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聞けなかった原因

依頼した漫画、遅かったら下旬ですし、今年中に情報くると思います

「皆さん、此処に残っているだけで賞賛に値します。生き残る事、それが戦いで一番重要な事ですからね」


 一晩森の中でモンスターを狩り続けたからか疲れた様子の生徒も多いけれど、一晩森の中に居るだなんてサバイバル訓練に熱心な家の子息子女でもなければ仕方が無いのだろう、但しエリア外でイチャイチャしていた馬鹿ップル、お前達は別だよ、一応エリア外にまで足を運んで良かったよ、納得出来はしないけれど!


 ……うん、神獸なんてのが出て来なければ放置していたよ、自己責任だとしてさ。

 だけどさあ、これで犠牲が出たら、其れを利用して云々とか企んでいたら阻止したいし、無駄とも思う労力を使わされて、逆にそれが目的だったんじゃないかってさえ……。


 良し! 落ち込んだからポジティブな事を考えようか、例えばマナフ先生!

 聞いた話じゃ結構な怪我をしたらしいけれど、今じゃ何処か痛い様子すら見せていないのは凄いんだよな、リアスの使った回復魔法がさ!


 リアス、素晴らしく可愛くて強くて凄い自慢の愛する妹!

 可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い……ふう。




「なあ、チェルシー。彼奴、真顔で話を聞いているが……」


「ええ、何を考えているか分かるわね、フリート」


 少し視線が痛い気がするけれど、僕は可愛い妹を可愛いと再認識しているだけでポーカーフェイスも保っているので別段困る事も恥じる事も無いからと先生の話を聞きつつも周囲を伺う。


 アンダインは居ないのか、アリアさんが付き纏われて迷惑だと言っていたし、脱落したのなら嬉しい限りだが意外と言えば意外だろう。

 アレでも生徒内では上位に入る、但し高く分厚い壁を挟んで一握りの異常な強さのが数名、僕とリアス、それに付き合ったチェルシー、チェルシーに触発されたフリートは壁を乗り越えている途中で、アリアさんは多少の無理もあって魔法のみなら壁を越えている……この辺りは神殺しである闇属性たる所以って所かな?



「殿下、一時脱落していたにも関わらず復活お見事です」


「何でも新種のモンスターに遭遇したそうですが、初見の相手にも関わらず戦ってみせたとか!」


 意外と言えばルクスの奴、気絶から目覚めてハンティングを再開していたらしく、取り巻きの賛辞を受けて少し複雑そうな面持ちだ。

 僕も助ける時に少し遊びを入れてしまったし、ちょっとは気にしていたんだよ。

 アンリも助けようとした結果が余計な真似になったからか少し安心した様子だけれど、僕としては彼奴には脱落して欲しいんだよなあ、だって可愛い可愛い可愛い妹に惚れて言い寄っているんだから、あのマザコン。

 モンスター討伐によるポイントが足りないと帰宅が決定するけれど、パートナーの僕も一緒だったらって思うと足りて欲しいとも思う。



「さて、既に予定外の事態が起きていますが、それによって臨海学校は……」


 此処で学校の都合で中止ってなったのなら僕の責任じゃないから安心出来る、じゃないとレナに鍛え直しの為に地獄のメニューを用意されるんだよ、絶対に。

 僕以外にも中止になるかどうかを気にしているのが数名居るけれど、想定外の事態が発生した事に怯えているのか中止を願っている様子のも数名、取り入るチャンスだから中止にならないで欲しいと願っているらしく先生と家柄の良い生徒を交互に見ている生徒も数名、リアスは……友達と海で遊べるから続いて欲しいとアリアさんに話している。


 うん、あの子が望むのなら続いて欲しいかな?



「中止……にはしません。領地を背負い、家によっては兵を率いて戦場に立つ以上は全てを想定しつつも想定外の事態にも対応する必要が有りますし……怖いからと逃げ出せば威信に関わりますからね」


 一瞬ビビったけれど、何とか続くらしいとホッと一息、後はルクスが不合格かどうかで、それに僕が巻き込まれるかどうかだけれど、不安でいると腕輪が光っているのに気が付き、目を向ければ”合格”の文字が。


 ルクスも合格か……ちっ!


 片方さえ条件を満たせば良いのか両方の合計なのかは不明だけれど、理想を言えば僕だけが合格だった……贅沢は此処までにしようか。

 不合格になったなら僕が気に病んだだろうし、どうも僕が気絶させた事に気が付いて居ないらしいから一安心だしさ。



「ですが、想定外の事態に対して退く事を選ぶのも勇気の一つ。自分に何かあった事を考え、家に戻る事も許可しましょう。明日の正午、次の訓練を開始しますので、其れまでに用意した馬車に乗らないと歩いて帰る事になりますよ。取り敢えずログハウスに戻って休んでから考えて下さい」


 ……ああ、学園からすれば逃げ帰るみたいな真似は出来ないけれど、顔を立ててやった上で生徒が帰るのは許可しようって事か。

 退く勇気、そんな言い訳を与えられてしまったら何人か帰りそうだけれど……。



 まあ、帰りの馬車は既に用意されているらしいけれど、考える時間は丸一日与えられた、つまりは御者の皆さんは明日の正午ギリギリまで待たされるって事で、ご苦労様としか言えないや。

 其れはそうとして今は……。



 ネーシャに視線を向ければ気が付いたのか笑顔で軽く手を振って来て、少し可愛いと思ってしまう。



「ああ、演技とは分かっていてもあんな笑顔を見ちゃうとね……」


 思い出すのは彼女との日々、リアスの取り巻きの一人ではあるけれど貴族じゃない彼女は少し居心地が悪そうにする毎日だったし、二人きりになれる時も珍しかった。

 自然と浮かべるのは卑屈そうな愛想笑いで……おっと、まただ、また僕が辿っていないし辿る筈のない人生を思い出していた。


 アンノウン様は”本来の僕と違って”と僕を評したけれど、その本来の僕って言うのは前世の記憶を蘇らせずにゲームと同じ流れになった僕なんだろうけれど、蘇った記憶には時系列的に未来の物まであったし、他にも奇妙な言い方をしていたな、それこそ文章なら誤字だと思われそうな内容をだ。



「……しまったな。あの時に質問すれば良かったかも」


 教えてくれるとは限らないのだけれど、こうしてモヤモヤ悩むよりはマシだった筈、なのにしなかったのは言い訳になるけれど他の生徒を助ける為に神経を使い過ぎた事にも原因があるだろう。

 防いだ方が良い事は沢山あって、僕には防ぐ力があるとはいえ、気になった事全てを防ごうとするのは思い上がりじゃないだろうか。



 少なくても一人で背負うべきではないし、人材を集めていたのは何の為だって話だよ。




「尚、残る場合は緊急事態として一人だけ護衛を呼ぶ事を許可します。伝書鳩を今日の正午に飛ばしますので必要な人は先生の所まで手紙を持って来て下さい」


 おっと、これで今回何かあっても頼れる味方が今より増えるのなら安心だ。

 


 じゃあ、誰を呼ぶかとかも含めて一番信頼する仲間に相談するとしようかな。













「キュイ?」


 おっと、誰かが勘違いした気がするぞ、何故か凄い可愛い気もする。

 訂正、凄く可愛い気がするぞ。

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