ゆびきり1
"ゆーびきーりげーんまーん、うーそつーいたーらはーりせんぼんのーます。ゆびきった"
何処からか聞こえてくる子供の声。
二人ほどの子供の声がする。
その方に顔を向けると、そこにはどこか見覚えのある神社、
そして、幼い頃の私。
ゆびきりをしている相手は、全く見覚えのない男の子。
「誰…あれ…?」
思わず声が漏れる。
私にあんな知り合いいただろうか…
それに、神社だって、記憶にない。
まあ、何故か見覚えはあるんだけど…
「じゃあね、りっちゃん。りっちゃんが"13歳"になったら、また会おうね」
「うん!!約束だね!お兄ちゃん!」
幼い私はゆびきりをした男の子…神社のこなのだろうか?神主のような格好をした子の言葉に、満面の笑みで返事をした。
約束…?私はそんなのしたのだろうか?
ゆびきりくらいなら、小さい時によくしていた。
何故かある時から、ぱったりとしなくなったんだけど…
「じゃあね、りっちゃん」
「うん、ぱいばい!!」
幼い私は階段を降り始め、男の子がやっと顔の見える角度に向いた。
今まではちょうど見えない角度だったんだよね。
その顔は…こちらに向いたその顔は、真っ黒に塗りつぶされていた―――――