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第三劇『再会』

天満「くそ…みんな石になってる…。」


真雪「あれは!」


シャウト「…。」


真雪「…ミラァちゃん…。」


天満「ララァさんまで…。」


真雪「絶対…絶対元に戻してあげるからね…。」


天満「ジアスやシンセーテンは?」


シャウト「シンセーテンは『極の宝塔』で石化していた。ジアスは…舟の中だ。」


天満「そうか………そういや…『錬』で動く『ディークの箱舟』は起動しないんだよな…。」


ゼロ「はいはい、沈んでいても何も始まりませんよ。石化した皆さんを救うために、一刻も早く『ハクウェル研究所』へ参りましょう!」


天満「ああ!」


にゅう「気合いにゅ〜!頑張るにゅ〜!」


シャウト「うむ、そのとおりだな!」


真雪「行きましょう!」



(『ハクウェル研究所』へ向かう)



天満「ここも花や草木が枯れてる…生命エネルギーを…『錬』を吸いとられてるせいか…。地面にも……生きてる感じがしないな…。」


ゼロ「あとどのくらい、『地球』が耐えてくれるかですね。」


シャウト「せっかく、ネオスが破壊した、町や村などが、この一年で元通りになりかけてたというのにな…。」


真雪「どうしてこうも他人を傷つけることが平気で出来るの…?」


ゼロ「我々には感情がありますからね。恐怖、憎悪、疑心、悲哀、嫉妬、そういった負の感情がある限り、残念ですが、他人との間にズレが生じ、結果争いを起こしたり、傷つけたりしてしまうんですね。」


真雪「悲しいことですね…。」


にゅう「悲しいにゅ…。」


天満「でも、それだけじゃないだろ?俺達は変われるんだ。心から笑える人達がいる限り、まだ未来を諦めちゃいけないよ!」


シャウト「天満の言うとおりだ。」


真雪「そうだよね。」


ゼロ「ふふ…。」


にゅう「さすが天満にゅ〜!」


シャウト「…はっ!誰だ!」


皆「!」


?「ん……ああっ!」


天満「あっ!『サイガ』!」


サイガ「おお!おお!誰や思たら、懐かしいやないか!久しぶりやなぁ、天満!」


ゼロ「これは驚きですね…まさか僕達以外にも『資格者』がいたなんて…。」


サイガ「『資格者』?ちゅうかゼロまでおんのかい!ちゅうことは、何ややっぱり、ややこしいこと起こっとるんか?石化する奴もおるようやし…。」


天満「そうなんだ……えと…サイガは一人なのかい?」


サイガ「ちゃうちゃう。アイズもおるで!」


天満「アイズも無事なのかい?」


サイガ「せや、ピンピンしとんで!生意気ぶりも全然変わってへんけどな!」


ゼロ「アイズくんまで…ですか……これはもう絆ですね。こうまで『月』の光に抵抗力がある方々が、知り合いにいたなんて。」


サイガ「何やよう分からへんけど、とりあえず来ぃや。」


天満「どこに?」


サイガ「立ち話もなんやろ?今ワイ達が住んどるトコに案内したるさかい。」


天満「ああ…分かった。」


サイガ「せや、天満?」


天満「何だい?」


サイガ「アイズがお前に会いたがっとったで!しょっちゅう、お前の話しとったからなぁ!」


天満「俺だってアイズに会いたかったよ!こんな形で再会するとは思わなかったけどね。」


サイガ「せやろな………おお、ココやココや。」


天満「ここはまさか…。」


ゼロ「『ハクウェル研究所』です…。」


サイガ「何や、知っとったんか?」


天満「俺達はここに用があって来たんだよ。」


サイガ「さよか……まあ、詳しい話は後や。こっち来ぃ。」



(小屋がある)



サイガ「『アイズ』!今帰ったで!」


アイズ「ん?遅いぞ!それで、しっかり食べ物は見つけ……!」


天満「久しぶりだな、アイズ…。」


アイズ「て…天…満……天満なのか!」


天満「ああ。」


アイズ「ん?ゼロまでいるとなると……やはりこの異変は…。」


ゼロ「いやはや、相変わらず察しがよろしいですねぇ。」


アイズ「ふん…。」


天満「アイズ……会いたかったよ。」


アイズ「う……と…とりあえず中に入るといい。詳しい話を聞かせてくれ……天満。」


天満「ああ…ありがとう。」



(小屋に入り説明)



