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第六劇『流星』

シャウト「『ジウ・ワイコーカ』だと!まだ生きていたのか?」


サリーオ「ああ、ピンピンしてるよ。」


天満「どんな霊神なんだい?」


シャウト「私もディークに聞いたことがあるだけで、会ったことは無いから詳しくは分からないが、ただ…この『オルテナ』の創世期に存在した霊神だそうだ。『ジウ・ワイコーカ』とは、『孤高の頂き』という意味なんだ。長い歴史の中で、エルフから、そう呼ばれるようになった。」


アイズ「最も『オルテナ』で生き、最も『オルテナ』を知っている霊神か…。」


ゼロ「一番長命な生体…ということですね。」


天満「一番長生きしてる霊神か……一体どんな霊神なんだろ…?」


サリーオ「まあ、会えば分かるさ。それに天満、お前と何の関わりも無いってわけじゃないしな。」


天満「え…?」


アイズ「ところで、その『最果てのハデス峡谷』とやらには、どうやって行くんだ?」


サリーオ「もちろんこの船でさ。」


サイガ「この船て……まさかここ船ん中なんか?」


天満「そうだよ。サリーオさんと二人で、皆を運んだんだよ。」


シャウト「しかし、動くのか?」


サリーオ「『アストラル号』をナメるんじゃないよ。この船は最高の科学者や研究者によって、そいつらのためだけに造られた船なんだよ。『オルテナ』で一番の乗り物なのさ。」


天満「しかも『フォンス』が原動力なんですよね?」


アイズ「そうなのか?」


サリーオ「以前はそうじゃなかったんだけどね……アタシが『ユエ』から離れた時に、いつかこの船が『ユエ』の思惑を越えるために必要になると思い、アタシが『フォンス』を埋め込んだんだ。『オルテナ』から『錬』が消えても、動けるようにな。」


シャウト「だが『ユエ』のことだ…。」


サリーオ「ああ…もしかすると、それすらも『黙示録』に刻まれているかもしれない。アタシがこうやって動くことすら、『ユエ』の掌の上かもしれない…。」


天満「…そ…それでも…。」


サリーオ「それでも動く…だろ?あがいて、もがいて、動き回る!未来を変えられると信じて…。」


天満「サリーオさん…。」


サリーオ「やるよ天満!必死でな!」


天満「はい!やりましょう!」


アイズ「…ん?だが見ろ!海が渇れているぞ!まさか一段階が終わったのか?」


天満「そんな…このままじゃ、船が出せないんじゃ…。」


サリーオ「ふふ、だから『アストラル号』をナメられちゃ困る!この船の『真の力』を見せてやるよ!」


天満「『真の力』?」


サリーオ「さあ、行くよ!『フォンス』開放!『ケーニッヒシステム』作動!」


にゅう「にゅ〜!動くにゅ〜!」


シャウト「水が無くても動くのか?」


サリーオ「『陸型変形システム(ケーニッヒシステム)』、これが水陸両用『ケーニッヒ・アストラル号』の真の姿さ!」


真雪「船の形が変わりましたね。」


アイズ「『フォンス』の『力』で、陸でも動くようにしたのか…。」


にゅう「便利にゅ〜!便利にゅ〜!」


ゼロ「では参りましょう!『最果てのハデス峡谷』へ!」



(その頃『叢雲』は)



