パンツが無ければ危なかった
漫画依頼偶にして来たのを掲載しています
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「まあ、普通に考えて敵をやる気の有無で見逃すかどうかってのは有り得ない話だよね。……最近は真っ当な相手が多かったから平和ボケしちゃったのかな?」
人間を全滅させようと殺意バリバリで向かって来る相手が”真っ当”ってのも変な話だけれど、今まで始末した聖王国に仇なす敵に比べれば真っ当と言えるのかな?
……それだけに一連の流れでやる気が殺がれちゃったけれど、此処は殺る気を取り戻さないとさ、今までどんな手段を使ってでも助けて貰おうとした敵に悪いよね。
”闇の存在を知れ、闇を背負え、闇を体験し理解しろ”、そんな感じの事をお祖父様に言われ始める事になった裏の仕事、泣き叫んだり色仕掛けとかの買収で助かろうとした相手を何度も始末したのなら、ギャグみたいな展開が起きた後だろうとなかろうと……此処で始末するのは僕の仕事だ。
「形状は……槍。ポチ、補助は任せた」
遠ざかる背中を見据え、空気の時を三つ叉の槍に変化させれば女神から力を与えられる前よりも精密な作りの物を今までよりも速く造り出せ、手によく馴染む。
前までは形をそれっぽく整えただけだったけれど、今はイメージを正確に魔法に乗せられていたよ。
空中で停止したポチの背の上で立ち、大きく振りかぶれば槍の周囲を風が渦を巻き、全身の力を込めて投擲した。
「ぜやっ!」
掛け声に合わせるように風は槍を押し出して加速、涙目で逃げ出していた彼女は殺気と音で気が付いたのか此方を振り向き、僕と同様に瞬時に切り替えて無数の火球を出現させる、その中に存在する髑髏が意志を持って彼女を守ろうとするように何重にも重なって迫り来る槍の前に立ち塞がった。
「”加速”」
感じる魔力はこの間会ったビリワックとは比較にならない程に強力で、前の僕なら最大限に加速させても槍自体に質量が殆ど無い事もあって威力を減退され、届かなかっただろう。
前の僕……ならね、今は違う。
「くっ! このっ……!」
簡単に貫かれた髑髏達は霧散して消え失せ、槍は一切減速せずに彼女の背中へと向かって行き、何かしようとするけれど遅かった。
背中の真ん中に槍が根本まで突き刺さり、前のめりになった彼女は血を吐きながら僕とポチを睨み付けた後で乗っていた船も消え去って真下の海へと落ちて行く。
槍を消した事で栓が無くなり、体に三つも空いた穴から血を流して海に墜落した彼女は海面を少しだけ赤に染めたけれど潮の流れの影響か直ぐに消え去り、彼女の痕跡はあっという間になくなった。
「さようなら、名前も知らない神獣。……何か妙に呆気無かったな」
今までだって楽勝な敵ばかりだったけれど、今回は相手に名乗らせる事無く終わってしまった、理由は大っぴらに口に出来ない物も含まれるんだけれど、少しだけ違和感を覚える、何かが頭の中で引っ掛かるというか、知っている知識に関わる重要な事が関わっていそうというか……。
「今は考えても無駄か。色々見てしまった事を知っている相手が消えたと今は喜んでおこう。何かあればその時に対応すれば良いしさ……」
言い表せぬ不安は残るけれど、今はどうしようもないのが現状、だったら今は出来る事をやろう、例えば今なら目的だったネーシャの所への訪問だ。
……でも、その前に。
「ポチ、僕があの子の服の下を見ちゃった事は秘密だよ? タマからアンリに伝わっても困るから誰にも内緒で。……”G・グラビティ”」
ポチに口止めをし、一応さっきの子が生き残っていた時に備えて落ちた辺りに魔法を打ち込む、海の一部がくり抜かれたように押し潰されて消え去れば底の方にグチャグチャに潰れた死骸が見えた。
「よし、多分これで大丈夫だ。”スロウ”」
安心した僕は海水が急激に戻るのを時間の流れを遅らせて防ぎ、そのままネーシャ達のログハウスへと向かって行く。
まあ、流石に彼処まですれば大丈夫だろう……そう思った。
