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微笑みの詩  作者: ここたそ
第一章
31/57

(閑話休題)ある日の二人

ちょっとした小話です。

詩衣と篤紀のちょっとしたエピソードを書いてみました。

読まなくても特に本編に差し支えはありませんが、上手くいっていた時の二人の関係がわかるかと思います。

「はい!篤紀!バレンタイン」

ピンクの包装紙に綺麗に包まれた、手のひらくらいの小箱を差し出した。


「うた、ありがとう!」

ニカっと笑い、篤紀はその箱を眺める。

眺め終わると篤紀は、その包装紙を丁寧に剥ぎ取り、箱を開いた。

中の規則正しく整列しているトリュフを確認すると、今度は少し照れたように笑った。


「美味しそう!…なぁ、うたが食べさせて?」


グイッと詩衣の顔を覗き込んできた篤紀に、思わず詩衣は赤面してしまう。

旗からみたら二人とも茹でダコみたいで、少し滑稽だ。



昨夜仕事終わりに眠い目を擦りながら作った。

料理はどちらかといえば得意な方であるが、手作りチョコを作るのは初めてなので、正直味にはあまり自信がなかった。

実は見た目がイマイチ気に入らず一度作り直している。




詩衣が帰った後にでも、一人で食べて欲しいと思ったのだが…、どうまこの状況はそれを許してくれそうにない。


そんな詩衣の姿にしびれを切らした篤紀は、詩衣の目をじっと見つめ、口を開いた。



「うた、あーん。」

何とも可愛らしい篤紀の姿に詩衣は負けた。

トリュフを一つ手でつまみ、篤紀の口の中へと運んだ。

篤紀はモグモグと口を動かす。トリュフを口内の熱でゆっくりと丁寧にとかしている…そんな感じだ。

暫くしてその動きが止まったと思ったら、篤紀が両手で詩衣のこめかみをぐいっと挟み込みように包んだ。

そしてそのままキスをした。

ほんのり苦くて…だけど優しく甘いキスだった。


「…凄く美味しかった。」

そう一言詩衣に告げるともう一度篤紀は、詩衣の口を塞いだ。



苦いけど甘い…チョコレートって恋に似てる、そんなことを詩衣は考えた。


それはきっと、篤紀も。



その後二人はトリュフを食べたり、キスしたりを繰り返した。



幸せな時間が二人の間に流れていた。







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