逃走
どうしてそうなるかは、読んでいたらわかります。
何かご意見あったら、感想欄まで。
あ、魔法うんぬんの塊は飛ばしてもいいよ。(前書きはおまけ:いわゆる説明回)
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アンナと契約してから、その日はずっと、魔法を使い続けた。
あの後、森に行って魔法の訓練と、実験を行った。
アンナが言うには、僕が使っている魔法は、アンナが持っている魔力を、契約の時にできた経路によって僕に送り、僕がその魔力を練ることによって、魔法が使えるそうだ。
普通の人は魔力を持ってない(もしくは極少量)ため、魔法を使うことができるのは、魔力を持った特別な家庭の人か、僕のように、聖霊や妖精と契約した人だけらしい。
「アンナって、自分で魔法は使わないのか?」
自分にいちいち魔力を渡すより、直接アンナが使った方が、効率良いのでは?と、思って聞いてみたらーー
「使えることは使えるの。けど、ユストが使ってくれた方が、効率がいいの!」とのこと
効率がいいーつまりは、少ない魔力で、大きい魔法を使えると言うことだ。
また、魔力は、直接飛ばすこともできる。が、具現化して放出した方が強くなる。
例えば、
「火球!」
その瞬間、僕の右腕から、火の玉が飛び出した。
こうやって、詠唱をする事で、魔力を実体化させ、いろんな魔法を使える。実体化させるのは、さっきみたいに火とか、他にも水、土、光とか、特殊なもので、氷とか、雷とかにできる。
アンナは、火の妖精なので、炎魔法が一番強い。
ちなみに、昼から、魔法を使いまくっているが、魔力切れとかは起きたりしないさすが、神様なだけはある。魔力総量は高いようだ。
[アンナと契約してから、その日はずっと、森に出かけて、魔法を使い続けた。]←前書き飛ばした人用
結局、帰ったのは夕方になった。
「はぁ〜疲れた〜。ただいま」
「どこに行ってたかは知らないけど、お帰り。部屋で明日の準備をしときなさい。」
「は〜い」
「あー、疲れたー」
別に、自分がやったのは、アンナの魔力を使って魔法を打っていただけで、体力的には疲れてないのだが、魔法を打つには、イメージが大切なので、想像力を使う。これが意外と疲れる。
「これは何なの?みたことないの!」
家に帰ってから、アンナは家の中にいることが珍しいのか、ずっと飛び回っていた。
今も、アンナは僕の部屋を、物珍しげにあちらこちらに飛び回っている。あ、棚の中に入るな!食器とか危ないから!
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「はぁ」
なんか、とても疲れた。森にいた時より、家に返ってからの方が疲れた気がする。帰ってから、夕食をとるだけこんなに疲れるとは。
アンナは、飛び回って疲れたのか、僕の机の上で、タオルにくるまって寝てしまっている。あれ?聖霊って寝ないって聞いたことあるけど、妖精は違うのかな?
「まあいいや、おやすみ」
明日は、学校に行くため、準備をして、早めに寝る。
色々あった1日だった。
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朝、目を開けると、アンナはすでに起きていた。
「あ、ユスト!おはよ!」
朝から元気だなあ、と思いつつ、挨拶を返す。
「おはよう。……!?」
(あれ!?今のすげー可愛い声誰!?自分か?自分の声か?)
「えっ…?」(注:可愛い声)
周りを見渡しても、変わっていることは何もない。自分の部屋に、アンナがいるだけ。(なんかいたような?まあいいや)
そういえば、頭が蒸し暑い。
「髪が…長い…」
体を起こすと、腰あたりにまで自分の髪があることがわかった。色もいつもとは違う、透き通るような銀色。
(自分のじゃなかったら、綺麗とか思ったんだろうなー。あと)
「……」
そう、体を起こした時に気づいた、胸の異変。アンナより大きい気が…。あれ?自分は男だよね…?服も、かわいい白い服と水色のミニスカートに変わってるし…
「びっくりした?ユスト、とってもかわいいの!」
「アンナ?これはどうゆう…」
「ユストが魔力を使ったとき、同調しちゃったらしいの。」
「同調…?」
同調とは、経路を通じて、魔力を共有するものに起こる頃で、好みが似てくるとか、体格が少し似るとかがあるらしい。
でも、アンナにとっても性別が変わったというのは、見たことも聞いたこともないとか。
「ずっとこのままなの!?」
「多分、一日で元に戻ると思うの。」
「はあ、それならよかっt…いや、よくないよ!?」
そのとき
「あのー」
突然声がかかった。
「えっ?」
取り乱してしまい、全然気づかなかったけど、部屋の中にアンナとは違う妖精がいた。
アンナと同じ大きの体で、同じ羽を持つけど、子供というよりお嬢さんといった感じがする。服は綺麗な青のワンピース。妖精ってワンピースしかいないのかな?
「いきなりすいません、ユストさん?というのですね。初めまして、水の妖精、サリーというものですわ。よろしくお願いします。」
「えっ、えっ?」
「ユストが寝てる時に来たの!サリーちゃんとってもいい子なの!」
なんか、仲良くなっているようだけど…
「えーと、どうしてここに…?」
「うーん、答えにくいのですが、強いて言うなら…なんとなくですわね。」
「わかる!引き寄せられる感じがするよね!」
「特別な魅力があるのでしょうか。思わず透過魔法を使って、部屋に入ってしまいました。そしたら、アンナさんに出会いまして…」
「えーと…」
(まじかよ、アンナだけじゃなかったのかよ…もしかしたらまた来るかもってこと?
こんなことしている場合じゃない!お母さんが来ちゃう!どうしよう。)
「ユストさん。そんなに慌ててどうされたのですか?」
「親が来るんだよ!なんとかしないと…」
「あら、アンナさんのことは、親には伝えてないのですか?」
「うん、ユストにしか姿を見せてないの…」
「なら教えた方が……、いえ、やっぱり教えないほうがいいのかもしれませんね。」
なんか妖精2人が話しているけど、今は無視だ。
(出かける用意して…あ!男物しか着替えがない!仕方ない…向こうで買うか。後、お母さんだけど、どうしよう…そうだ!)
置き手紙を書くことにした。
『お母さんへ
ちょっと、寂しくなっちゃいました。
また会うと、もう行きたくなくなるかもしれません。
僕は、もう出ます。不甲斐ない息子でごめんね。』
(よし!OK!後は、お母さんが起きる前に出るだけ…
「ユスト〜ご飯よ〜」
(えっもうこんな時間!?しょうがない!)
部屋は二階、大丈夫。
妖精2人に出ることを促してから、荷物を持って…
(一、二の、えい!)
窓から飛び降りた。
「ユストさん…逃げるのですか?」
「ユスト!鍵を閉めておくの!」
「ありがとう!アンナ!」
そして、アンナが鍵を閉めた二秒後、お母さんは部屋に入って、息子が貴族のしたきりを守って、自分の立場を悪くさせないように気遣ったのだと思い、静かに涙を流したとさ。
二人目登場です!
サリーは、伏線をバンバン建ててくれます!便利なキャラです!
主人公はこう見えていざという時は、肝が座ってます!
次回は着地から始まります。
訂正です、
同調が二、三日で終わる→一日で終わる
に変更しました