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5 服のセンスって何で決まるんだろう

ちょっと長めです

 ─間章 【5→6】─


 何年か前の話だ。


 もうずっと前の話だ。


 正確に言えば、9年前と、7年と数ヶ月前と、1ヶ月前──はまだ経っていないのだろうか。


 少年の世界が変わった日は、何の前触れもなかった。


 大人が軽く捻るだけでこの世界なんて──特に封鎖された管理都市の出来事など、一瞬で書き換えられて、一瞬で作り出せる。


 例えば、少年が善行に興味を持ったことも。例えば、少年の前に助けるべき人が現れることも。例えば、少年には力が無いと悟らせた出来事も。

 全部全部、大人が仕組んでいたことだとしたら? 


 封鎖された空間でなくても良い。そこが世界の中心で無くてもいい。逸れものの集まりの中ででも良い。

 何年も前でも、昨日でも、前世でも。変えることなど簡単なのだ。そんな理不尽の中、生きていくしかないんだ。


 例えば、少年が美を感じられなくなったことも。例えば、少女が家族を失ったことも。例えば、悪魔が身体に入ったことも。例えば、今までの関係が瓦解してしまったことも。


 その全てが、誰かの陰謀の上だったとしたら? それが、理解できないほど高次の存在の所為だったとしたら?


 この街の名前は、第二管理都市『ミライ』。

 総人口の約八割の人間が、『ニューエイジ』として超常能力に目覚めさせられている、そんなオカルティックな未来都市。超常能力を技術として、教育という名目のもと実験を行い、そうやって力を得た人間を作成品として世に羽ばたかせる。そんな、頭のおかしい街だ。


 ──例えば、何か理不尽が、誰かの所為だったとして。けれどその誰かがとても強大だとしたら。



 その人間は、誰に悪意を吐けば良いのだろうか?



    ☆



「おっはよー!!」


 大きな声が、ワンルームに響く。朝を告げる鳥の囀りよりも、激しく大きな衝撃が俺を襲った。

 ところで、『月面水爆』というプロレスの技を知っているだろうか?


「ごぼへげぇっ!?」


 ムーンサルト・プレスとも言うらしい。そして、その凶悪なプレスをされたことはあるだろうか? もちろん、俺は今日が初めてだ。


 投げ技絞め技なんかは、日常の喧嘩でも使われやすい。だが、プレス技をされる事は滅多にない。理由は、相手が無防備で無いと使いにくいから。


 無防備な体を晒して一夜を過ごしたのだ。座布団を枕代わりに使い、タオルケットも何もなし。寝相が悪く体が痛いが、夏並みの暑さのおかげで、風邪を引いてしまうなんて事は無さそうだ。


 そして、技をかけてきた幼女が視界に入ってくる。


「おはよ、れい!」


「おはよう、リリン。……えっとさ、そろそろ俺の上からどいてくれね?」


 あ! とリリンは、自分が邪魔をしていたことに気づいたように宙に浮いた。


「ねえれい」


「ん、どうかした?」


 リリンは口を膨らませ、傲慢な態度でおねだりをしてきた。


「あさごはんは?」


    ☆


 あらかじめ買っておいたフランスパンをリリンに渡す。するとリリンは目を輝かせて貪り始めた。


「かたい」


「そりゃそうだろ」


 リリンの服を見る。その服は昨日から変わらずに、パンティとダボダボのシャツのみ。もちろん、血が飛び散ったシャツは処分させてもらった。

 貧相というよりは、なんか悲しくなってくるような服だった。


「あ、そうだ。なあリリン」


「ん……なに?」


 今日は口に入れたものを全部食べてから会話を始める。一日での成長を見られて、なんだか親になった気分だ。


 いや、そんなこと考えている場合じゃ無い。しなければならないことが決まってしまった。


「行くぞ」


「どこに?」


 決まっている! と目を輝かせて話す。


「最高に楽しい場所だ!」


「どこどこ……!?」


 ふっふっふ。聞いて驚け。最高に楽しい、いつ行っても散財してしまう魔の施設。


「ショッピングにはもってこい……ショッピングセンターに行くぞ!」


    ☆


 というわけで俺とリリンはショッピングセンターに来ています! わーい、まるでデートだー。……事案だ。こんなとこクラスの誰かに見られたらさすがに軽蔑がもっと露骨にされてしまう。


「わー! すごい!」


 ……いや、もはやこれは子と親の関係では無いのか? 俺がリリンの父親的な存在になってはいないか!? ならいいじゃないか。

 俺は子連れだ、子を連れているんだ……いや普通に考えてこっちの方があぶねーな!