?「よし、一段階終了だ。」


?「はぁ…マジ疲れたぁ〜。『レベル2』でいいって言ってもよぉ、マジ長時間『エリア』を広げっぱなしはマジきちぃよ!なあ、『ユナイマ』?」


ユナイマ「そうですね。」


?「けっ、マジ全然疲れて見えないっつうの!マジバケモンかよぉ!」


ユナイマ「いえ、こう見えても、結構疲労が蓄積していますよ。」


?「ふにゅ〜肩凝ったぁ〜ユナァ〜肩揉んでぇ〜。」


ユナイマ「すみません。これから二段階に向けて、しなければならないことがあるので、お相手出来ないんですよ…。」


?「むぅ〜じゃあ百歩譲って『フェイ』のお馬鹿でいいや、揉んでよぉ〜。」


フェイ「揉むかっ!」


?「フェイのいけずぅ〜!いいもん!こうなったらイオ…。」


?「我は…揉まないぞ…。」


?「まだ何も言ってないじゃんかぁ〜!」


フェイ「マジ自分で勝手に揉んどけ!マジ他人を使うな!あのな、マジ前から言おう言おうと思ってたけど、マジお前はな…!」


?「お腹も減ったぁ〜!おい馬鹿フェイ、何か作れ!」


フェイ「作るかっ!てかマジ他人の話を聞けよっ!」


ユナイマ「賑やかですねぇ…そう思いませんか、『ユエ』?」


ユエ「そうだな…さすがのフェイも『リアリィ』には敵わないみたいだな。」


リアリィ「ユエ〜〜、馬鹿フェイがイジメるよぉ〜!」


ユエ「ふ…。」


フェイ「マジ誰がイジメてんだよ!マジでお前が…!」


ユナイマ「まあまあ、もういいじゃないですか。リアリィも、いいですね?」


リアリィ「はぁ〜い!」


フェイ「ちっ!マジこれだから女はマジ嫌なんだよ!」


ユエ「すまないなフェイ、許してやってくれ。リアリィだって、悪気があるわけじゃないんだ。」


フェイ「え…いや…まあ、いいけどさ…マジで…。」


リアリィ「ユエ優しい〜!ユエだ〜い好き!フェイの怒りんぼぉ!お馬鹿フェイなんてだ〜い嫌い!」


フェイ「マ…マジこのガキャ…!マジ悪気満載じゃねえかよ…!」


ユエ「はぁ…。」


ユナイマ「やれやれですね。……ところでユエ、あの者達…『流星』のもとに向かったみたいですが、『黙示録』の導きは、どうなっているんですか?」


ユエ「……フェイ!」


フェイ「ん…何だよ?」


ユエ「お前の『エリア』を、ある所に送ってもらいたいんだ。」


フェイ「マジどこに?」


ユエ「『オルテナ』だ。」


フェイ「はぁ?今更マジ何のためにだよ?」


ユエ「…『流星』のもとにな。」


フェイ「う〜ん…マジよく分からんけど……指令は?」


ユエ「『破壊』だ。」


フェイ「了解。じゃ、マジ送ってくるわ。」


ユナイマ「それでよろしいんですか?いくらフェイの『エリア』でも、『流星』相手では荷が勝つでしょう…。」


ユエ「まあ、いろいろとな…。」


ユナイマ「いろいろ…ですか…。」


ユエ「…さて、二段階の準備を頼む。『ユインシス』にも、そう伝えてやってくれ。」


ユナイマ「分かりました。まあ、聞いていると思いますがね…。」



(天満は)



