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妖精を引き寄せる体質の主人公は今日ものんびり暮らしたい  作者: 妖精愛好者(TO)
学校!ぜーいんしゅーごー!
23/44

午後の試験

意外と長くなってしまいました。

よって、分けます。

午後一時過ぎ、昼休みの後、


「おう、全員来たか!俺は午後の実技試験を担当するデリージャだ!よろしくな!」


ユストたち受験生は、学校内にある訓練場に集まっていた。

ユスト以外には、戦闘がバリバリ出来そうなやつもおれば、全く出来なさそうな女子もいる。いろんな貴族の17歳の集まりであった。


ちなみに、その受験生たちの前で喋っているデリージャは、鎧こそ着ていないが、ヒゲ生やした屈強なおじさんで、いかにも冒険者!って感じがした。貴族の学校には似合わないのだが、教師なのだろうか?


「ちなみに俺は元冒険者だ。最高ランクはAだったな。」


驚嘆の声が上がる。

思った通り冒険者だったが、ランクがAだったなんて……


『ユスト?冒険者とか、ランクってなんなの?どうしてみんな驚いているの?』

『ああ、冒険者っていうのは、魔物を狩ったりダンションを攻略したりして稼いでいる人たちだよ。冒険者にはランクがあって、FからAがあって、一番上のAには、本当に一握りの人しかなれないんだよ。』

『……まさにテンプレ…、お姉ちゃんが好きそうな設定……』

『ん?イク、どうしたの?』


イクがよくわかんないことを言っているうちに、デリージャの説明は終わっていた。

聴いていなかったが、様子を見るに、一人ずつデリージャと手合わせしていくという試験内容らしい。

30人くらいしかいないから、すぐに終わるだろうが、デリージャは疲れないのだろうか。


『よし、誰からでもいいぞ。試験を受けたい奴は手を上げろ』


しかし、(みな)デリージャが疲れたところを狙っているのか、手を上げない。


『なんだあ?誰もこないのか?』


そのまま、時間だけが過ぎようとした時、


『はい、では(わたくし)から』


と、手を上げたのは、どう見ても戦えなさそうな上品な雰囲気をまとった女の子。


『お、伯爵のところの嬢さんからか、いいぜ、こっち来い。』


戦えるのだろうか?と思ったが、


『いえ、私とあなたの技量の差は歴然。勝負にならないでしょう。よって、降参させていただきます。』

『なんだあ?そう来るのかよ。まあ、別に落ちる試験じゃないから、いいんだけどな。座学の方が良かったなら、最上位クラスも入れるだろうけどよ……。他にも、実技試験を降りる奴はいるか?いるなら、今のうちに手を上げてくれ。』


やっぱり、戦わないらしかった。

他にも、パラパラと数人が手を挙げる。


『よし、お前らは試験終了だ。寮に入るもんは寮に行って、それ以外は帰っていいぞ。』


デリージャさんの発言により、先ほどの女の子とともに、何人かが帰っていく。


『ユストは残るの?』

『ああ、せっかくだし受けていくよ。』

『それなら、応援していますね!』

『ああ、だけど、魔法はダメだぞ。』

『ええ〜。疲労回復くらいならいいじゃないですか〜』

『まあ、それくらいなら。』


「じゃあ、指名していくぞー。お前からな。」

「は、はい!」


誰も手を上げないので、指名していくことになったらしい。

しかしまあ、緊張するよな〜、Aランク冒険者だもんな〜


「はあ、はあ。あ、ありがとうございました。」

「おう、けっこう筋良かったぞ。」


それにしてもすごいな。受験生の方はあんなに疲れているのに、デリージャさんは息一つ乱していない。

これが、Aランク冒険者の実力か……


『鑑定したらわかる。レベルだけだけど……』

『そうか、イク、鑑定があったな!』


というわけで、〈鑑定〉!発動!


〈lv35〉


デリージャさんに向けてやってみたが、頭に入ってきた情報はこれだけだった。


『まだスキルレベルー熟練度が足りないんだと思う……。もっと使っていけば、情報も増えるはず。』

『そうなのか、イク。ありがとうな。』


試しに、先ほどの負けた男の子についてやってみると


〈lv8〉


とあった。

そんなに差があったら、圧倒的な差も頷ける。

ちなみに自分は……


〈lv5〉


『ユストさん!落ち込む必要はないですよ!まだまだこれからですって!』

『ありがとうレージェ。だけど事実は事実なんだ……』


周りの人たちもだいたいlv7以上。10まで行っている子もいた。


もっと鍛えなきゃ、なのかもな…


まあ、これまでは暮らしをどうにかするのが優先で、そんな暇がなかったのもあるのだが…


「お、最後はお前か。…え〜と、ああ、トスコの男爵の息子か。よろしくな。」


気づいたら、自分が最後一人になっていたようだ。

周りにいた受験生はもう帰ってしまったらしく、訓練場には自分とデリージャさんしかいない。


「よ、よろしくお願いします!」

「そんな緊張しなくていいぞ。気楽にやってくれ。」


それでも、レベル差は7倍である。しかも、何人か棄権したとはいえ、30人近くいた受験生の相手をしていても、息一つ挙げていないのだ。


「で、では。行きます!」

「おう、かかってこい。」


試験用の木剣を持って、斬りかかる。

もちろん、いくら訓練用とはいえ、まともに当たれば怪我をするものだが、デリージャさんは流れるような動きで剣を受け流した。


真っ直ぐに打ったのは流されて当然だ。そう呼んで、右からの斬撃をフェイントで入れ、再び上段から斬りかかる。


「お、いい動きだな。しかしまだまだだ!」


そう言って、これまたいとも簡単に防がれ、今度は、相手からの横薙ぎが入る。


「っつ!」


なんとかギリギリで止めるも、重く、勢いのある一撃にバランスを崩してしまう。

さらにそこから、上からの斬撃が迫る。

そこからは、自分は防戦一方になってしまった。

しかし、


『頑張ってください、ユストさん!〈疲労回復(ヒール)〉』


と、レージェの援護もあり、しばらくは持ちこたえ続けられた。

そのまま、木剣同士が当たる音はしばらく続いた。



イクさんが説明に便利。

ひどい使い方ですね。

お姉ちゃんはいわゆるなろう系読者ですね。好きなものは異世界チートによる俺TUEEE系です。

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