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異世界に転生したら最強になって無双できるんじゃないんですか!?  作者: イサキ
第1章 始まりの森

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「で、この道を真っすぐ、で合ってるのか?」


 次の日、浴場の掃除をしようとしていたら、リーゼに呼び止められた。


 なんでも生活必需品の一部が不足しているらしく、それを買いに近くの村まで行ってきてほしい、とのことだった。

 シェルアとの会話のせいか、まさか屋敷の外に出られるとは思ってもみなくて、内心わくわくしながら外に出たのだが。


「まいった…………まさか指示が文字で書かれてるなんて…………」


 リーゼにしては懇切丁寧で、やけに親切な地図だった。

 きっと注意書きが書かれているのだろう。


 だが、文字がやはりシェルアの部屋にあった本と同じで、一日経っても文字が読めるようにはなっていなかった。

 ただ、書かれた地図?みたいなものに矢印が書かれており、一番上に書かれている四角形が恐らくお屋敷を指しているに違いない。

 となれば、この矢印の通りに歩けばたどり着けるはずだ。


 生憎というか、道は殆ど一本道らしく、森を切り分けるように道が続いていた。

 これなら迷う可能性はそれほど高くないだろう。


「にしても、木とか雑草とか、見た感じ割と普通だな…………」


 こう、全く異なる生態系とか、未知の生物を期待していたのだが、今のところそれらしい姿はない。

 時折鳥が空を飛んでいるが、それも元の世界とさほど変わらないような姿をしている。

 だが、こんなところで危険な生物に襲われたらひとたまりもない。


 なにせこの体はそういった秘めたる力、というものがまるで備わっていないのだ。

 最初こそ、かなり期待していたのだが、結果は年相応程度の体力だけだった。


「てか、思ってたのとだいぶ違うんだよなー…………」


 まずスキルとか、レベルとか、そういうワードか欠片にも出てこない。

 ステータスを確認するウインドウもなければ、レベルアップを知らせるアナウンスもない。

 一応、それとなく聞いてはみたが、「ふざけてます?」と返され終わってしまった。悲しい。


 そう考えると、この異世界での生活は中々に大変になる可能性が高くなってくる。

 何が悲しくて異世界で苦労しないといけないのか分からないが、こればかりは運もあるだろうし文句を言っても仕方ないとは思う。

 だとしても、やはり期待して、落胆するのが普通だろう。


 と、そんなことを考えながら歩いていると、何やら木でできた壁が見えてきた。

 木の枝と葉をはがして、そのまま突き刺したような粗雑な壁だが、一応何かから身を守るようにはできているらしい。


 近づくそこに門番も門もなかった。

 その気になれば誰でも簡単に入ることができるらしく、村に入っても特に何も────。


「なわけないよな」


 明らかに警戒されているのが分かる。

 そりゃ見たことないやつが何も気なしに村に入ってきたのだ。

 当然と言えば当然だろう。


 服装はどこかで見たことのあるヨーロッパの民族衣装、の簡略版みたいな感じで、家も木造のこれもまたヨーロッパ風の見た目。

 ただしかなり簡素というかシンプルな造りになっている。


 村の形は円形になっているらしく、村の中央の小さな塔が見えた。

 これは木製ではなく石で造られたものらしく、他のよりかなり古そうに見える。

 きっと有事の際の集合場所として使うのだろう。

 村のシンボル的なやつかもしれない。


 村には小さな水路が独創的な形で敷設されていた。

 どう考えても効率的な作り方ではないし、第一生活用水として使用するにはあまりに小さく、浅い。幅は二十センチもなく、深さはその半分程度だろう。

 もはや何のために使うものなのかまるで理解できなかった。


 その周囲にはいくつかのベンチが置かれており、そこの一角に老人が座っていた。

 腰は曲がっておらず、若い時から健康だった面影が全身に残っている。

 近くに杖がないことからも、その健康さがよくわかった。


 きっとあれがこの村の村長だろう。

 伝えられていた印象そのままだった。


 老人はこちらを一瞥して一言。


「何用じゃ?」


 とだけ告げた。


「リーゼさんからの使いで、こちらに書かれている品物を頂きたいとのことです」


 そう言うと、ポケットから取り出した別の用紙を渡す。

 村長はそれを一瞥すると、建物の中にいる誰かに声をかけた。


 中から出てきた男性は、一瞬訝しげにこちらを見たが、渡されたメモを見て再度建物の中に戻っていった。


「少し待っててもらえるかな」

「あ、はい。大丈夫です」


 先ほどより優しい声でそう尋ねられ、内心驚きながらもそう答えた。

 きっとリーゼ、という名前が効いたのだろう。

 つまり彼女が定期的に物資を手に入れていたのはここだった、というわけだ。

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