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ほんじつはおたのしみでしたね

https://mobile.twitter.com/ei7untyev36owgl


マンガ公開中

 僕にとって昼寝は滅多に出来ない贅沢だ。

 確かにクヴァイイル家の政務に関わる実権はパンドラが握る事になってはいるけれど、それは僕が何もしなくて良いという訳では無いから政務の勉強だってしているし、お祖父様の命令で裏の仕事を担う事もあれば、僕の一番重要な仕事は存在そのものが抑止力となる事、その為の修業だって行っている。


 正直所々で時間を操作しているからこそこそ上手く回っているけれど、別の属性なら途中で回らなくなる・・・・・・いや、前例の無い属性だからこそ今の大変さだけれどもさ。


「・・・・・・何だろう? 温かくて柔らかい?」


 アリアさんと手を繋いでの昼寝開始から体の調子とかからして一時間程経過した頃、目を閉じたまま目覚めた僕は顔に押し当てられた感触と鼻孔をくすぐるほんのり甘い香りに気が付いた。

 この感触と香りには覚えが有り、頭に手が回されているU感覚もある事から状況を察するけれど、未だ慌てる状況下は決まっていないのだと自分を安心させる。


 実際にはそうしないと不安なんだけれど、別に夜鶴と夜の面々に夜伽を任せている最中を目撃された訳じゃなく、水着の女の子に抱き付かれているだけ、結構な大事だけれども……。


「……良し、目を開けようか逃げちゃ駄目だ、事態が悪化するだけだし」


 頭の上から聞こえて来るのは静かな寝息、アリアさんが眠っているのは間違い無く、このまま起きて離れてしまうのが一番だろう、このまま何もせずに誰かに見られてしまった方がね……。


 只、顎に当たっている感触が凄く嫌な予感を与えて来るんだけれど……。


 目を開ける、少し白いのが日焼けし始めている肌が目の前にあって、大きな胸が顔を挟んで両腕は頭を抱えている状態だ。

 うん、この時点で分かる事だけれど、水着がね、元々小さめの物だったからか脱げて下にズレているんだ。

 つまりはアリアさんは上半身裸で僕の頭を抱き寄せているって事で、結構な力だからコッソリと抜け出すのは難しいかな?


「……うぅん」


 彼女の足は僕の足に絡み付くように動き、頭を一層強く抱き寄せる。

 悪い気分は無いんだよね、この状況。

 そう、悪い気はしないし、ここ数日は刺激が強い事が多かったから目の前に餌を見せられてからお預けを食らっている状態だし。


 此処で僕や彼女が読んでいる本なら流れで始めちゃうんだろうけれど、まさか婚約もしていない相手に、しかも野外でやっちゃうのはな。

 この状況をもう少し満喫したい、けれど起こさない訳にはいかないと起き上がればアリアさんも目を覚ます。


「……あれ?」


 何が起きたのか、それが理解出来ないって状態なのか目をパチクリさせて僕の顔を見て、次に水着がズレて胸が丸出しになっている状態なのに気が付いたらしい。

 寝ぼけ顔で自分の胸をペタペタ触り、続いて掴んでユサユサ動かす、眼福な光景で可能なら見ていたいな、大きな胸は好きだし。



「ロノスさん……」


 大きな声で叫びもせず恥ずかしがって胸を手で隠す事もせず、彼女は僕の首に腕を絡めて抱き付いて来る。

 水着はズレたまま、強く僕に体を密着させて蕩けた顔で顔を近付け、僕は引き離す事も出来ずになすがままで、そのまま抵抗する事も出来ずに二人の唇が重なって……。



「んっ……」


 目を閉じた彼女は唇の間から舌を入れて僕の舌に触れ、其処で驚いたように目を見開いてバッと離れる。

 その勢いで胸が揺れるのに視線が奪われた。


「あ、あれ……? 夢……じゃない?」


「えっと、取り敢えず胸を隠そう……か?」


 急に大胆な行動に出て来た彼女は寝ぼけていたらしい。

 これは夢だと思っていても迷わずキスの更にその先まで行く辺り、普段からどんな夢を見ているのか気になるけれど、気が付いたのなら落ち着かせるには良いタイミングだ。


 僕は後ろ髪を引かれる思いをしながらもアリアさんの胸を直視しないように顔を背けた。

 流石に抜け出した事に他の皆が気が付く頃だし、眠いからと女子会に参加しなかったアリアさんが僕と一緒に居て、しかも水着が脱げていただなんて知ったら何を思うか分からない子も居るし、この辺でログハウスに戻るのも良いかな。


