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プロローグ

突然だが、私には前世の記憶がある。

名前は「カトリーヌ・リーシャル」。

公爵家の一人娘として生まれ、大変可愛がられて育てられた。

社交界に於いてトップレディになるように教育を受け教養、気品、優雅さ、ときに大胆さ堂々さを身につけ、8歳になる頃には遂に第二王子の婚約者に選ばれるまでになった。

全てが順風満帆、美貌に富に名誉に地位と全てが揃った輝かしい未来が私を待っていた。

待っていた、はずなのに。


私は最期、その全てを失い斬首刑と相成った。


後悔の多い最期だった。

王子には見放され、家族に見放され、全てが私の敵になっていく。

もっとああしていたら、こうしていたらと牢屋で何度も考えて、自分の浅はかさを憂いた。


死んであの世に行けたなら、今度こそ平和に過ごしたい。

それがカトレア・リーシャルの最後の願いだった。





「あ、最新刊出てる」


「ほんとだ。前巻のラスト気になりすぎて、原作一気見しちゃったんだよね……」


「あれ300話以上あるじゃんテスト前に大丈夫?」


「大丈夫じゃないよ。その後イラストサイト回っちゃったし」


「ご愁傷様。前巻カトリーヌがムゲーテにワインかけるとこまでだったよね。このあとのセリフがーーーー……」

 


「…………………」


レジの方へと去っていく同い年くらいの女子高生を見送り、

私は目の前に平積みされた漫画『王子様の死亡フラグをへし折りたい!』4巻の表紙を眺める。

表紙には金髪縦ロールの少女を白銀の髪の王子様然とした少年が抱きしめ密着しながら描かれている。




少女の名前は公爵令嬢、カトリーヌ・リーシャル。

本作の主人公。

少年の名前は第二王子、ウィステリア・ジラール。

カトリーヌの婚約者である。


「…………………!」


私は今にも声を出しそうなのを必死に堪えながら心の中でめいいっぱい叫んだ。




悪徳令嬢と呼ばれた前世が現代でバカ売れしてるんですが!?


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