 まあ、いい。ここは、第二管理都市『ミライ』、その第四区青島で一番の規模を誇る巨大ショッピングセンター。

 おおきな食材売り場があり、服屋や靴屋、レストランなどの小売店が山ほどある。だけど、迷子の放送をかけられるインフォメーションは一つだけ。

 リリンと絶対に離れないようにすること。


 手を握っているからいいものの、一度はぐれたら昨日の奴に見つかって連れてかれるかもしれない。それが完全に悪であると、リリンを痛めつける存在である。そう決まったわけじゃないけど。


 そんな考えを張り巡らせている俺とは裏腹にはしゃいでいるリリン。

 ショッピングセンターに初めて来た訳ではないだろうに。いや、こいつが吸血鬼ならあり得る話なのか。


 でも、こいつには、太陽光を嫌っていたそぶりは一切見せていなかった。そこが不思議だ。現代の吸血鬼は太陽を克服しているのか、または、本当にもしくは、リリンは吸血鬼ではないのだろうか? 謎はまだ多すぎて、考えてることもバカバカしくなってきてしまう。


 まあでも俺は、家から連れ出して良かったなと思った。彼女の服は今、パンティとワイシャツなどという痴女的装束では無くなって、背中に羽を通すように、とってつけたような穴の開いたジャージの上下に変貌していた。


 理由は一時間ほど前、まだ家から出てない時まで遡る。


    ☆


「でも、リリンがその格好だったら、家の外に連れてこうにも連れていけないよな……」


 タンスを奥へと開拓しながら、昔着ていた服を探す。

 小学校の頃の服なら、リリンも着れるのではないかと思ったからだ。


「あった? ……いや、これは150だからぶかぶかになるか……」


 少なくとも130より小さくないと綺麗には着れないだろう。それに上下必要だ。流石にないだろうなって思っていた、その時だった。


 タンスから光が溢れ出したのだ(実際には光ってない)。まるでかぐや姫の誕生のように、美しき上下セットの子供用ジャージが出てきたのだ! ──俺のだよ? 流石にそこまで変態じゃないよ?


 さあ、早速リリンに着てもらおう!


「……はねがいたい」


 俺はリリンに自分で服を着させた。理由は、手伝うのは流石に……と一歩引いてしまったからだ。


「羽かぁ、取り外しできる?」


「できない」


 当たり前だよな。


「でも、後ろ穴空いてる服なんて……あれ? 後ろに、穴?」


「ん?」


 閃いてしまった。我ながら天才的な改善方法を。


「はさみ?」


 そう、穴がないなら空ければいい。この考えは本当に頭がいいと思う。


「今から切っちゃうから、ちょっと服貸して?」


「わかった。……んしょ」


「わかったのはいいから真顔で服脱がないで、見ているこっちは平気じゃないの!」


 結局俺が後ろを向いて作業をすることに。……チラッと見たい気持ちはある。そりゃ当たり前じゃん、俺だって付いてるんだから。むしろ見たいと思わない方が失礼なところ、あるんじゃないかな。


 チョキチョキと、円形に背中をくりむいてみる。うん、うまく出来そうだ。


「よし、終わった。これやるから着て?」


 後ろを向きながら、服を持った手だけ背に出して服を取らせる。服と肌が擦れることがやけに耳にくるが、心頭滅却というやつで難は逃れた。


「れい、せなかどう?」


 浮遊して俺の目の前に飛んできたリリン。そして、背を向けて確認を要求する。


 あれ? と思った。昨日お風呂に入れなかったからか、どうかは分からないが、リリンの背中に何やら黒い煤がある……ように見えた。煤、というか墨というか。白い肌に、異様な羽と相まって、不思議な雰囲気を醸し出していた。


「うん。羽はバッチリ!」


「……じゃ、いこう! たのしいばしょに!」


 リリンは今にも飛び出していきそうな勢いでドアまで飛んでいく。

 ま、ただの汚れだろ、昨日は風呂なんて入らず、濡れタオルと消臭剤で済ましちゃったから、たまたま汚れが落ちてなかっただけだ。


 思考を止め、リリンの後を追う。


「あんまり飛び出して行くなよ。轢かれるぞー」


「だいじょーぶ!」


 そう言ってリリンは近づいてきて、俺の手を握った。


「はい! こうすれば、はぐれない」


「……うん。そうだな!」


 どうしてか、かなり悔しかった。


    ☆


 午前十一時。ショッピングセンターに、客足が増える時間帯の一つ。だから今ここは、かなりの人でごった返していた。


「人多すぎ。今日ってイベントとかなんかあったっけ……」


 食事を済ませるために、フードコートに向かう俺とリリン。リリンにフードコートの話をしたところ、帰ってきた言葉が「たべたい」。この簡潔な四文字だった。よっぽどお腹が空いているのだろう、なんせ今日はほぼずっと飛んでるから。


