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痴女(誤解)との遭遇

漫画届いたのでTwitterに掲載


https://mobile.twitter.com/eI7UnTYEV36owgL

「じゃあ、行こうか、ポチ」


 朝に出向いた時はルクスに遭遇しちゃったからネーシャの所にはポチに乗って行く事にしよう、お土産は牛ホタテの牛タン……牛タンで良いのかな?

 取り敢えず昼食の足しにはなるだろうし、食べた後だったら夜ご飯に回せば良いと袋に入れ、一応用心として夜鶴を携えてポチに乗り込めば垂直に上昇した、どうも最近やってみたら出来たらしい、凄いな!


「それにしても妙な夢を見たけれど……矢っ張り溜まってるのか。そりゃそうだよね、色々とあったし……」


 今までフラッシュバックしたり前にも見た変な夢、アンノウン様が言っていた”本来のロノス・クヴァイル”がゲームでの終盤に体験したであろう事、婚約者であり愛し合っていたネーシャとの最後の逢瀬を明確な意識を持ったままでの追体験、今回は一番長く、自分だけでなくネーシャの鼓動や体温までリアルに感じられたんだ。


「ちょっと顔を合わせるのが怖いな、変に意識してしまいそうだ」


 夢は途中で終わってしまったけれど、胸の形とかホクロの位置とか昨日色仕掛けをされた時にチラッと見たのと同じだった、つまりはそれが理由であんな夢を見たのだろう。


 ……意識させるって目論見は見事に成功、会った時に変に反応をすれば向こうの思う壺だ、それは悔しいし、今後の主導権にも関わって来る。


 ああ、それにしても本当に……。



「ムラムラしてますね、主」


「直接的過ぎるからね、夜鶴」


 何処に誰の目が有るのか分からない状況、昨夜リアスを部下と一緒に襲おうとした徹底的に叩き潰すのが確定な奴も出たから警戒も強まっているだろうし、それは彼女も分かっているのか人の肉体は出さずに声だけ。

 それは良いんだけれども、内容はオブラートに包んで欲しい、事実だけれどっ!


「仕方が無いだろう? 色仕掛け受けて直ぐに戦って、一晩戦ってアンリの裸を見て戦って、そして淫夢見て、年頃の僕じゃそうなるよ」


「で、では、私がお相手致しましょう。……”夜”に見張らせれば目撃者も出ないでしょうし……私もお情けが欲しい頃なので」


「……臨海学校中は駄目。それに見張りの何割かが乱入する姿が浮かんだよ」


 最初に夜鶴を抱いた日、感覚共有のせいか我慢が利かなくなった分体達を加えての乱痴気騒ぎ、良かった事は良かったんだけれど、警戒の方法は何も目だけではない。

 今だってポチが纏う風で誤魔化せているけれど、風を使った広範囲に対する感知は見張りじゃ防げない物だ。


「つまりは臨海学校が終わった後は存分に可愛がって戴けると?」


「君もすっかり染まったね。分体みたい……いや、君から生まれた存在だから素直になったって事か」


 ウキウキした声に僕は少しだけ呆れそうになり、それに気が付いて意識を切り替える。


「キュ!」


 僕よりも先に気が付いていたのはポチだ。

 その場に留まって姿勢制御に集中すれば、この世界には存在しないジェット機でも飛んでいるのかと勘違いしそうな轟音の後にポチが纏う風に暴風が叩き付けられる。

 飛んで来たのは槍のような太さと長さの矢で、僕達の目の前を通り過ぎながら王都の方へと飛んで行くそれには手紙が結び付けられ、誰の手による物なのか直ぐに分かった。


「……師匠か。この前の手紙の続きだな」


 少し前に夜鶴が発見して届けてくれた矢文、それは目の前を通り過ぎた物と同じで、内容も思い当たる。

 この前の手紙は汚い字を酒やツマミのタレとかをこぼした汚い手紙に書き、酔っ払って内容がコロコロと支離滅裂な無駄話に変わって行ってたけれど、要約すると”強くなりそうなのにお前の匂いを教えてけしかけた”、だ。

