第41話
イカの入ったタコ焼きを味わっていたら、広場のプレイヤー達がざわつき始めた。
「ん?何かあったのか?」
「有名プレイヤーでも現れたのかな」
しばらくすると人混みの中から1つのパーティーが現れた。どうやら、その6人組は男性1人に女性5人の組み合わせが注目されているようだ。
そのまま「イカの入ったタコ焼き屋」の行列に並んでいった。ふと、男性プレイヤーと目が合った。すると、1人列を抜けてこちらに歩いて来る。近づいてくると、俺より年下の少年であることが見てわかった。
「あの、間違っていたらすみません。紅い刀事件の時にお会いしませんでしたか?」
また、紅い刀の時の話をされた。そして、今度も見覚えのある人物だ。
「衛兵の回復をしてくれたプレイヤーさん?」
「はいそうです!カツヤって言います」
「お久しぶりです、シンです。あの時は助かりました、ありがとうございました」
「こちらこそ、守っていただいて。あの後、紅い刀が討伐されたと聞いて、あなたがシンさんが倒したんだってわかりました。あんな凄い戦闘初めて見ました、本当に感動しました」
「そんなに褒められると照れますね」
なんだかキラキラした眼でこちらに熱く語りかけてくる、尻尾が付いていたらブンブン振っていそうな子犬感のある少年だ。
ポロウニアが横から声をかけてきた。
「カツヤくん、シンの友人のポロウニアです。もしかしてカツヤくんって勇者のカツヤくんですか?」
勇者とは大層な二つ名だ。カツヤは照れたようにはにかんだ。