「……えいっ!」


 っと思っていた僕はアリアさんが抱きつこうとしているのを感じ取った、しかも解けた紐を結び直す音は聞こえなかったし胸は露出したままだ。

 このままじゃ上半身裸の彼女に抱き付かれる、そう感じたけれど手を広げているのがチラッと見えた影で分かったし、僕が避けたら顔面を地面で打つよね……。



「アリアさん、胸を隠そうって言ったのに、どうして抱き付いているのかな?」


 だから正面からアリアさんを受け止めたのは彼女の胸が密着するのが目的だなんて事は……無い。

 僕は回復魔法は使えない(事になっている)し、女の子が顔に怪我でもしちゃったらさ。


 これが敵なら顔面だろうがお腹だろうが平気で攻撃するんだけれど、彼女は友達、しかも僕に好意を向け、非公式の愛人みたいな関係でも良いから近くに居たいとかまで言われたら、怪我をするのを見過ごせなかった。


「えへへ。これなら密着しているから見えないと思いまして。……見られても私は構いませんよ? ロノスさんが望むなら好きなだけ見られても触られても吸われ……」


 何か僕の考えを見透かされている気がするんだよなとアリアさんには。

 表向きの顔は兎も角、本当の彼女は感情が殆ど動かないってタイプだったのに、だからこそなのか、実際は乙女ゲーの主人公に相応しいコミュ力を持っていても発揮出来なかっただけなのか、それは分からないけれど。


 僕に体をギュッと押し付け若干体重を掛けているからか確かに胸は潰れてしまって一部が隠れているし、この距離なら谷間だって見えないけれど、肌で彼女の胸を感じるんだよな。

 体温が熱くなり、鼓動が高鳴っているアリアさんだけれど、僕も同じ状態なのは伝わっているのだろう。

 少し迷いながらも告げられた誘惑の言葉に悪魔が囁く。


 ”このまま彼女で溜まった物を発散させてしまえ。嫌がる所か喜ぶだろう”ってさ。



「本当に落ち着こうか。ここ、野外。壁で周囲から見えないとしても、離れて高い所に行けば見えるだろうし……」


 その誘惑を必死で振り払うけれど、アリアさんは離れてくれそうもなく、寧ろムキになって強く抱き付いている。

 上半身を起こして座り込む僕に正面から抱き付いて体重を預けた彼女の存在を意識させられる中、耳に息を吹きかけられた。


「……此処までしちゃったら他の誰かにお嫁になんか行けませんから。私の想いを分かっていて駄目なら駄目と突き放さなかったロノスさんの責任ですからね」


 それだけ言うと再びアリアさんは僕と唇を重ね、小さな声で何かを唱える。

 日差しが降り注ぐ雲一つ無い空が僕達二人の居る小島だけ闇に覆われて見えなくなった。

 恐らくは蓋を被せるみたいにドーム状に闇の魔力を構築しているのだろう、闇は島の周囲からジワジワと広がって行くのが見えていて、唇を離した彼女は空を見上げて静かに微笑む。


「皆さんには夏の日差しに耐えかねたとでも言っておきましょう。外から誰か来ても気が付かなかった事にして。……大丈夫です、ロノスさんが望まないのなら途中で止めておきますから。だから、私にご奉仕させて下さい」


 三度目のキス、今度は一度目と同様に激しい物で、僕は一切抵抗をしない。

 闇に覆われた空の下、アリアさんはそのまま僕を押し倒した。




「アリアさん……」


 僕が肩を掴んだ瞬間、アリアさんは離れたくないとばかりに抱き付く力を強めるけれど、僕はそのまま半回転して彼女と上下を入れ替わる。

 そして、そのまま……。

宜しければ☆☆☆☆☆より評価お願いします


挿絵(By みてみん)

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