アホ故にアホである
もうすぐ総合千八百五十 漫画完成までに千九百行けるかな?
今日はちょっと色々有りすぎて疲れちゃったなぁ……。
ちょっと婚約者候補に相談しようとしたらマザコンに話し掛けられて、戻ったら異性の親友が僕のベッドで裸で寝ていて、色々あって上から覆い被さった事になったと思ったら敵が侵入していた上に僕の服を素肌の上から着ていて、裸で戦っていた親友にドン引き……何これ。
「ま、まさか真っ昼間から……ぴゃぁああああああああああっ!?」
アンリの次に僕の方を指差して顔をトマトみたいに真っ赤になり、実際にボンって音と共に湯気が出たよ、凄いなギャグ担当!
そして僕の姿を見てみるとアンリに引き寄せられてアレコレしている間に服のボタンが外れて胸板が見えている状態、暑いからって上の方のボタンを外したままにしていただろうけれど、この状況を第三者の視線から見てみようか。
若い男女が二人きり、女は裸で男は胸をはだけさせている……うん、情事の真っ最中だったと思われるよ、僕だって思うに決まっている。
「僕が裸になっている事に何の問題がある? 別にロノスに見られるのは初めてでもないし、どんな格好で何をしようと君には無関係だろう」
「な、ナニを……?」
うん、水浴びの姿に遭遇したのが性別を知った理由だけれど、勘違いを加速させるよね、その発言。
ベッドの上で僕の下になって腰に足を絡めて……うん、確認すると卑猥なんだなって時は顔を赤らめて恥ずかしがっていたアンリは戦いとなって敵を前にした途端に恥じらいなんて捨て去ったとばかりに堂々とした態度で折れたナイフを投げ捨てて拳を構える。
……誤解、深まってないかな?
サマエルは真っ赤な顔のまま口をパクパクさせているし、実年齢は分からないけれど中身はマセガキか、見た目通りの。
「それに僕の姿を指摘する自分こそどうなんだ? 見た所、裸になった上でロノスの服を着ているじゃないか。まるでロノスと……な、なあ、ロノス。君、あんな小さい子に手を出してから自分の服を着せていないよな? 匂いで包んであげる、みたいに……」
「失敬にも程があるよっ!?」
ほんの僅か前まで戦闘に頭を切り替えていたのに余計な事を思いついたばかりにサマエルを指差しながら不安そうに問われるけれど、断じて否!
第一、僕は巨乳が好きなのであってサマエルみたいな子供に興味は無いんだから冤罪でしかない”
まさか友人にそんな疑惑を持たれるだなんて割とショックな展開に思わぬダメージを受ける中、サマエルも冷静では居られなかった。
今更ながら素っ裸になった上で異性の服を着ているって状態に気が付いたのだろう、服を脱ぎ捨てようとし、僕に見られているからか動きを止めた。
「あっちを向くのじゃ、変態が! 私様の柔肌は易々と見て良い物ではないのじゃぞ!」
「いや、貴様が勝手に素肌の上からロノスの服を着て、勝手に脱ごうとしたのだろう、露出狂め」
この場に居る三人の服装、僕は前側のボタンが外れて胸元が見えているけれど他は至って普通、サマエルは素肌の上からブカブカな僕の服を着ていて、アンリは全裸で手で隠すべき所を隠そうともしないから正直言って目のやり場に困る。
えっとね……君が言うのかい、アンリ?
着替えている暇が無いとかは分かるんだけれど、年頃の女の子が親友とはいえ異性の前で裸のままってのはどうかと思うよ?
