どっちだろう
次に漫画発注するならこの話!
今までのは
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……お馬鹿のリアスにお気に入りの牛の骨を壊されちゃった。
お兄ちゃんが出掛けてしまったから遊んで貰おうとしたんだけれど、骨を全力で投げてくれた迄は良かったのに、あの馬鹿は力加減を知らないから空中でバラバラ……酷いっ!
まあ、その後で新しいオモチャを探しに行くのは良かったけれど、其処で変な奴と出会った。
青い髪の変な奴、リアスと似た感じの魔力を持つ変なのの髪の毛を抜いてやったけれど、此奴は此奴で彼奴に似た嫌ーな感じ、何にも感じないし、美味しそうな馬を連れていたから後で食べさせて貰えるかも知れないし一緒に行動したんだけれど、背中に乗せてやるのはヤダーーーーー!
「キューイ!」
「駄目だって言っているでしょ!」
だから背中から捨てて溺れさせてやろうって思ったけれど、お兄ちゃんに叱られるのも嫌だから一応リアスに聞いてからにしたんだ。
そうしたら駄目だって叱られちゃったよ、お馬鹿の癖に! おー馬ー鹿ーのーくーせーにー!
ロザリーって奴、多分人間じゃないし変だから気を付けろって伝えようとしたけれど、伝わっているよね?
彼奴、凄く変なんだから分かっているよね、ちゃんと確かめたんだしさ。
リアス、ちゃんと考えがあるみたいに言っていたし、凄く心配だけれども強いんだからどうにかなるだろうしさ。
そもそも僕ってジメジメした所が嫌いで狭い所にも居たくないのに洞窟の中を飛ぶだなんて。
あのモンスターが持つ、皮膚の上からでも分かるくらいに良さそうな骨が無かったら直ぐに出て行ってたよ。
「ヤキタテー!」
そんな風に色々と気に入らない所を進む中、”タコヤキソルジャー”とか美味しいモンスターが襲って来たのは嬉しかったな。
胴体はカステラボールみたいな見た目でカリカリなのに、体内はトロトロで脚はプリップリ、持ってる壷の蓋を取れば絶品のソースが入っているし、帰ったらお兄ちゃんへのお土産にするんだ。
だから風で切り裂いて、すれ違い様に壷だけ貰ったら身は少しだけ食べる。
水中だと風を飛ばしても弱くなっちゃうけれど、僕は元々強いから少しぐらい威力が下がっても平気なんだ。
所でタコヤキソルジャーだけれど、水中に居たのに熱々なのはどうしてだろう?
美味しいから良いけれどね!
「うわっ、良いな。ねぇ、ポチ。私にも少し分けなさいよ」
「キュイ!」
やーだー! 僕が全部食ーべーるーのー!
「クゥイイイイイ!」
僕達の追跡が鬱陶しいのかイルカイザーは何かを飛ばして来る。
後からお兄ちゃんに聞いたら音波? よく分からないけれど、それを飛ばしていたらしいんだ。
「キュキュキュイ!」
ふふーんだ! 僕の風はその程度じゃ突破出来やしないもんねー!
あっ、でもわざと風を解いてロザリーだけ水中に置き去りにするのは良いかな?
変な奴が何時までも背中に乗っていたら気持ち悪いし、此処では錐揉み回転も急上昇も出来ないんだもん、野生の勘が鋭いリアスが居なかったら直ぐにそうしていたぞ!
だってお兄ちゃんが駄目って言ったなら我慢するけれど、リアスの命令で我慢したくはないんだもーん。
「ポチ、もっと急ぎなさい!」
「キューイ……」
リアスが急かして来るけれど、逃げ込めそうな穴は無いし、美味しいモンスターは向こうからやって来るし、見失わないなら今のままで別に良いよね?
「戻ったらシュークリーム買ってあげるわ!」
「キュイ!」
シュークリーム! 僕、あのお菓子大好物!
お兄ちゃんには内緒で屋敷のメイドさん達や庭師のゴブリンさん達がオヤツをくれるんだけれど、お肉とか果物が多いからお菓子は滅多に貰えないんだ。
お兄ちゃんの前では良い子で居たいから欲しい物を何でもかんでもお願いしたくないし、クッキーとかなら焼き上がりに窓から顔を入れたらコックさんがくれるんだけれどシュークリームとかは買って来る以外じゃ食べられない。
エクレアもマカロンもチョコも好きだけれど、シュークリームはお肉の次に好きだから、買って貰えるんだったら頑張るぞー!
