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大精霊様に会いに行こう。

 さて。準備といっても、地球で一番大事なのはなんだろう?


 この世界で一番偉い、大精霊様に聞いてみよう。


 大精霊様はエルフィナ族みたいな容姿だけれど、不死身で物知りで、地球のことをよく知っている。そして不思議な魔法も使えるんだ。


 すごいでしょ、えっへん。


 そうとなれば、レントとヴィヴァーチェと一緒に、スールズに乗って大精霊様のいる祠に案内しようかな。ちょっと狭くなるけれど大丈夫?


 大丈夫か。だってスールズは大きいもの。


 さぁ、木で出来た階段を上ってもこもこの毛を掴んで。君が特等席だよ!


「ぎゃふ(重い)……」


「気力が足りない! ドラゴ族の誇りを持って!」


 ヴィヴァーチェがベチべチとスールズを右手で叩いている。ちょっと、かわいそう。相棒はもう結構いい歳なのに。でも怒ったりしない。いつものことだからだ。


「まぁまぁ、天鉱飴てんこうあめでも舐めてれば落ち着くよ」


「おまえはエルフィナ族の誇りを持って!」


 レントは差し出した天鉱飴てんこうあめをじっと見つめると、パクっとそれを自分の口の中に入れた。なんだか、ほわーっとしてる。こいつはいつもしあわせそうだ。


 


 

 ――びゅおおおおおお!


 大精霊様の居場所は少し遠い。だから、少し飛ばしてって言ったらこれだ。

 大丈夫? 振り落とされないようにね。

 あともうちょっとだから。


「ぎゃふ(ほいよ)」


 急ブレーキ。

 その勢いで、ヴィヴァーチェの矢の何本かが祠の付近に落ちてしまった。レントの天鉱飴てんこうあめたちも。


「誰です。物騒な」


「あ、大精霊様! ごめんなさーい!」


 誰よりも謝るのが早いのもヴィヴァーチェのいい所。

 それにしても不思議な存在だなぁ。大精霊様は。


 風もないのに、長くて白い髪がまるで地球のクラゲのようにうねっていて、面白い――と思っていたら、ザクロのような紅い瞳でぎろっと睨まれた。


「取り敢えず、降りてきなさい」


「ぎゃふ(叱られるな)」


 相棒は鼻でフッと笑った。

 どうして。ぼくは悪いことしてないもんー。


 いやだいやだ、降りたくなーい!

 ね。君もそうだよね?


 え。大精霊様に会いたいって。


 ……誘ったのはぼくたちだもんね。降伏するよ。はぁあ。

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