな声を漏らし、その場でヘナヘナと崩れ落ちる。
息がすっかり荒くなって、まるで事後の様だ。
「あら、噂は本当みたいですわね」
「何か知っているの? ネーシャ」
「ええ、噂程度ですし、ロノス様が知らずとも仕方が無い事なのでしょうが……