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VRMMOの夜を楽しむ  作者: 皇崎帝牙
2章 紅い刀
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第21話

 王都の道をただ歩いていては、衛兵の笛などで異変に気付けても間に合わないので、俺とフィオレは屋根の上に登ることにした。


「現場までショートカットしようって訳ね」


「そーゆー事だな、紅い刀は今のところ北西区画と南東区画でしか事件を起こしていない。俺たちも二手に別れよう」


「山を張る訳ね、どっちに行く?」


「俺はどっちでも」


「じゃあ、私は裏ギルドに近いし北西区画担当ね」


「了解。じゃあ俺は南東区画で、紅い刀を見つけたらボイスチャットを送るという事で」


 UCではゲーム内でフレンド登録するとボイスチャットで連絡を取り合えるようになるのだ。


 フィオレと別れ、南東区画まで屋根を飛び移っていると、昨日よりも明らかに出歩いている人の数が多い。そのほとんどが衛兵と冒険者達だ、皆本腰を入れて、紅い刀を見つけようとしている様だ。


 どこで見つかってもいいように区画の真ん中に向かっている途中で、視界の端に赤い光を捕らえた。すぐに曲がってしまったのか見えなくなってしまった。

 急いでその方向に走りながら、フィオレにボイスチャットを飛ばした。


「どうしたの、もう寂しくなっちゃったの?」


「悪いが冗談には付き合ってる暇はない。紅い刀を発見した」


「え、もう!早すぎない?」


「赤い光が一瞬見えた方向に走っているんだけど、建物が邪魔ではっきりとは確認出来てない」


「それでもいいわ、すぐにそっちに向かう。どこら辺に行けば良い?」


「城壁の方、区画の外縁部に向かってる。余裕があれば詳しい場所を連絡する」


「わかった、気をつけてね」


「ありがとう、じゃあまた」


 先程、赤い光が見えた場所の近く建物屋根から付近を見渡してみるが、姿は見えない。勘違いだったのか、逃げられたのか、目を閉じて耳を澄ませてみると夜の静かな街の中で微かに争うような声が聞こえる。

 急いで屋根を飛び移って向かうと、2人の衛兵が紅く光った刀を持った男に襲われているのが目に入った。

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