005 少年の心
男の子側の視点で見た、竜との出会い時のお話。
今日は、とうとう紅き竜の所に魔術を掛けに行く日だ。
僕は要らない子だから、竜の魔術係に選ばれてしまった。
この国では紅色は厄災を招く色とされていた。
そんな紅を瞳に持って生まれた僕は、周りから厭われていた。
実の親にさえも。
ザガンに連れられて紅き竜様がいる竜牢に入れられた時、あぁ僕はここで食べられるんだなと思っていた。
だけど急に頭の中で女の人の声が聞こえた。
その声が竜様の声だと知って、初めてしっかりと竜様を見たら、食べられるのが怖くなて震えて足が動かなかった。
でも、声が優しかったから勇気を振り絞って魔術を掛けに行った。
震えながら、どうにか魔法をかけ終わった僕に優しい声が響いて褒められた。
褒められたのは初めてで、驚いた。
竜様は僕を食べないとおっしゃっていたけど、まだ震えは収まらなくてそのまま逃げるように竜牢を出た。
怖かったけど、何だか心が温かかった。
本当に食べられなかったから、明日は僕から話しかけてみようかな…
男の子よりも、一緒に来た金髪貴族の名前が先に判明するっていうね。
男の子の名前は、次話で判明します!