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妹はヒロインですか? いいえ、相棒です

総合千八百突破です!

 自由と悪戯とパンダを司る神……いや、こうして確認するとパンダを司るとか何なのさって感じだし、最近司るようになったのならパンダのヌイグルミみたいな見た目は一体なんだって言いたいけれど、世の中には沢山の生物が存在するんだから神様が人間の姿なのばかりだってのは人間の思い上がりなのか?



「パンダ!? パンダのヌイグルミみたいな見た目の神様だったの!? お兄ちゃん、ズルい! 私もその神様に会ってみたかった!」


「いや、正直言って根腐れしてる神様だったよ? 後、結構意味不明な事をその場のノリでやってるっぽいし、最初の感想がそれで良いの?」


「え? だって私も結構ノリで動いているし、パンダはパンダじゃないの」


「そっか……」


 そんなアンノウン様はゲーム通りの僕達を知っているっぽい事とか、未来を変えた事で悪い方向に進んでいる事も有るとか、結構色々重要な事を話したけれど、リアスが一番に反応したのはアンノウン様の見た目で、正直叶うなら変わって……いや、駄目だ。

 あんな関われば関わるだけで精神と胃に影響が出そうな神様と大切で可愛い愛しの妹が関わる、しかも代わって欲しい?

 ふざけるのも大概にしろよ、僕!




「だって未来なんて普通は全然分からないものだし、嫌な未来を避けようとする私達の行動は間違っていないでしょ? それで何かが立ちふさがるなら全力で殴ってぶっ飛ばす、それで良いじゃないの」


 平然と言い切るリアスの姿に僕は安心を覚える。

 ああ、これだから僕にとってリアスが一番信頼出来る味方なんだよな。


 この場で自分がどう動けばどんな影響が周囲に及ぶ、その事ばかりを気にして雁字搦めになっている僕と違い、この子は前だけを見て突き進む。

 どっちか一方だけが正しいって事は無くて状況次第だけれど、だからこそ互いに支え補い合えば良いだけなんだ。


「お兄ちゃん? もー! 私、もう十六なんだからね!」


「はいはい、ごめんごめん」


 気が付けばそんな妹の頭を撫でてしまっていたし、確かに十六の女の子相手にする事じゃないんだけれど、相手は他人じゃなくって妹だし、今は双子でも僕の中では何時までも年下のままなんだ。

 それに口では文句を言っているけれど振り払いもしないし、甘えん坊だから意地は張ってても此処で止めたら不機嫌になっちゃうんだよね。


 さて、此処からちょっと話し辛い事を相談しないと……。



「矢っ張りリアスは頼りになるよ」


「でしょ! だって私はお兄ちゃんの妹だもの!」


 貴族として生きていると周囲から聞こえるのは血を分けた兄弟であっても信用出来ないって言葉だ。

 領地を受け継げなかったら余所に嫁や婿に行くのだろうけれど、同等の家柄なら幸いで、家を出ても兄弟との折り合いが悪ければ気に入らない事も多い。

 大勢を娶る予定の僕も他人事じゃないけれど、腹違いの兄弟と跡目争いなんて頻繁に聞く話でもあるし、家族イコール味方って訳じゃないんだよ。


 でも、少なくても僕とリアスの絆は確かな物だし、本当にそれは幸福な事なのだろうな。




「あっ、でもノリだけで動くのは控えようね」


「え? なんで?」


 いや、なんで、って……。



 こういう活発で即決断って所がこの子らしいなあ。






「それでお兄ちゃん、帝国のダンジョンに何の用なの? えっと、何って名前の洞窟だっけ?」


 さて、此処から先が言いにくい箇所だけれども、先ずは説明が必要か。


「”忘却の洞窟”だよ。正確には奥に存在する”追憶の宝玉”に用があるのさ」


 何となくだけれど覚えている”魔女の楽園”に関する知識の中、どうにか利用出来ないかと学園に入学する前から考えていて、一時は頓挫したと諦めていた物がある。

 ゲームにおいて終盤近くまで最弱の性能を持つヘタレ皇弟ことアイザック・アマーラ、彼の好感度とレベルが一定以上になると発生するイベント中のみ入れるダンジョンこそが今回の目的地だ、

 宝玉事態はダンジョンに潜って最深部までたどり着くという儀式をこなす事で生成される使い捨ての魔法のような物で、使用者が思い出したい事を明確に思い出させてくれる。

 それで朧気なゲームの知識を思い出したいと当初はアイザックと仲良くなる事を狙っていたんだけれど、よりにもよって街中でリアスに求婚した上に行方不明になった事もあり、さっきリアスが口にした通り何か起きたら対処すれば良いんだと一度は諦めた。


「今頃になって計画を再開するのはなんで?」


 リアスの疑問も尤もだろうね。

 だってあくまでもゲームはゲームだって事になったんだから。

 実際、あんな風に気になる事を言われなかったら考えもしなかっただろうし、こんな風に悩んでもいない。


「わざわざ神様が警告に来る位だし、”どうにかなるさ”って楽観的になるのもどうかと思ってさ。予兆を見逃さない為にも取り戻しておきたいんだよ」


 力は付けた、味方も大勢作った、だけれどもその分大切な物も増えたし、念には念だ。

 問題は国が管理するダンジョンで、”前世の記憶を取り戻したい”だなんて世迷い言や生半可な嘘じゃ入れる所じゃない。

 なにせダンジョン内で生まれるモンスターの素材もダンジョンによって違うし、手っ取り早く強くなるにはモンスターとの戦いが一番だからこそ管理している。

 幾ら養女を娶るといっても僕が入れて欲しいと言ったら無条件で入れて貰える筈もなく、世の中には例外もある。


 ゲームで知った知識に関する詳細は忘れていて、調べても皇族の秘密だからと理由は判明していないけれど、それでも分かったのは皇族と一緒に入るのならば難しい許可は要らないらしいけれど、但し入るには別の条件が有るらしい。



「別の条件って?」


「其れをどうにかネーシャから聞き出したくってさ。かと言って下手に弱みを見せたら足元を見られる相手だし、慎重にならないと」


 詳しい理由を話せない以上、後ろめたい物があるって言っているのと同じで、他国から迎える結婚相手に優位性を与えるのは今後の火種になりかねない。


 何せ頼む相手はまだ正式には婚約者候補でしかないんだ、確定だとしても。

 入る為に色々無茶をしたとか言われたらこっちが困るし、此処はもうネーシャを確定にして、クヴァイル家の後ろ盾もあって頼むのが望ましい。


 ……他の情報では皇族への試練の場二使われているらしいし、其れを受ける事でネーシャの皇帝の養子としてのランク上げにしたい、って口実でさ。




「もう彼女と結婚したら受けさせられる、とかなら手っ取り早いんだけれどさ」


 どうせ政略結婚が決まっていて、候補から選ぶって名目上の事でしかない。

 ああ、それでも目当ての為に求婚するみたいなのは良心が痛むよ。



「こんな時、お姉ちゃんに相談出来たらなあ」


 そもそも知りたい情報を直接聞けばこんな風に悩まないで良いと思った時、突然目の前が真っ暗になった。








「え、えっと……会いに来ちゃった」


 お姉ちゃん、来ちゃった……。

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総合千八百突破嬉しい

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