 飛んでいる。そう、普通に考えたら異質なのだ。普通は人が飛んだりしないし、それにツノも羽も生えていない。しかし、ほとんどの人々は、こちらのことを見向きもせずにスタスタと歩いていく。やはりこの都市は異質だなと、レーダー体質で普通の人間とは違う、異質な人間がため息をつく。


 だってこの街で、こんなことでいちいち驚いていたら、たぶん枕も頭に添えられない。当たり前なのだから、異質な力というものが。きっと今すれ違った男の人も、科学者でなければ大なり小なり何かしらの超常能力を発現させられているいるだろう。


 そんな世界なのだ。


 もうこの街に来て約十年も経つ。そんな俺でも、今もまだ不思議で不気味で、面白くて退屈しない世界だとよく実感させられる。


 けどそう思ったら、リリンはこの街でまだ二日も過ごしてはないのだろうか、という考えが出てくる。だってリリン、最初は上裸パンティで俺の部屋に転がり込んできたんだから。そんなんで一週間も過ごせないだろう。

 それに言葉もなんか変だ。こう言っては悪いが、リリンはガチで右も左も分かんないような感じだったのではないのだろうか?


 そんな、右も左もわからなかったようなリリンは、俺から見て、昨日よりも幾分か成長、あるいは成熟しているように思えてしまってやまない。少し饒舌になったり、語彙が増えたり、あとは表情が柔らかくなった。なんか、成長というにはいささか──。


「ん? かおになんかついてるか?」


「いーや、可愛い顔だなーって」


「かわ、いい?」


「ていうのは半分嘘で、少し考え事」


 話しかけてくることもあったし、俺への質問やその逆のレスポンスも多くなった。いつまでこの子を守れるのかは分からないけど、まあ時間までは、この子を全力で守りたい。そう、思った瞬間の出来事だった。


 バサバサァ! と大きな音がたった。



 肩と肩がぶつかる。その影響か、目の前の人が持っていたような紙が辺りに散らばってしまう。


「ごめんなさい!」


 横を向くと、困り顔の少年が一人いた。どうやら他の客とぶつかってしまい、持っていた紙が舞ってしまったみたいだった。


 俺は誰も助けてはくれない彼の元へ、小走りで向かう。


「大丈夫? 手伝うよ」


「そうですか……ありがとうございます!」


 その男の子──肩に彼の身体よりも大きな黒い袋を担いでいる──はにっこりと笑って返してくれた。いやー、やっちまった。そう思って紙を集めて男の子に渡す。


 リリンや周りの人も手伝ってくれたので、かなりの枚数があったその紙は全て男の子の元へと帰った。


 近くにあった手すりにもたれるようにして少しくつろぐ俺と少年、あとリリン。


「持ってんのって、楽譜と楽器……?」


「はい! 実はボク、ギターでアーティスト目指してるんですよ! それ今日は、今から大舞台なんですけど」


「凄いな、あんた。俺は人前で歌ったり出来ないよ」


 頭を掻く。人前に出るのが苦手だからな、俺。


「そういゃリリンってギター聞いたことあるか?」


「んー。たぶんあるかな?」


 そっかー、とたわいもなく喋り合う。すると少年は、興味深そうに聞いてきた。


「リリン、さんでしたっけ? もしかして、どこかで会いました? ……実は前、ちょっと怖い形の羽を持ってて、飛んでる人を見たんですけど──」


 彼女の答えは簡潔だった。簡潔すぎた。


「……ごめんね、あなたのことはしらない」


 故に、その少年は「そうですか」と落胆してしまった。


「まあ、見間違いとかか? けどニューエイジの中でも、肉体変化で飛べる超常能力は珍しいしなぁ」


 少し下を向く少年。表情は見えないが、少なくともいい表情はしていないだろう。


「あっ、ああ、そういえばなんであんたは焦ってたんだ?」


「……あっ! もうそろそろでセッティングの時間が無くなる! それではお二方、さようなら」


 忙しなく、焦っていた理由を思い出した彼は小走りで駆けていった。


「今度は楽譜落とすなよー。……あれ?」

 あー、と肩を竦めてしまう。彼が今さっきいたところに、虎柄に赤いラインの入った、少し削れた三角形らしきクリアなものが、楽譜の代わりのように落ちていた。


「えっと、ピック……だっけ?」


「ん、なにそれ?」


 落ちていたその物に、リリンが少し興味を示す。


「えーっとね、エレキギターってこれ使って弾くんだよ。多分だけど」


 俺の好きな歌手が、弾き語りの曲を作るっていう企画の時に使ってた……気がする。正直言ってそこまで細かく確認している人なんてそうそういないだろ。それに、バンドとかしている知り合いがいないから、余計にわからない領分なんだ。


