契約成立
ネタバレタイトルですが、こうじゃないと話が進まないので、ばれてると思い、いっそバラしました(笑)
楽しんでいってね。
あ、ユストはいいやつです。主観が強いだけだよ♪
(魔法かぁ〜)
ご飯を食べながら、心はずっと揺れていた。
(面倒ごとに巻き込まれるのが世の常だもんなぁ。友達はまだしも大人たちにばれたら、なんと言われるか…)
【スクープ!妖精を持つ魔法使い少年を発見!】
そんな記事を思い浮かべ、苦笑い。(あっ、そういえばアンナは他の人には見えないんだった)
けど、魔法が使えるかもしれないのは、心を大きく揺り動かしていた。
(けどなぁ、契約すると、世話しなきゃいけないし、食事代も…)
ここまでくると、もはや、神様(下位バージョン)も小動物並みの扱いである。
彼は三年前、ハムスターを飼って、世話がめちゃくちゃ大変だったのを思い出していた。
※ちなみにこの世界のハムスターは、凶暴で、超食欲旺盛である。さらに、ユストは、アンナのことを人の顔をした鳥程度に思っている。神様もびっくりである。
(あれ?そういえば、アンナは、朝ごはん食べてないし、もう食べたのかな?それともいらない?)
珍しく、いつもテキトーなユストとしては真剣に悩んでいた。いつもは薄い表情に出てしまうほどに。
「あら、珍しいじゃない。明日の門出が不安になった?」
悩んでいた表情が出ていることが珍しいのか、悩んでいること自体が珍しいじゃのかわからないが、母が心配しているようなので、笑顔で応えておく。
「大丈夫。ここから出たらしたいことが沢山あって、どれからやろうか悩んじゃってた。」
「あらー。まだ出発してもないのに、早すぎるわよー」
そうゆう母はとても嬉しそう。貴族のしたきりで、家族と別れてしまうことを、少し申し訳なく思っているらしい。だから、息子が都に出るのを楽しみそうにしてると、安心するのだろう。
喜んでくれて何よりだ。
ユストはしてやったりと思いながら、ご馳走さまを告げ、二階の自分の部屋に戻っていった。
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「あ!ユスト〜。決まった?」
入るなり、アンナがそばに飛んできて、ユストに結論を迫った。かわいい。
「ああ、だけど、一つ聞いていい?アンナ…っていうか妖精って、ご飯とかどうするの?」
「うーん、ふつーは木の実とか果物かな。森がいっぱいくれるの!」
「普通は?じゃあ、それ以外は?」
「契約している子は…、ご主人様からえねるぎーをもらうの…。」
エネルギーの発音が気になるが、要は、自分があげれば、いらないんだろう。
ちなみに、ユストはエサ代が浮いた喜びのあまり、結局は自分がとられたエネルギー分、余計に食べることになることと、アンナがさっきのセリフを少し、顔を赤らめて言ったことに気づいていなかった。
「何はともあれ、契約決定だな。で、契約ってどうすればいい?」
「ありがとう!ユスト!名前を呼んで、契約を頼み込めばいいの!」
「それだけ?案外簡単だな。」
「そうなのっ!契約が簡単なのは妖精族の自慢なの!」
えっへんと胸を張るアンナをみて、(それ自慢に思うことか?)と思った。
「まあいいや、アンナ、契約を頼み込む。」
「んっ、ユスト、了解なの。」
その瞬間、何かが右手に流れ込むような感じがした。
「これは…?」
「契約成立なの!ユスト!これからよろしくなの!」
「何かが右手に流れ込んできたんだけど…」
「私の魔力なの!これで、ユストも魔法がつかえるの!」
「っ!」
ユストは思いっきり
(ヨッシャーーーーーーーーーー!!!!!)
心の中で叫んでいた。
しかし、表情はちょっとほころぶ程度。相変わらず、憎い男である。
こうして、ユストは、はじめての契約を交えたのだった。
それが後々、悲劇を生み、さらには、全世界を巻き込んでいく…
でも、まだそれは、先のお話…
最後、なんか伏線っぽいのを立ててみました。回収するかどうかはわかんないです。
アンナとは、魔力の線を通じて、繋がってる風にしました。
アンナのキャラが決まってきましたね。
次回から、本題のアレが出てきます。