試験終了
短いですが、前回の続き。
そして、30分ほど続いた時。
「ふう。お前、よくもつな。疲れないのか?」
「いえ、こちらは負ける所が何回もあったので。見逃してもらっているだけですよ。」
「それでも、その体力はすげーぜ。つかれている様子がない。」
(まあ、レージェの疲労回復のおかげですけどね。)
今は、間合いを取って、息を整えている最中である。
あれからしばらく打ち合っていたが、こっちは何回か攻めたことはあったが、大体が防戦一方の戦いとなっていた。しかし、デリージャさんも、少しは疲れているのか、息を乱している。まあ、しかし、自分は何回かミスをして、試合ならば負けているであろうことも何回かあった。
「しかし、そうゆう試験だからなあ。」
「いえ、勉強になります。では、行きます」
「おうっ、来い!」
そのまま、打ち合いにまた入った。
真っ直ぐ振り下ろす剣を、たやすく流された後、また横からのフェイントから上段へと移る。
この打ち合い中にも何回かしている…っていうか、これしかできない自分だった。
その時、
『〈身体強化〉』
イクの声が響いたかと思うと、体から力が溢れている気がした。
これはいける!と思い、そのまま上段からの剣を受けようとしていたデリージャさんの剣を避けて、さらに横から打ち込んだ。そして、相手の脇腹に当てることができた。
「うおっ、まさかまだあんな速度が出せるとはな。油断していたぜ。良い一本だった。」
「いえ、ただの偶然ですよ。ありがとうございました。」
そして、ちらっと横を見ると、イタズラに成功して喜んでいるようなイクの顔が見えた。
『イク、ありがとうな。お陰でいい試験の評価が得れそうだ。』
『うん。どういたしまして。』
こうして、ユストの試験は終わったのであった。
「では、この辺で。」
「おう、本当に凄かったな。今度は学校の授業でな。」
教師もしているんだ…。そう思いながら、デリージャさんに別れを告げ、訓練場を後にし、これから入る寮に向かった。
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(魔法の発動反応が、こんなにも!しかも未知の属性の未知の魔法だと!?
なに、試合中にも使っていた!しかし、攻撃魔法ではないのか?いったい、あいつはなんなのだ……)
頭を抱え、今度、魔力反応探査装置を直してもらおうか、と現実逃避に走るヘレネだった。
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そして、ユストもユストで、二つの建物を前に頭を抱えていた。
(ああー!寮って、男子寮と女子寮に分かれているじゃん!)
ブクマ、ありがとうございます!
いつもありがとうございます!
そして、すいませんが、私用により、二週間ほど更新が空くかもしれません。
申し訳ないです。
それでは、お元気で




