三人目と、旅の終わり
誤字脱字報告ありがとうございます!
聖霊は「聖」で正しいつもりでやっています。妖精の「精」とまぎわらしくないようにていうだけなので、深く考えなくて結構ですよ!
引き続き、気づいたら、誤字脱字報告お願いします。
アンナが最大の速度で飛んでいると、不意にアンナとユストをつなぐ経路に異常があった。
そして、その直後
『ドーーーン』
自分の少し後ろの森の中から、大爆発の音が聞こえた。
ユストに異常があったことは、すぐにわかった。
「ユスト!」
思わずそう叫び、そこに飛んで行く。
そこには、浅い洞窟でもあったのだろうか、少し山の斜面が抉られているとともに、大きな窪地が出来上がっていた。
その大爆発の跡の中心に、倒れている少年が一人。
「ユスト!?大丈夫!?…生きてる。よかったあ〜」
ユスト自身には、怪我はなく、規則的な穏やかな寝息を立てている。
大爆発が起きて、中心にいたはずなのに、怪我がない…
このような状態になっているのは、ユストに渡した魔力が暴走して、爆発を起こしたとしか考えられない。
思い当たることといえば…
「どうせ、この盗賊たちが、無理やり服を脱がせようとでもしたのでしょう。」
そう言って、サリーが見下ろした先にいるのは、爆発で吹っ飛ばされ、意識を失い伸びている男三人。
「ユストに危害を加えようとしたことは、許さないの!」
と、アンナは怒り任せに魔法を打とうとした。
「アンナさん。今回は何もされていないようでしたので、流石にそこまでは…。
まずは、ユストさんを起こしましょう。」
「あっ!そうなの!ユスト!大丈夫なの!」
そう言って、声をかけて揺さぶってみたが、全く起きる気配がない。
「たぶん、魔力の大量使用による、一時的な気絶状態なのでしょう。
あの爆発の大きさでしたし、明日の朝までには起きないかもしれないですね。」
「と、とりあえず、安全なところにユストを運ぶの!」
少し先に手頃な洞窟ーっていってもただの狭い横穴だがーを見つけ、浮遊魔法を使いつつ、ユストの体(12歳、女)を運んで行く。
軽くてよかった〜、とは、アンナの談である。
洞窟の床は、硬くて寝心地は悪そうだが、せめてもと、ユストが背負っていたカバン(爆発はユストとともに無事だった)を枕がわりに、寝かせてあげる。
(軽くて良かったの…。それにしても、ユストはとっても可愛いの!)
そんな中、森が静かに更けていく。
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すっかり日が暮れ、日付が変わろうとしていた頃。
(あれ?経路に異変が…?)
一人違和感を感じて、起き上がったサリー。
(エネルギーはすでにもらっていますが…)
薄暗い洞窟の中、横ではアンナが、もう片方ではいつのまにか、男の子に戻ったユストが寝ている。
外では、少し雨が降っている音が聞こえる。
そんな中、ユストの体が突然、眩しく光り始める。
(っ!?これは、まさか!?)
そうして、光が収まったユストの体と、
「うぇーん、濡れちゃったよー」
かすかに聞こえてくる声に、サリーは…
(ふふっ、楽しくなりそうですね。)
と、笑うのであった。
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「ん…、あれ、ここは?…って、あれ?」
「あ、ユストさんの、おはようございます。」
朝から出てきた自分の声は、またしても女の子の声だ。
1日で同調が終わるということだったのにと、ユストは疑問に思う。
(それにしても、昨日とは、ちょっと違う気が…
なんだろう、少し凛々しい感じがする?…!?)
ユストは、昨日とは違う自分の服装に気づき、驚いた。
青を基調とした…っていうより、青一色のドレスだったのである。
外見も、昨日は「元気ハツラツなお嬢様風」だったのに対し、「静かで聡明なお嬢様風」な感じがするように変わっている。
「サリー、これは…?」
「ユストさん、多分今度は私と、同調したのかと思います。」
「マジでっ!?」
(アンナだけかと、昨日で終わるもんかと思っていたら、今日もか…。っていつの間に寝ていたんだっけ…、あ!そうだった!)
「サリー、盗賊は?」
「ユストさんの服を脱がせた時の爆発で吹っ飛び、地面に伸びていました。アンナさんは、まだ寝ていますね…。
それよりユストさん。」
「ん?なに?」
ユストがサリーのセリフを待っていると、
「あ、あの!ユストさん…、」
いきなり、横から、声をかけられたのであった。
さて、三人目となりますね。
次で旅編は終わらせるつもりです。
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