 多分フェンリルの事で、ちゃんと倒したか確認する手紙だろう、逃げられちゃったけれどさ。


 ……遭遇した時は守る対象が居たから、とかは通じないのは考える迄もない。


「お、怒られる。理不尽に怒られる。あの無茶振り師匠に怒られる」


 僕の刀の師匠である彼女は鬼族で、それ故に脳味噌まで筋肉っぽい上に思い付きで動く酔っ払い、教え方は上手いけれど唐突に難易度調整せずに試練を与えて来る。

 ……倒せって言われた彼奴に逃げられたの知ったらお仕置きが待っているのは確実だ、それも死に掛けるのは間違い無い奴。



 そう、剣術の教え方は上手なんだ、あの人自体が刀の扱いに限定すればレナスやマオ・ニュ以上、そして天才でありながら不慣れな相手がどうすれば理解出来るのか分かっている。


 まあ、それ以外が問題で、レナスなら組み手は血反吐吐いて気絶する回数を一定上になったら終了するけれど、師匠は気絶したら命が終わる相手を用意する、何でも”知り合いばかりじゃ駄目だと思って”だってさ。

 それは分かる、分かるんだけれど、素振りを何となくって理由で二日間ぶっ続けでさせた上に、良さそうって思ったからって当時の僕よりも格上のモンスターを連れて来るのはどうなのさ!?


 ……うん、レナスがブチ切れたの見たのってあれが最初だったよね、それでも剣術の稽古を辞めさせはしなかったけれどさ。

 ”死に掛けるのも、戦闘中に一段階強くなれずに死ぬのも自己責任、其奴が其処までだったって事さ。でも、成長する間を一切与えてくれない位に格上に挑ませるのは指導者として間違いだ”、だからね、矢っ張り鬼族って戦闘民族だから……。


「はあ、何とか乗り切るしか……ん?」


 何か強大で妙で、そして危険な感じのする魔力が迫って来ると思ったら、正面から青白い炎の船に乗った女の子が船首に足を掛けて向かって来たと思ったら目の前で急停止、空中だったし速度が結構出ていたからかスカートが大きくはためく。

 パンツがどうとか言っていたけれど、彼女の方を妙な魔力が気になって見ていたけれど……ノーパンだった、穿いてなかったんだ、生えても……いや、言わずに置こう。


「……あっ」


「……え?」


 直ぐに目を逸らしたんだけれど、モロに見ちゃった、彼女の方が僕より少し高い位置に居たってのもあり、目線の高さが丁度さ……。




「キュイ_」


「こら! 露出狂の痴女とか言っちゃいけません」


 そんな事があったんだ、動揺だってしてしまい聞こえる声でポチに注意してしまった。

 でも、急にノーパンの女の子が現れてスカートの中を見ちゃったら……ねぇ?


「死ねっ!}


 当然、間髪入れずに飛んで来る蹴り、怒りは尤もだろうけれど、僕だってそれ程悪いとは思っていないから大人しく受けてあげる気はない、蹴りの軌道がポチに向かっているなら尚更だ。

 繰り出されたハイキックを身を乗り出して受け止め……正面からもう一度見てしまった。



「……パンツ位穿いてよ」


「穿いてたわよ、ちゃんと! 何か凄い矢の勢いで脱げた上に風で飛ばされちゃったから取りに行ったらアンタに見られちゃったの!」


 怒りながら突き出された手には確かにキラキラ光る紐パンが握られていて、どうやら原因は師匠だったらしい。


「……ごめんなさい」


 大人しく足を掴んだ手を離し深々と頭を下げる、下げるしかないよね、この状況じゃ。

 でも、彼女の怒りは収まらず、一旦しゃがんでパンツを穿いたらしい彼女は怒りの表情でランタンを掲げて髑髏が中に浮かぶ青白い炎を幾つも出現させたんだ。

 カタカタと顎を鳴らし、空虚な瞳の奥が怪しく光る中、僕は漸く彼女に覚えた違和感の正体に気が付いた。



「神獣!」


「ええ、その通り! 私の名は……」


「キュイ!」


 そう、彼女の魔力の気配は今まで戦った神獣とは大きく違うが、それでも本質は同じ物。

 僕の言葉に彼女は名乗りを上げようとし、ポチが平然と鉤爪で切り裂いた。



「……ほへ?」


 僕の敵だと察したのか割と容赦の無い一撃だったけれど、相手が予想以上に頑丈だったのか傷は付いていない、但し首から股に掛けて服と下着は綺麗に切れて、その時に強い風が吹く。

 切り裂かれた服は左右に大きくはためいた。



「き、きゃぁあああああああああああっ!? お、覚えてなさい!」


 自分の体を抱きしめ、涙目になった彼女は去って行く、ちょっと追撃する気にはなれなかった……。












「いや、此処で始末した方が良いのかな?」

他にも依頼中


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