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持っていくべき5つのモノ。

 大精霊様は、スールズから降りたぼくたちのところに、足音もなく一瞬でふわっとやって来た。その落ち着きの良さが反対に怖いなぁ。怒っているのかな?


「人間ではないですか。こんにちは」


 おや、どうやら大精霊様も君に興味を持ったみたいだよ。

 怒られずに済みそう。まずは挨拶をしてね。


 くれぐれも機嫌を損ねないように。




「――そうなのですね。それでこの世界にやってきたと」


 大精霊様は君のことが気に入ったみたい。魔法で大きなブドウを出してくれたよ! 知ってる。これ地球で育つ果物ってやつだよね。ぼくたちにもわけて!


「ぎゃふん(俺には)?」


「スールズは空気がごちそうでしょ?」


「ぎゃふん(心の狭い奴)」


 なんてね。ちゃんとあげるよ。スールズにも。

 ねぇおいしい?


 ぼくたちもたーべよっと。もぐもぐ。


「おーいしー♪」


 真っ先に瞳を輝かせて言ったのがヴィヴァーチェだ。その次はぼく。そして食いしん坊のレントは……目を見開いてもごもごしてる。

 言葉が無くなるくらいに、おいしいってことかな?



「地球へ行くには5つのモノが必要です」


 5つのモノ?

 なんだろうね。


「まずは、お金」


 そっか。地球では物をお金で買わなきゃいけない。もし、並んであるものを勝手にとって食べたりしたら、捕まえられてひどい目に遭うんだって。


「次に、このフード」


 黒いフードが四枚。これは、ぼくたちの姿が地球のあらゆるヒトと同じようになれるという優れもの。そう大精霊様は君に言っているよ。


 まぁ本当は三枚でいいんだけれど。地球にはいろんな肌のヒトや言葉を話すヒトが居るからね。これで異なった文化の人たちでも、きっと気兼ねなく接してくれるよ。


「そして、ドラゴ族のその子」


「ぎゃふん(太陽系に行くのは初めてだが)」


「そんなときに役立つのがこの道具」


 大精霊様はスールズの大きな瞳にレンズをはめ込んだ。すると、ピコピコという音がして、地図のようなものがスールズの瞳に浮き上がった。

 

「あなたはそれを頼りに進めばいい」


「それが4つ目の必要なモノ? あと1つは?」


 せっかちなヴィヴァーチェ。そんな彼女を見て大精霊様はニコッと笑った。


「真心です」


 スールズ以外のみんなが目を丸くした。それって物? モノ……。


「最後の1つはとても大切なモノです。落とさないように」


 君は分かった?

 ぼくにはよくわかんないけれど、持っていくべきモノがそろったね。

 確認するよ!


 お金・特殊なフード・スールズ・地図・そして真心


 君は持った?


 じゃあ、大精霊様の加護を受けて、いよいよ地球へ出発だ!

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