路地裏での出来事。
物語がようやく進み始めるかもしれなくもない(のかな〜?)
さて、新しい仲間も加わったことで、さらに賑やかになったユスト御一行。
駄菓子菓子、ユストは、周りから見たらぼっちである。
そして、一人周りから見える存在のユストは、妖精たちとも喋る事も出来ない。
今、ユストたちはサリーが見つけてくれた宿に向かっている最中。
ユストは一人、少し寂しい感情を抱いていた。(表情には出にくい)
しかし、そんな寂しさも吹き飛ぶほど、王都は見ていて楽しいものばっかりであった。
ユストは何度か王都に連れて行ってもらったことがあるが、全て親の仕事の付き添いで、あまり見る余裕はなかった。
ユストは初めて王都をのんびりと観光することができた。
立ち並ぶ家々、これは、田んぼばっかりであったユストの領地ではあり得ない事であった。
通る人々も様々だ。冒険者風の剣を持った人、学生らしき本を読みながら歩いている人、商人の馬車が通る事もよくあった。
さらに、所々にある屋台や、街角で芸を披露する大道芸人など、見新しいものばっかであり、寂しさなど吹き飛んでしまった。
妖精三人は、そんな周りに興味を示す事なく、話し合っている。何を話しているかと耳を傾けていると、魔法について、ユストはきっと混合魔法が使えるやらうんちゃらかんちゃら、レージェが話している。うん、よくわからない。サリーはレージェの話を聞きながら、屋台に行って食べ物を取ろうとしているアンナを抑えている。(あんな?それ盗ったら犯罪だよ?)
そうして、街の方に視線を戻してみると、ちょうど路地裏に縮こまって座っている女の子がいた。元気がなさそうである。
街の人たちは、当たり前のように無視している。
(あれ、でもスラムはここから遠いよな?)
サリーは、スラム街とは遠い安全な宿を取ったと言っていた。
事情がありそうなのと、気になったのと、小さい頃から(母に)困っている人に優しくするよう教えられてきたユストは、声をかけてみることにした。
「ご主人様?」
サリーが話しかけてきたが、答えることができない。
よって、ついてきてほしいことを目で伝えると、サリーは頷いて残り二匹(屋台の見物中)に声をかけてくれた。
(気持ちが伝わりやすいのは同調のおかげだっけ?)
と、森の中でのサリー講義を思い出しながら、ユストは少女に近づいて声をかけた。
「こんにちは」
一瞬、男だから警戒されるかもって思ったけど、そういえばいま女(外見のみ)だった。
今回は利用させてもらおう。
「どうしたの?何か困ったことはある?」
そういうと、女の子が顔を上げた。
綺麗な黒い長い髪を持ち、白いワンピースを着た10歳ぐらいの女の子。服が小綺麗で、スラムに住んでいるようには見えない。靴もしっかりとした運動靴を履いて入る。
対して自分は、貴族のお嬢様が旅用に着るような簡素な青いドレスを着た12、3くらいの(貴族に見える)女の子。(と、サリーが教えてくれた。)
あ、これなんか誤解されそう…と、ユストが思った時、
「わ、私ね、小学校に、行ってて、急に、お城の前にいて、ゆうしゃとか言われて、よくわかんなくって、お姉ちゃんが、逃げようって言ってね、友達といっしょに逃げてたんだけど、はぐれちゃって、それで、それで…うわーん」
しょうがっこう?勇者?よくわからなかったが、泣いてしまった女の子をなだめるため、胸にうずくまってきた女の子を優しく撫でる。
側から見たら、仲良し姉妹に見える事もないが、ユストは
(やっぱり、胸、妖精たちよりデカイよな〜)
と、表情に出ない顔で思っているのであった。
「大丈夫、落ち着いた?」
5分くらいであろうか。女の子が泣き止んでからユストは優しく(優しい笑顔付きで)声をかけた。
「はい。」
だいぶ落ち着いた様子なのを見て、ユストが安心したとき、
『きゅるるる』
と、つい先ほど聞いた覚えのある音が耳に届いた。
音の発生源である女の子を見ながら、
「なにか食べようか?」
「はい…」
二人は路地裏から通りに戻った。
作者がワンピ好きな件:ワンピをきた女の子、可愛いよね!
異世界勇者(相手が):あえて逆視点で
ユストめ!その(サリーと同調した)姿!うらやま…いや、憎たらしい!この手で成敗してくれr『パーーーン』