「でもそれ、かえさないでいいの?」


 そうしようか。と後ろを向いたが、もう彼の姿はどこにも見えなかった。


「消耗品だろうし、また今度会う時が来たら渡すよ。もし会わなかったら、あの子が有名になった時に見せびらかして家宝にしよっか」


 俺はその物をポケットに入れて立ち上がった。


「ごはんはやくたべたい!」


「あー分かった。じゃ早く行くか!」


 人が多いから競争もなにもできないが、それでも心だけは、美味しい食事まで一直線だった。


 ──ここはモールの2階。吹き抜けの下にあった特設ステージセットが一瞬だけ目に入ってくる。……もしかしたらと、買い物が終わった後に行ってみようと、そう思った。


    ☆


「服って言ってもね……女物の服なんて買ったことないし」


 洋服売り場に来たはいいものの、うーんと唸って思考は進まない。俺は服に全く理解がないし、自分の服に多分無頓着だ。

 今日着ているのだって、白のロングTシャツに黒のジーンズ、灰色の運動靴という、ガチでファッションに興味がない人間の服。一応自分で買ってはいるが、何を買えばセンスが良いとか分からない。良いじゃん、値段重視で。


「むー……ふく、ぜんぜんわかんない」


「だよなぁリリン。でも、なんかこうビビっときた服をパッと手にとっちゃっていいぞ! でも俺も一応学生だし、使えるお金は少ないから、少し安めのに運命を感じて欲しいなーなんて」


 まあ笑えば何とかなるだろ。最悪、多分今日もここで働いている友人に声を掛ければいい話だ。ロリ連れてるけど。

 別に、やましい気持ちなど半分もない。半分はある。なんせ、今なら目の前の幼女を好きなようにコーディネートすることも可能なのだ。


「って言っても、服なんて色と着る部位が違うところ以外、全部同じに見えるんだよなぁ」


 メイド服とか、ゴスロリとか……あとは、チャイナドレスとか。季節は違うがミニスカサンタとか、振袖なんかは名前を知ってる。でも他の服なんて、制服、普段着とパジャマ、そしてジャージぐらいにしか分けられない。


「はぁ……結局何にすればいいんだか」


「おすすめはこのフリフリでっせ、お得意様……!」


「えっと……ああ」


 誰かと思えば、とちょうどいいタイミングで出現したのは、ここで働く友人。そして持っていたのは、フリル? というものが使われている服だった。


「湊か、今日もバイト?」


 桜井湊は持っていた服を元あった場所に戻した。代わりの服も何も持ってこなかったが、こいつの頭の中には服の情報が沢山あるのだろう。今はショッピングセンターの制服を着ているが、こういう所で働いているので流行りのものには結構敏感だ。


「まぁそーなんよ……。でさぁ、俺からは一つ聞くけど」


 湊は頭を抱え、俺のやっていることが理解できないかのようにため息をついた。まるで、魂さえ吐き出ていそうなほどの長いため息だった。


「嶺ちん、この子があの子なの?」


「ああ、多分吸血鬼のリリン。今日はこの子の着れる服を探しに、結構服あるここにきた」


 「そして」と付け加える。いや、付け加えるというより、今から言うことこそが本音なのかもしれない。


「そして──ここなら、大っぴらにリリンを狙えないからな」

 俺の言葉を聞いて、湊はクスっと笑ってしまっていた。


「なにか、おかしいかな?」


「ははっ、可笑しいも何もさ……出会って二日なんやろ? そなん人間にどうして関われるんだよおまんは。あの子、狙われてるっちゅうこんやろ? 大体、自分の身を守るのがやっとだっちゅーさに、他人の心配ばっかで──」


 でもやっぱり、普通じゃないって思われる。でも俺はそれを、仕方がないことだと、割り切ることができない。


「いいでしょ、俺の人生なんだから」


 少し撥ねるように、言葉を大きく返す。


「出逢ってしまって早二日、か。いや違う、もう、リリンと会って二日も経ってるんだ」


 「それなのに」と、自分の考えが甘いことを置き去りにして、俺は自分を見せて言う。


「リリンのことが、まだぜんぜん分かってない」


「……ふーん。そうだよね、太陽無視してここまで来れるんやったら、噂の『吸血鬼』とは合致しない。でも、そんな見た目してるっていう……」


「助けるって言っても、具体的にどう助ければいいんだーって。明確なモノが無いから辛いよ、本当に」


 そういって悪態をつく。でも、心の中では一つ決まっていることもあった。


「ねえれい。このふく、せなかあいてるよ」


 リリンの声が、頭の中に入ってくる。

 ここまで来させてしまったんだ。いや、ここまで来たんだ。……俺は思った。多分、本心かは明瞭にすることを自分でもできないけれど、明確にそう思えた。心が全て、助けなければという気持ちでいっぱいになってしまった。だから、だから。俺は彼女を助けている。


「よしじゃあリリン、その服買うか」


 それが善でないというのなら、一体何が善いことなのか。

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