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VRMMOの夜を楽しむ  作者: 皇崎帝牙
3章 初イベント
89/219

第89話

 崖から野営地を見下ろすと、ゴブリンたちは昨夜と同じように陣を張っていた。


「昼間の戦闘でかなり倒していたと思ったけど、まだあんなにいるのね」


 ジェネラルゴブリンが何体か減っているのはわかるが、ゴブリンは減っているのかどうかあまりわからない。

 しかし、ここで時間をかけるわけにもいかない。


「もうゴブリンキングの索敵範囲に入ってしまっているので、隠れていても意味はありません」


 プレイヤー達は緊張した面持ちだ。シンはプレイヤー達を見渡して、口を開いた。


「皆さん、この夜襲はゴブリンたちを殲滅する事が目的ではありません。ですから、無理をせずに命を大事に出来るだけ長い間ゴブリン軍に混乱を与えて下さい」


 そう発言するとホッとしたような、だが今ひとつやる気の出ないような雰囲気が漂った。


「しかし!この戦いで皆さんが1分でも多く戦い、1体でも多くのゴブリンを倒すことが、昼間の戦いの勝利に必ず寄与すると信じています」


 シンが決して大声ではないが、その場にいる全員に届く深い声を出して続けた。


「この戦いでイベントレイドに決着がつくことはありません。ですが私はこの戦いに死力を尽くします、皆さんも死力を尽くし戦いを勝利に導いていただきたい!」


 プレイヤー達は目には光が宿り、士気も高まった。


「突撃!!」


「うぉぉーーーー!!」

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