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異世界に転生したら最強になって無双できるんじゃないんですか!?  作者: イサキ
第5章 白日の虎

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 街の中は、外からの見た目以上にずっと幻想的だった。


「なんか、ぱっと見は『明星の狼』の本部がある街と変わらないな」

「そうですね。文化が似てるのかもしれません」

「そうなんだ?」

「えっと、凄い昔なんですけど、エルフィン王国から枝分かれした国がガダル国なんです。なので、大まかな文化は同じなのかな、と」

「なるほどな。それなら似てて当然か」


 シジマと荷車を待機させる場所に立ち寄った後、身軽になった一行はそれぞれ荷物を背負って街の中に入っていった。


 街の通りは人で溢れかえっており、通りはそこまで広くないためか通り抜けるのが一苦労だった。

 『明星の狼』の本部だと途轍もなく広い通りがあるからか、ここまで人が密集している箇所は見受けられなかった。


(とはいえ、ここまで密になるのはちょっと不便だけどな。あと、定期的に頭上から声がするのも気になるし)


 上を見上げると、洗濯物を干す人がいたり、雑談をしながら歩く人の姿が見えた。

 どうやら一階と二階の両方に通りがあるらしく、一階が商いを行う店などで、二階が居住区として使っているのだろう。


 それでも、活気溢れる街とそこらへんにいる冒険者らしき一行の数々はよく知るものだった。

 ただ。


(笑顔が少ないっていうか、殺伐としてるっていうか。観光地っぽい雰囲気は全くないな)


 楽しそうに対話をする者はあまりおらず。

 皆一様に口を固く結んでおり、粛々と目的地に向かうロボットのように見える。


「街全体は正方形になってて、左上から右下に向かって番号が振られてる。ここは第八区域で、出入りできる門がある位置だから人が多いんじゃないかなぁ」


 シャグラは向かってくる人をまるで意に会することなく、スルスルと奥へと進んでいく。

 サトーとシェルアはなんとかその後に続き、ヴァンはどこか訝しそうに周囲を見渡していた。


「勝手なイメージだけど、第五区域がダンジョンの入り口?」

「そういうことになるねぇ。造りは『連れなる社』に似てるけど、最大の違いは六つの部屋を一つの層と区分しているところかなぁ。中央にある柱のような空間からそれぞれの部屋に行けて、一番下にある部屋から次の柱のような空間に行くことができる」

「聞いた感じだと、植物みたいだな。ほら、茎みたいなのがあって、そっから枝分かれしてるみたいな」


 イメージは水草みたいな感じだった。

 縦に伸びる茎に横にまばらに生える草。


 分岐する部屋は一つの大本に繋がっていて、そこから上にも下にも行ける感じを想像する。

 シャグラは後ろを向きながらも、迫ってくる人を軽々と躱しながら説明を続ける。


「そんな感じだろうねぇ。部屋の難易度は深度で変化していて、層を降りるごとに難易度が格段に跳ね上がるみたい。同じ層なら一番下の部屋が一番攻略しずらいってことになるらしいねぇ」


 『連れなる社』との最大の違いはそこだろう。

 あそこは一つの巨大な建造物なのに対し、こっちはきっと小さな部屋がいくつもあり、それぞれが独立して層を形成しているのだろう。


 冒険者としての視点だと部屋から離脱するのはこちらの方が容易だが、地上に戻る難易度に差は無いように思えるので、難易度に甲乙をつけがたい印象だった。

 むしろ再度同じ部屋を通ることを考えれば、こっちの方が帰還するのが難しいまであるかもしれない。


 隣を歩くシェルアは興味深そうに話を聞き、ヴァンは退屈そうにあくびをしていた。

 シェルアは真面目だなとか、ヴァンはきっと権能でなんとなく理解できてるんだろうな、とか色々と思うところがあるのだが。


「なぁ、なんでさっきから黙ってるんだ?」


 気になっていたのは一番後ろを歩くリーゼだった。

 いつもならシェルアの傍を離れないはずのリーゼが、どういうわけかここに来てから妙に離れているように見える。


 なんなら、今のやり取りだっていつもなら補足なり追加の説明なりしてくるはずだ。

 だが、今のリーゼは何も言わず、ただ黙って歩いているだけ。

 それどころか、まるで気配を隠そうとしているかのようにも見える。


「特に理由などありません。シャグラ様の説明が適切である。それだけです」


 リーゼは端的にそう答えると、そそくさとシャグラを追い越して先に行ってしまう。

 

 何か気に障ることでも言ったかな、と不安になるものの。

 よく考えれば結構な頻度で色々言われていることを思い出し、割といつも通りかもなと勝手に安心してしまう。


 初めて訪れる場所での単独行動は危険だが、リーゼのことならきっとここの本部の位置も理解できてるだろうし、一人先に行くのも何も問題ないはずだ。

 心配そうにしているシェルアを見て、ひとまず励ますかと口を開こうとした。


 次の瞬間のことだった。


「アナタたち!魔術師はいらないかしら!」


 そんな声が、どこからか聞こえるのだった。

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