表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOの夜を楽しむ  作者: 皇崎帝牙
2章 紅い刀
29/219

第29話

 ツナヤスの話をまとめると紅い刀を手に入れるまでの経緯がわかった。

 生産職の鍛冶師としてプレイしていたツナヤスは、王都の鍛冶屋に弟子入りして修行をしていた。生産職はその職に関わる物を生産することで、スキルが上がるだけではなくレベルアップのための経験値も獲得できるそうだ。だから、獲得経験値は微々たるものとは言え、近所の家から持ち込まれる包丁などの耐久力回復などで毎日鍛冶屋に入り浸っていたそうだ。

 6日前の夜、仕事を終えて片付けをしている時に、王国の衛兵が2人訪ねて来て刀の整備をして欲しいと依頼された。生産での獲得経験値も扱う物によって多少変わって、刀など武器は高めに設定されているそうで、包丁などの生活雑貨ばかりやっていた所にありがたい依頼が来たと喜んで刀を受け取った。

 そこから記憶が飛び飛びな状態で、昼間は比較的覚えているそうだが、夜は刀を振り回しているのは何となくわかったので、それを辞めようと考えるのに必死で後はあまり覚えていないそうだ。


「戦っている時の記憶はほとんどないけど、シンさんが声をかけてくれていたのは何となく覚えてます」


「結構良い蹴り入れちゃったりしたからな、なんかすいません」


「NPCをキルしてしまうより、ずっと良かったっす。ありがとうございました」


「その2人組の衛兵って、奴らが怪しいわね。本物かどうかもわからないし」


「そうっすね。今思えば、衛兵がわざわざ町の鍛冶屋に武器の修理頼みに来ないっすもんね」


「いや、そいつら多分本物だ。偉そうだけど、すごく丁寧に話す奴がいなかったか?」


「はい!そうっす、ぺらぺら喋る奴と無口な奴の組み合わせでした。何でわかったんすか?」


「シン、知ってる奴なの?」


 確認のために、ジュリ婆の方を見ると小さく了承の頷きを得たので、2人にも簡単に話す事にした。


「その2人、俺が受けたクエストにも出てきた。俺も詳しいことはわからないが、ツナヤスの話を聞くと2人が何らかの意図を持って王都に混乱を起こそうとしているのはわかるな」


「確かに調べてみる必要はありそうだね」


 今まで、黙って話を聞いていたジュリ婆が呟いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