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厄災の紅竜  作者: 海月 木野子
8/16

008 竜は提案する

投稿したと思っていた話部分が抜けてたので割込み投稿です

遠視(ファシー)を使って視たルノの日常は、寂しいものだった。

誰もかれもが腫物扱いか、ルノの事を(いと)う者ばかり。


私のせいで紅色が嫌われているというのは知っていたが、何も生まれつき紅色を持つ子まで嫌う事はないだろうに。

数日、ルノを観察してみたものの親らしき者の姿を見る事は無かった。


クランと言う名の茶髪の騎士だけは、ルノを気遣うように見受けられるが身分の違いからなのか、それ以上踏み込んで話をしたりする事は無いようだった。

もしかしたら、私が居るこの国の人々のみが紅色を嫌っていて、他の国の者は色についての差別は無いのかもしれない。

あくまで推測だけど。


昔は紅色が魔力を一番強く持つ者と言われていたのだが、現在は黒・金・銀が魔力が高い色とされているらしい。

もしかしたら、紅色を持って生まれる者が現在では殆ど居ないのかもしれない。


にしてもルノの髪は銀なのだ。

魔力が強い者として敬われて良いはずなのに。

私の一夜の暴走のせいで、現在こんな事になっているなんて責任感じちゃうわね…

ごめんよルノ……


((こんにちはルビリア様!))

そうこう悩んでいるうちに、ルノが来る時間になっていた事に声を掛けられてから気付いた。


以前、私が念話(マイト)を発動し忘れている時にルノが心で私に会話してきた事があった。

私に無視されたと勘違いして悲しい顔をしていたので念話(マイト)は最初に教えてあげたのだ。

ルノは飲み込みが早く今ではスッカリ念話(マイト)を使いこなしている。

私がぼーっとしていても、問題なく話しかけてもらえるようになっていた。


((ねえルノ。あなた魔法の勉強はしていないの? 私に首輪の魔法を上書きしに来ているって事は、多少は魔法の心得があるわよね?))

ちゃんと勉強が出来ていないという事を知りつつも、素知らぬ振りをして話しかける。


((首輪の魔法しか知らないんだ。レノ爺から基本的な事だけは習ってたけど、ルノ爺が居なくなってからは、僕が落ちこぼれだからって他の魔法は教えても無駄だと言われてるんだ))


はい嘘ー!

首輪に上書きされている魔法は空間・風・土が必要だ。

それに魔術として維持する為、供物として膨大な魔力や血等が必要となる禁術は魔法の上書きだけでも繊細な操作が必要となる。

供物は別の場所で贄とやらを魔術維持に使っているのだろう。

こんな子供に向かって教えても無駄とか、本当に腐っているとしか思えない。

聞けば聞くほど、胸糞の悪い話ばかりである。


((それは、おかしいわね。

この首輪に掛けてる魔法は結構、魔力操作が難しい分類の魔法よ。

ルノはきっと、魔力操作が上手だから魔法を覚えれば、ぐんぐん上達すると思うわ。

ねえ、ルノさえ良ければ、私が魔法を教えようか?

こう見えて、魔法は得意なのよ))


((ほ、本当!? いいの?))

驚きつつも、物凄く嬉しそうな顔をしていた。

魔法が嫌いでなくて、何よりである。


((もちろん、いいよ。ここは酷く退屈だから、ルノが喜んでくれるなら教えるよ))

知識が増えれば、周りの評価も変わるだろうしルノの自衛力も高くなる。


((あ、でも…周りに知られると…))

打って変わって悲しそうな顔をする。


((大丈夫、大丈夫!! 周りからバレないようにする魔法くらいなら、今の私にも使えるから。

まずは、基礎から勉強しましょうか。

ルノも魔法から離れて大分経つようだし、私も現代の魔法と昔の魔法との相違点があるかが不明だから、知識の整合性も兼ねて一緒に勉強しましょう))


今までで一番と言えるくらいの笑顔をルノが見せ、私も笑顔になった。

竜の顔で微笑んでるのが伝わるかは不明だけど…


勉強会は明日から行う事になった。

明日からの勉強が、ルノにとっての助けとなりますように。

次話から、この世界における力についての説明話になるので、ちょっとくどいかもしれません。

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