「き、貴様が言う資格は無いのじゃ! 私様とて好きで全裸になったのではなく、森の中で脱ぎ捨ててしまったから服を奪いに来ただけ! こんな時間からじょ、情事に熱中する色狂いにとやかく言う資格は無い!」
「誰が色狂いだ。僕は全裸で寝る習慣が有るだけで、森の中で全裸になってしまったから困っている時点で露出狂は露出狂だろう! 敵である貴様さえ居なかったら僕は男の前で肌を晒してはいないさ」
完全にサマエルの中じゃ僕とアンリが昼前の時間からベッドでイチャイチャしてるのが確定してるらしいけれど、アンリの中でもサマエルの露出狂は決定していて、互いに分かっているのかアンリは眉を顰め、サマエルは歯噛みしながらグヌヌって感じ、僕は口を挟める状態じゃないけれど、取り敢えずサマエルから服を取り返したい。
あー、でも脱げとか言ったらロリコン認定待った無しだからな、敵からは構わない……事も無いんだけれど、アンリからは少しキッツイ。
「……取り敢えず気絶させるか」
「なぬっ!? 私様を気絶させてどうする気なのじゃ!? まさか手込めにでも……」
「しないからね、子供相手に」
「子供でなければするのか、色情魔めっ!」
「……アンリ、どうにかして」
言葉が通じないって言うか、何を言ってもそんな方向に持って行かれる予感ヒシヒシで、実は精神的に追い詰められつつある状況。
気絶させてアンリに服を剥ぎ取って貰うだけの予定だったのに脳内ピンクのエロガキのせいで台無しだよ。
「どうにかと言われてもな……」
助けを求められたアンリは少し困った様子で僕に視線を向け、続いて自分のベッドに、正確にはベッドの下に目を向ける。
ああ、僕のベッドに武器を隠していたんだし、自分の方にも隠しているか。
「流石に見られているよね?」
「見られていなくても感づいてはいそうだ」
ベッドの陰から飛び出したのだし、ナイフを隠していたと見抜かれるのは当然で、だったらもう片方のベッドにも隠しているのは見抜かれるだろう。
武器を奪われても、武器を取りに行く際の隙を狙われても厄介極まり、相手をどう抑えるかが問題となって来るだろう、アホだけれど女神に創造された存在の幹部なんだから、凄いアホのギャグ担当だけれども。
「ぬぅ、不用意には動かんか。ベッドの下から使い込まれた武器の香りがするから取り出す時に背中を串刺しにしてやろうと思ったのじゃが……」
アホだけれど見抜いていたよ、アホだから自分の狙いもペラペラと話しているしさ。
……武器の香り、要するに嗅覚での察知とかが可能って事か、今知れて良かったと思う反面、話してしまった事を仲間に話して対策への対策を練って来る可能性も有るし、嗅覚の鋭さを利用した作戦は成功すればラッキー程度に頭の隅にでも置いておこう。
「ロノス、あの子って……アホだな」
「うん、アホだけれど油断は禁物だよ」
「にょほほほほほほほほほっ! 良い事を思い付いたのじゃ! 貴様、この服が大切なのじゃろう?」
僕とアンリの警戒を余所に高笑いを始めたサマエルは着ている服を左右に引っ張り嫌らしい笑いを浮かべて得意顔、但し気が付いていないけれど力が強過ぎたのかボタンが外れて胸がチラチラ見えるようになっていたよ。
いや、美少女といえば美少女だけれど見た目が年下過ぎて何とも感じないんだけれどね。
「この服を守りたければ私様の攻撃を防がずに受け続けるのじゃ! もし反撃でもすれば私様の血で汚れるし、避けてもソースか何かで汚してくれようぞ! にょほほほほほほほほほっ! まさしく外道の極み! 私様は天才なのじゃ!」
「「……」」
「言葉も出ない程に恐れおののくか、身の程を知ったらしいな、人間」
いや、呆れて声も出ないのであって、フリートが戦った神獣がボロクソに貶すだけあるなってのが正直な意見で、此処まで来ると苦労させられる仲間に同情さえ覚えているんだ。
どうして子供の悪戯みたいな作戦で此処まで得意になれるのか疑問は尽きない、それはアンリも同じらしく、呆れつつもハンドサインを送って来ていた。
”隙を作れ、武器を回収する”か、了解了解。
「むっ? 貴様、服を盾にされているのに何をする気なのじゃ?」
「何って……このまま突っ込むのさ」
「突っ込っ!?」
「いや、変な誤解するなよ、脳みそピンク」
自分の作戦が成功すると信じて疑わないのだろう、構えた僕に怪訝そうな表情を向けて服を更に引っ張るサマエル。
おい、魔力が籠もっている物は時間の巻き戻しが面倒なんだぞ、変に扱うな。
……まあ、時間を掛ければ良いだけだし、僕が時使いだって分かっているだろうに本当にアホだと呆れかえった時だった。
「誰だ、彼奴は……」
アンリは呆然とし、僕も固まる。
何時の間にかサマエルの背後には貼り付けたみたいな笑顔をしたウサギのキグルミが立っていたのだから。
そして、ログハウス内に奇妙な歌詞の歌が響き渡った……。
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