シャウト「…ということだ。」


アイズ「なるほどな…道理で僕のレイゼクスや、サイガのネスゲイトが石化するはずだな。」


サイガ「そんで…『エリア』っちゅう『力』はワイらにも使えんのか?」


ゼロ「ええ…では手の甲を向けて下さい。」


アイズ「…。」


サイガ「アイズ?」


ゼロ「どうしました?」


アイズ「…気にくわないな。」


天満「アイズ…。」


アイズ「お前は一度僕達を裏切ってる。簡単に信用出来ると思ってるのか?その『フォンス』とやらも、実は毒とか、僕達を操る何かかもしれない。」


ゼロ「おやおや、嫌われたものですねぇ。」


アイズ「それだけのことを、お前がしただけのことだ。」


ゼロ「確かに僕はあなた方を利用しています。戦力は多い方がいいですからね。」


アイズ「……。」


サイガ「ええやんか!」


アイズ「サイガ?」


サイガ「ワイは信じたんで!確かにゼロは、底の知れん奴や。せやけど、今の話に関しては嘘は言ってへんと思うんや。」


アイズ「何を!……根拠は?」


サイガ「んなもん、ただの勘やで!」


アイズ「はあ?あのな、僕達の命に関わる重要なことなんだぞ!それをお前は勘だと?ふざけている場合じゃ…。」


天満「頼むアイズ!」


アイズ「天満…。」


天満「頼むアイズ……ゼロを…もう一度だけ信じてやってくれ…。」


アイズ「しかし…。」


サイガ「ワイからも頼むわアイズ!」


シャウト「ゼロが言うとおり、今は戦力が多いにこしたことはない。アイズ……頼む。」


真雪「お願いします!」


にゅう「お願いにゅ〜!」


アイズ「……ふぅ……分かった。」


天満「アイズ!」


アイズ「だがゼロ、覚えておけ!次は無いからな!」


ゼロ「肝に銘じておきますよ。」


アイズ「では、さっさとその『フォンス』とやらをよこせ。」


ゼロ「はいはい、ではお二人とも、手の甲を向けて下さい。」


サイガ「おわっ!めり込んだでっ!大丈夫なんかコレ?」


アイズ「これが『フォンス』か…。」


ゼロ「先程話したとおり、必要な時期が来たら、『フォンス』が導いてくれますよ。」


アイズ「…分かった。」


天満「ところでアイズ達はなんでここに?」


アイズ「…。」


天満「アイズ?」


アイズ「…ある研究資料を探してるんだ。」


天満「何の研究資料なんだい?」


アイズ「そ、それは…。」


サイガ「アイズ…。」


アイズ「大丈夫だ。天満達には…知っていてもらいたいんだ。」


サイガ「せやけどお前…。」


天満「一体どうしたんだ?」


アイズ「実はな……『クローン研究』の資料を探してたんだ。」


天満「『クローン』……アイズ…。で、でも何で…。」


アイズ「僕がサイガの『クローン』なのは知っているだろう?」


天満「あ、ああ…。」


アイズ「世界で最初の『クローン』…それが僕だ。だけど…。」


天満「アイズ?」


アイズ「不完全なんだ。」


天満「え…?」


ゼロ「成程…。」


アイズ「確かに僕はサイガの『クローン』として、唯一の成功体だ。だけど、『クローン技術』が完全なモノで無かった時代に作られた僕だ。僕の体は…17歳以降から急激に衰弱し始める。サイガが教えてくれた…。」


サイガ「…。」


天満「何だって!何とかならないのか?」


サイガ「そのために、ワイらはゼロに言われたとおりに、ここにアイズを救う何かを探しに来たんや。」


天満「ゼロ、お前なら何か…。」


ゼロ「詳しくは僕にも分かりません。ただ僕は、『ハクウェル研究所』に、『オルテナ』の全ての研究資料が残っていると、ネオス様に聞いていましたから、それを教えて差し上げただけです。サイガさんは、そのことを知るためにネオス様についていたんです。ですが、ネオス様も、ご存知だったのは、それだけなんです。」


