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入学式、新しいクラスのホームルームと毎年恒例の行事は過ぎて、ついに放課後…。
僕は無人の教室の机と一体化していた。
(なんてハードな初日なんだろう…)
かつて、これほど厳しい新学期のスタートがあっただろうか。
どうやらクラスメイトの僕の第一印象は『人間の底辺』らしい。
周りの視線は、どう考えても『人間を見る視線』ではない。
僕は四方八方から発射される精神攻撃に圧倒されてしまった。
「…大丈夫ですか?」
僕は突然の声に仰天したが、あまりに疲れていたので、まともな対応ができなかった。
とりあえず、顔を声の聴こえた方向に向けてみた。
「…へ?」
そこには僕をどん底に叩き落とした少女、小柴陽菜がいた。