天満「くそ…『地球』が枯渇していく…。」


ゼロ「ユエさんの目的は『地球』との『融合』…。」


サイガ「そないなこと、絶対させへん!」


アイズ「そのためにも、早く『コズミックブリッジ』を探して、『天球』に行かなければならない!」


サリーオ「安心しな!これから会う奴は、かなり気難しい奴だが、『力』になってくれると心強いぞ!」


真雪「それは頼もしいですね!」


ゼロ「見えてきましたよ!あそこが『ハデス峡谷』の入口みたいですね。」


サリーオ「…心強いとは言ったものの……。」


天満「どうかしたんですか、サリーオさん?」


サリーオ「え、いや、何でもないさ。」


シャウト「ところで、『ジウ・ワイコーカ』は、『峡谷』のどこら辺にいるんだ?」


サリーオ「奴は変わり者でね、常に危険と隣り合わせの人生が信条らしいんだよ。」


シャウト「…だから?」


サリーオ「崖のギリギリの所に、小屋を建てて住んでるのさ。な、意味分からないだろ?」


真雪「ほ、本当に変わってますね…。」


にゅう「危ないにゅ〜!地震が起きたら……にゅ〜〜〜〜!危ないにゅ〜!」


シャウト「おかしな奴だな…。」


アイズ「変人だな。」


サイガ「バカやな。」


ゼロ「皆さん、なかなかの毒舌ですねぇ!」


サリーオ「ま、アタシ達とは、考えがズレてんだろうね。長く生きてるせいなのか、それとも天然で変人なのか…。」


?「久方ぶりに会いに来たかと思えば、他人の悪口か…サリーオ?」


皆「!」


サリーオ「本当のことじゃないのかい、『ジウ』?」


天満「あの人が?」


アイズ「『孤高の頂き』か!」


ジウ「サリーオ…言ったはずだぜ…ここに他人を連れて来るなとな。」


サリーオ「アンタにちょっと用があってね。」


ジウ「……面倒事か…。」


サリーオ「そう言わずに聞いてやってくれよ。アンタの孫みたいな奴もいるんだよ?」


ジウ「孫?」


サリーオ「…天満。」


天満「え?」


ジウ「天満だと?」


サリーオ「懐かしいだろ?」


アイズ「どういうことだ?」


真雪「天くん、どういうことなの?」


天満「お、俺だって、何が何だか…?」


サリーオ「言っただろ?天満に関係があるって。」


ジウ「成程な……もうそんなに月日が流れたか…。」


天満「あの…。」


サリーオ「ジウはな、お前の父親代わりだった、『星のダイン』の生みの親さ。」


皆「!」


天満「父さんの!」


ジウ「『ダイン』は……そうか……アイツは逝ったか…。」


天満「…。」


サリーオ「なあ、頼む…!」


シャウト「しっ!」


サリーオ「え?」


シャウト「何か来る!……空だ!」


真雪「な、何あれ?」


ジウ「ん?あれは…。」


アイズ「霊神?いや…そんな感じじゃないな…。」


サイガ「なんやねんアレ!ごっつおるやんけ!」


ゼロ「…十匹以上はいますね。」


サリーオ「あれは確か…。」


?「ギギィ…。」


天満「俺達に何か用か?」


?「ギギィ!」


サイガ「うわ!攻撃してきよった!」


?「ギギィィィ!」


真雪「きゃぁぁぁ!」


天満「真雪!このっ!」


ジウ「よせ!」


天満「え?」


ジウ「素手で触れるな……生命力を刈り取られ……下手すりゃ死ぬぜ…。」


天満「…。」


ジウ「サリーオ、どういうことだ?何故コイツラが襲ってきやがる?」


サリーオ「詳しい話はあとでするよ!というか…アンタなら察しはついてんだろ?」


ジウ「…ユエか…。」


サリーオ「分かってんじゃないか!」


ジウ「奴の『黙示録』には、オレの存在も刻まれていると?」


サリーオ「みたいだな。じゃなければ、アンタの所に『水使ミズノツカイ』を送ってくるわけがない!見なよ、奴らの殺気…全部アンタに向いてるよ!『ユエ』はアンタに、コイツラを送ったんだよ!」


ジウ「ちっ、『黙示録』に刻まれている限り、どれだけ拒否しようが、否応無く巻き込まれる…か。」


サリーオ「分かってんなら、さっさと手を貸しな!」


ジウ「断る。」


サリーオ「ジウ!」


ジウ「オレを巻き込むな。オレは手を貸すつもりは無い。」


サリーオ「頼むよ!アンタの『力』が必要なんだ!」


ジウ「くどいな…ヤらんものはヤらん。『黙示録』ごときで、このオレの意思は動かん。」


水使「ギギィッ!」


天満「危ないっ!」


ジウ「む…!」


サリーオ「ジウッ!………ジウ……。」


アイズ「『水使』って奴の攻撃をモロに…。」


サイガ「あのオッサン…大丈夫かいな…。」


ジウ「当たり前だ。」


サイガ「おわぁ!いつのまにワイの後ろに!」


サリーオ「ジウ…無事…に決まってるよな…アンタなら…。」


ジウ「サリーオ、少し前言撤回だ。」


サリーオ「え?」


ジウ「アイツラ…オレの酒を駄目にしやがった。」


サリーオ「酒?…ああ、そういや持ってたな…。」


ジウ「どうやら、思い知らせてやるしかないな。オレの酒を奪うとどうなるかを……お前達ヒヨッ子は下がってろ…コイツラはオレが消そう。」


アイズ「ヒヨッ子だと!」


天満「危険だ!この数を一人でなんて!しかもアイツラ、強さも半端じゃ…!」


サリーオ「黙って見てな。」


天満「サリーオさん…。」


サリーオ「ジウが『流星』と呼ばれる所以……伊達じゃないよ!」


ジウ「あまりいい気になるなよ…ユエの玩具ども…。少しばかり、このオレが相手をしてやる…。」



次回に続く





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