第181話
「大丈夫です、称号持ちではありませんよ」
「どうやら本当みたいだね、称号のことも全くわかっていなかったようだし」
「流石にノーヒントでは辿り着けないですよ。それにしても獣王の息子がわざわざ他国までどうされたんですか、修行か何かですか?」
「修行か……確かに修行でもあるな。俺はあるプレイヤーに完膚なきまでに破れてな」
「シオンさんはかなりお強そうに見えますけど、完膚なきとまで言う程ですか」
「あぁ、まるで歯が立たなかった。相手も獣人の少年だったんだが、獣王の息子の称号を持っていなかったのが不思議な程にな」
「それでそのプレイヤーを倒すために、修行の旅をされている訳ですか」
「倒す……修行のために各国を周っているのは事実だ。俺はまだまだ強くなれると思っている、だがあいつに勝つイメージだけは持てない」
「そんなにですか」
自分で聞いた話とはいえ、場の雰囲気が最悪だ。
「えーっと、まだ俺はここで休憩してますので、フィールドボスに挑むなら先に行っていただいて」
すると、レイクスさんが少し考えてから提案してきた。
「もし良ければ、僕らとパーティーを組んでボス戦に挑みませんか?」




