すれ違いは宿命っぽい?
わー
ブクマが増えていた〜、やった〜
2019/4/7 あらすじを大幅更新。
あらすじがあらすじでなくなった件
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ユストを迎えに行ったが、呼んでも返事がなかった。
部屋を覗いても既におらず、出発しているようだった。
しょうがないので、ヘレネを呼んで、学校に連れて行こうかと、踵を返すと……
「あ、あの……すいません。」
横からかわいい声がした。
どうやら心配しているようだったので、そちらの方へ向くと、予想を絶するようなかわいい少女がいた。
10歳くらいだろうか?珍しい白い髪を持ち、純粋そうな目は不安を浮かべていた。
しかし、白い髪と言うのは本当に珍しい。最近は召喚された女勇者が白髪の少女だったらしいが……まさかな。
「あ、あの〜」
おっと、考え事に耽ってしまったようだ。その目がさらに不安そうなものに変わる。
「失礼。私に何かな?」
「ええっと、エミーレさんで間違い無いでしょうか?」
「そうだ。私が学校長エミーレだが……おや、君は、我が学校の生徒だったかな?」
可愛すぎる容姿と白髪に気を取られすぎてしまっていたが、よく見ると貴族第二学校ーー私の学校の制服を着ていた。
それもずいぶん小さい。このサイズは売ってないので、特注でもない限り、買えないはずだ。
「そ、そうではなくて、違うんですが……ええっと、兄がお世話になりました。あ、い、いえお世話になります。」
「兄?」
「あ、えっと、ユストのことです。」
「ああ、彼か。そういえば、朝はもういなくてな」
「そ、そのことなんですが……」
「緊張しているのか?そんなかしこまらなくていいぞ。」
「は、はい。すいません……それで、兄なのですが。その……、急用で来れなくなってしまって。」
「ほう。」
「それで、私が代わりに受けさせてもらえないかな〜と……」
予想もしていなかった願い出に困惑してしまう。
どうして彼女ーユストの妹はこのような頼みを?
そういえば、ヘレネが、ユストは王家関係者かもしれないと行っていたな。
もし、ユストとその妹が王家であるとするなら……
・「急用ができた」と言うのは納得できる。王家なら、言えない急用ができることもあるだろう。
・学校の制服を着ていることにも納得がいく。王家なら、制服の一枚や二枚、簡単に手に入れられることだろう。
(ふむ、よくよく見ると、制服も正規品とは少し違うな。これは、ヘレネと要相談だな。)
しかし、その妹が通いたいというのは、どういうことだ?
「なぜ、代わりに出たいのだ?」
もし、出れないなら、休めばいいだけだ。代わりに学校に行きたい、というのは違う。
「え、えっと。学校で習ったことを兄に教えてあげようかな?なんて……。初日から休んでしまっては、大変かもしれないですし……」
確かに、初日は学校についてさまざまな説明があり、それを受けられないとは、困ることも多いだろう。
しかし、それが言い訳に過ぎないのを、エミーレは確信していた。
(あの目は、好奇心からくる目だな。学校に行きたいという気持ちが大きいようだ。しかし、相手は王家。断れば、何かとありそうだし、第二学校にお忍びで着ていることにも、事情があるのだろう。)
「わかった。君たちにも、事情があるのだろう。今回は認めてやろう。」
「あ、ありがとうございます!」
(しかし、‘首席’のいない入学式と、好奇心で制服を着てまで学校に来たその妹。こんなこともあるのだな。)
どこかこの状況を楽しんでいるエミーレがいた。
「ところで、ユストの妹よ。」
「あ、は、はい。」
「お主の名は何という?」
「あ、え、え〜と。」
うろたえているようだ。偽名の考え忘れかな?
ユストの妹って呼びかけに反応が遅いことを考えると、ユストも偽名なのだろうか?
大失態w
エミーレ視点でした。
勘違い要素が、増えてくるそう。