立ちふさがる美味しそうな魚介類のモンスター達を跳ね飛ばし、途中”エビフラナイト”だけは一番美味しいカリカリの尻尾を食べ、僕の目の前にはイルカイザーの姿が迫る。
さっきから水の流れが速くなって水路も坂になっているけれど無視して体当たり、水中から弾き出して天井にぶつけてやった。
ふふんっ! どーだ!
「クィイ……」
苦しそうな鳴き声と共に口が開いてパンツが宙を舞う、それを取ろうと僕も空中に飛び出せば地下に向かって海水が激流になって落ちていく滝が姿を現して、イルカイザーは其処に落ちていったけれど、パンツはリアスが飛び出してキャッチした。
パンツは手に入れたし、もう余計なのは落として良いのかな?
そもそも人間ってどうしてパンツを穿くんだろう?
レナは週の半分はノーブラノーパンらしいし、絶対に必要な物でもないんだよね?
「ほら、さっさと彼奴を追うわよ! アンタの玩具にするんでしょ!」
あっ、そうだ、リアスに指摘されるだなんて凄くショックだけれど、僕には僕の目当てがあったんだよ。
じゃあ、ロザリーにも手伝わす為に背中に乗せるのは我慢してやろう、感謝しろよ!
僕はイルカイザーを追ってほぼ垂直に飛んで地下を目指し、漸く広くなった空間で水から飛び出して翼を広げる事が出来た。
イルカイザーは落下するだけで、僕は自由自在に動けるからもう逃がさない。
さっさと倒して骨を手に入れたらお兄ちゃんに遊んで貰うんだ。
背中に乗せている二人の事は一切気にせず(どうせリアスは頑丈だし、ドロシーはどうなっても良いし)一気に加速して迫る。
先ずは逃げられないように首を鉤爪で切り裂こうとした時だった。
滝の裏側に穴があったのか潜んでいた巨大な何かと目が合って、八匹の巨大なウツボが姿を現す。
一匹一匹が塔みたいに大きくって、その体には吸盤が……吸盤?
「キュキュキュキュイ!?」
「ちょっといきなりどうしたのよ、ポチ!? 落ち着きなさい!」
滝の裏側に潜んでいた奴の正体が分かった瞬間、僕は恐怖で顔が引きつって、胃の中の物が逆流しそうになる。
僕めがけて体をクネらせ牙をガチガチと合わせながら迫るウツボの根本、八匹の尻尾が集まった先にそれは居た。
そう、何かの正体はウツボダコ、それもお屋敷位に大きな奴だ。
「”ホーリーブレード”!! デッカいバージョン!」
だから僕は逃げたいけれど、どうやら遅かったらしい。
お馬鹿のリアスが僕の背中から飛び出す、その手に城さえも両断出来そうな程に巨大な光の剣を持って。
「光の剣……?」
その姿にロザリーが呟く中、自ら迫る獲物にウツボダコの脚が一斉に迫り、リアスがその間をすり抜けたと思ったけ瞬間、八本の脚は向こう側が透けて見える程の薄さに切り裂かれた。
「ウツボダコ食べ放題! 皆絶対喜ぶわ!」
皆、絶対喜ばない。だって凄く不味いから!
……お馬鹿のリアスは頭だけじゃなくって舌までお馬鹿だからウツボダコが大好物、
だから僕は恐怖を覚えたんだ、今晩のオカズにするだろうからさ。
「……それ、美味しいの?」
「凄く美味しいわよ!」
あっ、今この瞬間はロザリーが居て良かったと思った。
おい、お前! お兄ちゃんと僕の分のウツボダコを食べるんだ! デザートがあったら代わりに貰ってやるから!
「キュ……キュイ!?」
って、ウツボダコに気を取られて忘れちゃっていたけれど、イルカイザーを忘れちゃってた!
慌てて下を見れば暗闇の中、滝壺に落ちたのが見えたから改めて一気に急降下、今度こそ逃がすものかと思って降りていった僕達の前には妙な景色が広がっていて、こっちを一斉に見る女の子達の顔があった。
その中の一人、一番強そうなのが僕達を指差して呟く。
「グリフォンに女の子に……金髪のはどっちだろう?」
えっとね、お胸が小さいけれど男じゃないよ、ゴリラだけれど。