イク3 トランスフォーム
サブタイトルと全く関係ない。
サブタイトルとは…(哲学)
イクが寝てしまった夜。
サリーとの同調も解除された。
そう、“されてしまった”
つまり、男である。
イクは寝ていて、妖精たちも眠ってしまった。
イクをほっとくことはできないが、起きたらびっくりさせてしまうだろう。
もしかしたら…と思う。
アンナとサリーもそうだったから、レージェも、もしかしたら…
「いや、それはないですよ、ユストさん。」
「っ!?びっくりした〜」
「同調しているから、思考もある程度はわかるんです。」
「あ、そうだった…って、もう同調してんの!?」
「してます。」
(すでにしている!?ってことは…)
「なんで、そ、その、女にならないの?」
「(事情を知らなかったら、発言が変態だなあ)
もちろん、聖なる聖属性妖精なので、性転換なんて汚らわしい事はしないんです!」
「思考読めるから、聞こえるぞ…。あと、さらっとこの二日間の俺を否定するような言い方はやめてほしいな…。」
「まあ、そんなことより、密室に寝ている女の子と二人。悩んでいるユストさんに提案があります。」
「一言多くない?誤解されそうなんだけど。(あと妖精もいるし…)」
しかし、たしかに、途方に暮れていた。どうしようか。
急に起きたら、相手が男になっていたら驚かれるだろう。もしかしたら、嫌われるかもしれない。
「提案?どうするの?」
「まず、手紙を書くんですよ。」
「ほう、だれに?」
「ユストさんから、ユストさん宛てにですね。」
「はあ?」
「まあ、聞いてください。それで、こうでも書くんですよ、『女の私じゃ守りきれるのか不安だから、男の私に任せた』とかなんとか」
「テキトーだな。つまり、どゆこと?」
「ユストさんには、女と男の姿があって、入れ替わることができるって設定を思いつきました。」
「なるほど、あながち間違ってないし、妙案だな!」
「でしょう!」
つまり、ユストは女verと男verの二つがあって、女verのユストが、男verのユストにイクを預けたと、そうゆう感じにするということらしい。
なんか、とっても奇妙なことに聞こえるし、嘘ついているようで申し訳ない。
たしかに、同調はまたあるかもしれないってサリー言ってたし、あながち嘘ではない気がするが…。
まあ、選べなくて、ランダム性転換だが。
「よし、とにかくそれで行こう。」
「はい!…えっと、実は、まだありまして…」
「なんだ?」
「はい、イクさんの今後についてですが。……とかできるんですよ。」
「ええ!?それって………」
その夜、レージェとずっと話し合っていた。
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そして、朝。
妖精たちは、まだ寝ている。
結局あのあと、レージェも寝てしまった。
そんな中、ベットで寝ていたイクが目を覚ました。
いちよーはじめましてという雰囲気を出しておく。
「君がイクさんかな?おはよう。」
「っ!?誰?」
「俺はユスト、君のことは聞いているっているか、知っているっていうか、まあ、これを見てくれ。」
そう言って、『ユスト(女)からの手紙』を渡す。
少し改良を加え、自分の性質がどういうものか、分かってもらえるようにした。
それに加えて、さっき考えた設定を説明する。
そして、読み終えたイクが顔を上げた。
表情を見るに、奇妙なことだと感じてはいるようだが、疑ってはいなさそうだ。
何か言いたそうにしていたので、
「どうしたの?」
と、聞いてみた。
イクが、恐る恐ると言った感じで
「あ、あの!ユストさん!私のお姉ちゃんと友達を助けてください!」
と言ったので、とりあえず
「まかしとけ。」
と言っておいた。
「しかしその前に、イクのことについてだが」
「う、うん。」
「イクには、」
深呼吸を一つ、イクをじっと見て言った。
「妖精になってもらおうかと思う。」
Σ(゜д゜lll)ハァ!?
何言ってんのこいつ。




