表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
微笑みの詩  作者: ここたそ
第一章
7/57

視線

ウッド調のその扉を開けると、すでに篤紀の後ろ姿があった。

詩衣は髪が乱れていないか手鏡で確認し、さっと薄ピンクのトートバックにしまった。


「待たせちゃったかな?篤紀くん早いね!」

言いながら詩衣は篤紀の向かいのソファーに腰を下ろした。


「…西浦!生憎、女性は待たせない主義なんだ」

篤紀の瞳がイタズラに光った。

こんな聞いていて小っ恥ずかしくなるような

台詞をさらりと言えるのは、おそらく篤紀くらいだろう。


「今日、意外だった。まさか西浦から連絡くるとは思わなかったからさ」


「…そうかな?」

詩衣は自分の頬が赤く染まっていくのがわかった。

照れ臭くなり必死で次の話題へと会話を移した。

「ここよく知ってたね。私は同期の子に連れられてよくこの辺で遊んでるんだけどさ」


篤紀は一瞬、虚をつかれた。

篤紀にとってこの喫茶店は忘れられるはずのない場所なのだ。

「ああ、大学が池袋だったから…この辺は割と土地勘あるかな」


篤紀がふいに窓の外を眺める。

その視線を追い詩衣も窓からの光景に目をやる。

駄々をねたものわかりの悪い子供の手を引っ張って、歩いている母親の姿が目に入った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