「じゃあ、此処でいい子で待ってて、ポチ。後でご飯を分けてあげるからさ」
あの後は特にトラブルも起きず、目の前にはログハウス。
ポチを入り口近くに座らせた僕はノックしようとして動きを止める、一つ懸念事項が有ったからだ。
あのノーパン神獣のせいで余計に高ぶってしまったし、正直言ってさっさと発散したい気分、そんな中でリアスは兎も角としてネーシャに会うのは少し不味いかも。
「い、いや、流石にリアスだっているんだし、あからさまな色仕掛けはされない筈……多分、きっと」
そう、あからさまな事はしないとして、さり気なく下着をチラ見せしたり偶然を装っての密着、普段だったら意識してない演技には自信があるけれど、今はちょっとね、帰ろうか、割と本気でそう思う。
今の状態では軽い内容でも反応を見透かされてしまいそうだと怖くなるが、怖いからと逃げてばかりはいられない。
先ほど覚えた奇妙な感覚にも後押しされ、僕はノックをして声を掛ける事にした。
「リアス、ネーシャ、僕だよ、ロノスだよ。ちょっと入っても良いかい?」
「え? お兄ちゃん? 別に良いわよ」
お兄ちゃん、そんな風に呼ぶって事は近くにネーシャは居ないって事か、ちょっと落ち着く余裕が出来そうかな?
許可も貰ったって事で開ければリアスの姿、半壊したベッドに腰掛け、割れてしまった床から目を逸らしている所を見ると心配していた事が現実になったか。
相変わらずの寝相の悪さ、それはそれで良いんだけれど、今気になるのは別の内容だ。
「リアス、ちゃんと着替えないで寝たでしょう。それに座り方に気を付けないとパンツ見えてるよ」
「え? 別に裸じゃあるまいし、兄妹なんだからパンツ位別に良くない?」
「いや、恥じらいを持ちなって事だからね? レナと一緒になっちゃうよ?」
入り口の方を向いて座るのは良いんだけれど、足を広げている上にスカートが少しめくれているのも気にした様子は無い。
兄としては気にして欲しいんだけれど、僕が少し注意した程度じゃ何となくって感じで隠しただけだ。
僕への親しみと理解しなくても従う程の信頼あってこそ、こんな所も可愛いんだけれどね。
あー、でも少し助かったな。
妹がだらしない姿でパンツ丸見えにしている所を見たら一気に萎えた気分になったし、これなら裸でも見せられない限りは色仕掛けに動揺なんかしないだろう。
「牛ホタテの牛タン持って来たよ。お昼は未だでしょ? ご飯にしよう」
「牛タンッ! じゃあ、私も今から何か捕って来るわ。ウツボダコとか見付かれば良いけれど」
「ウ、ウツボダコに拘る必要は無いと思うな、うん。拘ったって時間を掛けたら意味が無いし、直ぐに見付かる物で済ませようよ」
今から素潜りをするのは別に良い、大型のモンスターを狩って来るのもリアスの魅力が現れているんだから誉めてあげたい、けれどウツボダコだけは、ウツボダコだけは駄目だ!
妹の大好物であっても悪夢のような不味さのウツボダコは防ごうと言いくるめていた時だ、声がしたからか浴室の扉が開き、風呂上がりらしいネーシャが姿を現した。
「リアス様、どうかなされまして?」
ドリルヘアーは水気を含んで肌に張り付き、湯気が上がる肌はほんのり赤く、肢体の上にバスタオルを巻いただけだから体のラインが丸分かり、しかも結び方が悪いのか谷間の辺りが……まさかっ!
一見すれば僕の来訪に気が付いていない故に無防備な姿を現した、けれども実際は僕に気が付いて現れたんだ。
昨日の昼も色仕掛けをしても不慣れな為か恥ずかしさが出てしまっていたし、今だって僅か一瞬だけ表情に羞恥が見えた。
「ロノス…様……? ひゃんっ!?」
動揺からタオルを握る手が緩んだ……そう思わせる動きによって床に落ちるタオル、さらけ出されるネーシャの肢体。
右足の古傷以外は綺麗な肌で、色気を持ち始めた肉付きの肉体、一瞬だけ見てしまったけれど、直ぐに視線を外した。
リアスのパンツがなければガン見していたよ、危なかった!
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今日も新しい漫画投稿です