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4、『…!?エスパーか!?』

 6月に入り、神滋島は梅雨の時期を迎えていた。

「…なあ、何でこうジメジメすんのかな?」

「部長よ、それは梅雨の時期だからだろう」

「うっせぇ。んな事分かってるよ!」

「分かってるなら聞くな。鬱陶しい」

「あの…、イライラするんで黙っててもらえますか?」

「…んだと?よし、鬼灯。お前ちょっと表に出ろ」

「嫌ですよ。雨降ってるし。やっぱり鬼はバカで…ゴフッ!?」

「…俺は少なくともお前よりは頭がいいと思ってるんだがな」

「みんな、ケンカはだめだよ~」

「あー、腹が減ったな。部長よ、何か作ってくれ」

「あ?なんで俺が?」

「この中でまともな料理を作れそうなのは天那か部長くらいだろう」

「…じゃあ、守に頼めばいいだろ」

「天那の料理は両極端でな。調子がいいときはプロ並だが、悪いときはこの世の終わりかと思うレベルになる。この状況でその可能性にかけるのは厳しいと思う」

「ったく、しょうがねぇな。じゃあ作るからちょっと待ってろ」

「うむ、よくぞ言った。ほめてやろう」

「お前にほめられてもうれしくねぇ…よ!」

「グェ!?」

 という訳で僕の忠実な下僕である部長はこの僕のために料理を作ってくれるようだ。

「聞こえてるぞ、神無月」

「…!?エスパーか!?」

「残念だが、俺の能力はそんなのじゃない。だだ漏れなんだよ、声が。もうすぐできるから静かにしてろ」

「うむ」

「なあ、部長は何作るつもりなんだ?」

「僕が知るわけないだろう」

「ちょっと聞いてみろよ」

「もうすぐできると言っていただろう。そんなに気になるなら自分で聞けばいい」

「それが面倒くさいから神影に頼んでるんだろ」

「おーい、できたぞ」

「おお、できたか。…で、これは何だ?4皿とも同じ料理のようだが」

「ああ、ゴーヤチャンプルだよ。ただ作るのも面白くないからロシアンルーレット風にしてみた。どれか一皿はめちゃくちゃ苦いからな」

「いや、別に面白さは求めてないぞ!?それになんでゴーヤチャンプルなんだ!?」

「冷蔵庫開けたらゴーヤが大量に入ってたんだよ」

「なぜウチの部室にゴーヤが大量に…」

「俺が知るか。おいみんな、冷めない内に食えよ~」

「じゃあ俺これな」

「むっ、ズルいぞ!」

「苦いのは嫌だし、先手必勝だ」

「じゃあ私はこれね」

「天那もか!?」

「ここはレディーファースト、だよ」

「俺は余ったのでいいから、神無月選んじゃえよ」

「じゃあ僕はこれだ」さ

「じゃあ俺は余ったこの皿だな」

「じ、じゃあ、みんな。一斉にいくぞ。せーの!」

 僕の合図で全員がそれぞれの皿に盛られたゴーヤチャンプルを食べた。

「…ん、僕のは普通だったな。みんなはどうだ?」

「俺も大丈夫だ」

「俺も、普通においしいですよ」

「ということは…」

「あ、あはははは…、あはははは…」

「お、おい。どうした天那!?」

「すまん。忘れていた。転生者の女は…、度を越して苦いモノを食べると…酔う!」

「あははー。ねえ、部長?」

「な、なんだ?守?」

「苦過ぎるんだよお!加減してもいいでしょ!」

「お、おう、すまない」

「あと、ミカッチ!」

「な、なんだ!?」

「何で食べ物か欲しいとか言ったんだよお!」

「そ、それはお腹が減ったからだろ!」

「さっき昼ご飯食べたばっかりでしょ!どんだけ食べるんだよ!?」

「あ、ああ、ごめん」

「あー、もう!みんなさっきからうるさいんだよお!」

「「「ひぃぃぃぃ!」」」

「お、落ち着け、天那!」

「ミカッチ黙って!うるさいっていったよね?」

「あ、はい」

「ねえ、部長?」

「な、なんだ?」

「私、もう疲れたので帰りますね」

「お、おう。分かった」

「じゃあ、さようなら~」

「さ、さようなら~」

「ふぅ…、帰ったな」

「ああ。一難去ったな」

「何をしている、お前たち!うるさいぞ!」

「げっ、創真!?」

「会長ではないか。何の用だ?」

「何の用だ?じゃない。となりが生徒会室だってこと忘れてないか?」

「むっ、そういえばそうだったな」

「あのさ、創真?」

「何だ、皇牙?」

「今日はいろいろあってイライラしてるんだよ」

「うんうん。それで?」

「ちょっとそこに気をつけして立っててくれないか?」

「こ、こうか?」

「うむ、さすがは生徒会長だな。立ち姿も様になっているな」

「さすがは会長ですね」

「…それで、私に何をさせる気だ?」

「なに、簡単な話だ。ストレスがたまった俺達のサンドバックになってくれればいい」

「お、おい?何を言ってるんだ?」

「…今この瞬間、ここに来た自分を恨むんだな」

「すいません、会長。悪気はないんです」

「まあ、ゼウスの転生者であるこの僕に殴られるのを光栄に思うがいい」

「じゃあいくぞ。歯ぁ、食いしばれよ?」

「お、おい。ちょっと待て!?」

「「「せーのっ!」」」

「だから待てと言っているだろ!」

「なんだ創真?遺言でもあるのか?」

「そんな訳ないだろ!」

 そう言うと会長は部長に殴りかかった。一方、部長は空中から何かを出そうとしている。と、その時…

「おい、お前ら何やってんだ?」

「げっ!?」

「学校内で能力の無断使用は禁止だろ」

「あはは、すいませんした~」

「笑って済むような問題じゃないだろう?まあ、あれだ。とりあえずしばらくあそ部は活動停止な」

「ん?あの、あなたは誰ですか?」

「ああ、この人は守光龍先生。一応ウチの部の顧問だ」

「あれ?おじさんじゃないですか」

「ん?なんだ、神影くんはウチの部だったのか」

「なんだ神影、知り合いか?」

「天那の父親だ。この学校の教師なのは知っていたが、まさかこの部の顧問だったなんてな」

「ん?そういえば、天那はどこだ?」

「ああ。先に帰りましたよ」

「そうか。…まあそういうことでしばらく部活は活動停止だからな」

「だそうだ。部長よ、どうする?」

「うーん。先生?どうすりゃ活動再開が早まりますかね?」

「あ?なんか慈善活動でもして地域に貢献すればいいんじゃねぇの?」

「ウチの部には一番向かない活動だな…。まあ、今日はとりあえず解散なー。おつかれー」

「あ、会長。お前はこいつらの監視頼む」

「は、はい。分かりました」

「まあ、がんばれよ~。一応応援してるから」

 そんな訳で僕たちあそ部は突然活動停止になってしまった。

今回は3、4話をほぼ同じにあげました!

一様こっちにもリンクはりまーす!

youtube↓

https://m.youtube.com/channel/UCjKZoEyb2PlMJliIarNkAbQ

Twitter↓

https://twitter.com/haisukoa94

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