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VRMMOの夜を楽しむ  作者: 皇崎帝牙
2章 紅い刀
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第23話

 相手と正対してみると、紅い刀と呼ばれた犯人の姿を確認することができた。

 刀を持っているのは男で、その格好はつなぎにエプロンという冒険者というよりは、鍛治などの生産職に近い姿だった。


「作った刀の試し斬りでもしてるつもりか?」


 話しかけてみるが反応は無い。逆に刀で攻撃されてしまった。頭上から真っ直ぐ振り下ろしてきた刀を、剣で受け止める。


「ぐっ」


 攻撃自体はさほどスピードもなく、受けることができたがかなり重い攻撃だ。標準的な見た目の男から繰り出される威力ではなかった。人の見た目をしているが、俺の様なレア種族なのかもしれない。


 何度か打ち合ううちに、相手のパワーにも慣れてきて対応することができる様になってきた。相手からすれば、バンパイアの力も見た目とのギャップがあるだろう。

 それよりも問題はHPが全く減らないのだ。剣を直接叩き込むことはできていないが、、バランスを崩したところに蹴りを入れたりしているのだが、HPバーが減っていないのだ。攻撃が入ると男の顔が歪んだりするので、ダメージが入っている様に思うのだが、赤色のHPバーの長さが変わっている様には見えない。

 NPCである衛兵達の青色のHPバーが徐々に減っているのも気になって、なかなか集中できない。


 その時路地裏に、2人の人物が走ってきた。HPバーを見ると緑色でプレイヤーのようなので声をかける。


「冒険者の方達ですか?」


 走ってきた2人は、1人は俺と同年代か少し年下で、もう1人は年上の中年男性だった。中年男性の方が答えてくれた。


「そうだ、クエストを受けて来た。そいつが噂の紅い刀か?」


「そうです、指示を出させて貰っても大丈夫ですか?」


「大丈夫だ、言ってくれ」


「では、まずそこの衛兵さんたちのHPの回復をお願いします。それと魔法が使えるのであれば後ろから援護をお願いしたいです」


「僕、ヒールが使えるので回復を担当します」


 若い方の冒険者が答えて、衛兵の方に駆け寄った。


「戦士だから魔法系のスキルはない、ギルドに戻って援護を要請して来ようか?」


 中年の冒険者も答えてくれた。


「そうですね、ここは狭くて並んで戦えないので、そうして貰えると助かります」


「了解した、2人とも頑張れよ」


 そう答えると、来た道を走って戻っていった。


「これでお前に集中できるぞ紅い刀」

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