第6話
「キャン」
ウルフは犬のような鳴き声を上げると、頭上にあるHPバーが無くなり消滅した。
『レベルが上がりました』
クエストは5匹で良かったのだが、戦闘ができることが楽しくてざっと100匹は狩ってしまった。
レベルも12まで上がった。レベルが上がるとステータスポイントがもらえて、割り振ることが出来るのだ。
プレイヤーネーム シン
レベル 12
HP 265/265
MP 115/115
STR 69
VIT 34
AGI 63
DEX 34
INT 35
LUK 50
これまでのレベルアップでステータス上昇の法則もだいたいわかってきた。
レベルが1上がるとHPが15、MPが5上昇する。その他のステータスは合計で5上昇し、そのうち3は自動で、2は自分で選択できるようになっている。
自動で割り振られるステータスにも法則があるようで、ウルフに噛みつかれたりしてダメージを受けてレベルアップするとVITに割り振られるなど自分の行動が元になっているようだ。
正直ウルフとの戦闘はほぼ問題ない。複数のウルフとの戦闘になった時にダメージを負ったものの、すぐに回復する程度のものだったし、レベルアップでAGIが上がると回避が可能となり、それからは一方的に攻撃するだけとなった。
「もう3時か、そろそろ帰ろうかな。ジュリ婆起きてるかな」
「……変だな、ウルフが1匹もいなくなった。狩り尽くしたら出現しなくなるなんてことがゲームであるのか?」
ゲーム内でウルフを絶滅させてしまったのかと心配していたが、どうやらそういう訳ではなさそうだ。
辺りに気を配ってみると、何やら気配を感じる。気配を強く感じる方に視線をやってしばらくすると、普通のウルフの2倍近く大きく、漆黒の毛皮をもつウルフが唸り声を上げながら現れた。
頭上のHPバーの上にはシャドーウルフと出ている。
「レア、もしくはユニークモンスターか?よし最後にお前を倒して帰るとっ!」
シャドーウルフはウルフよりもずっと素早い動きで攻撃を仕掛けてきた。避けきれずダメージを受けてしまった。
「掠っただけでHPが12も削られた、ウルフとは段違いの強さだ。間違いなく格上だな、スキルを使うか」
「黒爪」
レベルアップで得た黒爪、手の爪が伸びて鋭くなり、更には黒く染まって硬度も増した。効果は手による攻撃でSTRが2倍、持続時間1分でMPを1消費となかなか燃費もよい使い勝手の良さそうなスキルだ。ウルフは素のステータスで一撃だったのでスキルを使う機会もなかったが出し惜しみをしていられる相手ではない。
再び突進してきた所を今度はしっかりと避けてから黒爪を叩き込むと、シャドーウルフのHPバーが20分の1くらい減少した。
「硬いな、そっちは掠った攻撃を20回で俺を倒せて、俺は全力で叩き込んでも20回かかるのか。ずいぶんと楽しめそうなハンデ戦だな」
「よっしゃあ、かかって来いシャドーウルフ!」