天満「そんな…アイズ…何か…何か見つかったのか?」


アイズ「この一年で、色々探してみた……『クローン研究』の資料はあったが…。」


シャウト「『クローン』を完全な個体にする資料は無かったと…。」


サイガ「せや……それにや、天満達が探してるっちゅう、『コズミックブリッジ』なんちゅう資料も無かったで。」


天満「え?嘘…!」


ゼロ「地下室は調べたんですか?あそこは隠し部屋になってますからね。」


アイズ「ああ、もちろんだ。だが、地下室にあったのは、アーミアの資料だけだった。」


ゼロ「おかしいですね…。となると考えられるのはただ一つですね。」


天満「考えられることって?」


ゼロ「誰かが研究資料を持ち出した…ということです。」


アイズ「その可能性も考えたさ。だから研究に携わった奴らを探してたんだが、皆ネオスに殺されている……王達みたいにな。」


ゼロ「ふむ…。」


天満「このままじゃ『地球』が……それにアイズも…。」


シャウト「ディーク…我々はどうすればいい……教えてくれ…。」


にゅう「にゅ…。」


ゼロ「アイズくん、研究に携わった者達を探したと言いましたよね?」


アイズ「それがどうした?」


ゼロ「ここにいた全ての者を調べましたか?」


アイズ「ん?」


天満「何が言いたいんだ?」


ゼロ「全てですか?」


アイズ「ああ…調べたが…。」


ゼロ「『闇医者』も…ですか?」


アイズ「…何だそれは?」


ゼロ「ただの『医者』ではなく、『闇医者』と呼ばれる、実験体達を診察する『医者』がいたはずです。」


アイズ「は?そんな奴のデータなんか無かったぞ!」


ゼロ「当然です。ラフォール王が、エーテル王にバレないように、密かに組織したんですから。実験体達を、ここから出すことは出来ない。だが少しでも長く生きていられるようにと、ラフォール王が実験体達のために、組織したんです。」


アイズ「そんな組織があったのか…。」


ゼロ「『闇医者』は三人いました。ですが、二人は既にネオス様によって葬られています。」


天満「じゃあ残りの一人が生きてるんだな?」


ゼロ「はい、ネオス様が見つけられなかった程の者です。簡単には死んではいないでしょう。」


アイズ「じゃあそいつが研究資料を?」


ゼロ「可能性はあります。」


天満「よしっ!光が見えてきたぞ!」


真雪「うん!」


ゼロ「もう一度地下室に行きましょう。その者について、何か残っているかもしれません。」


アイズ「…分かった。」


サイガ「せやな。」


シャウト「ところで、名前は分かるのか?」


ゼロ「実は『闇医者』のことなどは、『ユエ』さんに聞いたんです。その時『ユエ』さんが言ってました。『闇医者』の中で、『万薬バンヤクの師』と呼ばれる者のことを。その方なら、あるいは『コズミックブリッジ』のことも知っているかもしれません。」


天満「へえ…。」


ゼロ「研究者達からは『Dr・サリーオ』と呼ばれています。おそらくは…その方が生き残っていると思います。」



(地下室へ)



真雪「凄く寒い…。」


ゼロ「部屋が暖かいと、薬に影響がありますからね。ですから常に温度を低くしておかないといけないようなんです。」


真雪「そうなんですか?」


天満「これ着てろよ。」


真雪「え…いいよ…天くんだって寒いでしょ?」


天満「いいから着てろって!ほら!」


真雪「あ……天くん…ありがとう。」


ゼロ「本当にアーミアさんの研究資料だけですね…。」


アイズ「この地下室だって、散々探したんだ。『クローン』のことも、『コズミックブリッジ』のことも無かったさ……何も…無かった…。」


サイガ「アイズ…。」


にゅう「にゅ?この穴何にゅ?にゅ〜〜何も見えないにゅ〜!にゅ……そうにゅ!」


天満「何だ!地震か?」


真雪「天くん!」


ゼロ「違います!診察台が二つに分かれてるんです!」


アイズ「これは……地下に通じる階段か…?」


サイガ「なんでや!ワイらも色々やったけど、何も起こらんかったで?」


にゅう「ごめんにゅ…。」


天満「え?にゅうが何かしたの?」


シャウト「何をしたんだ、にゅう?」


にゅう「これ見てにゅ…。」



次回に続く



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