第172話
「そんな訳でレノーナ王女は無事に王城に戻ったよ」
「国王陛下とその跡継ぎである王女殿下が無事っていうのは何よりだったね」
噴水広場でアードラー団長から色々と話を聞いた後、王女様が王城に戻ったのを見届けるとフィオレと再び裏ギルドの酒場に戻って来た。
「でも王様の暗殺未遂だったり、あんな公共の場で王女様を襲ったり闇ギルドってのはかなりヤバイ集団なんだな」
「確かに金さえ積まれれば、暗殺も請け負うような奴らだけど今回みたいな事件は聞いた事がないね」
「王国の転覆でも狙ったのかしら?」
「もしくはそれを願っている誰かが依頼したか、ってことかね」
「国を乱すために暗躍しているって事か……」
「……ジョナサンの言葉かい」
「ジョナサンって確かジュリ婆の」
「そう、死んだ元第1王子の事さ。確かにあいつもそんな事言っていたね」
「あの時は裏ギルドが暗躍しているとか何とか言っていたけど、闇ギルドに置き換えると実際に起きてるんだよな」
「じゃあ、闇ギルドの罪を裏ギルドに被せようとしていたって事なの?」
「今ある情報だけでは確信することは出来ないけど、今回の事件で全てが終わったと考えない方がよさそうだ」




