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第148話
「やはり邪神は存在する様です。そしてその封印が弱まっています」
スノーウェル首相がそう言うとホーミン国のコウ・ホウシュウ武王が口を開いた。
「ただの冒険者が持ってきた古い本1つで、邪神が存在すると断定するのは如何なものデショウ?」
「確かにさらに高度な鑑定と中身の解読は必要でしょう。しかしごく一部で伝承されてきた邪神が本当にいる可能性があるのならば、我々は民を導く指導者として何らかの対策を取るべきです」
「しかし1度はその邪神とやらも封印出来たのであろう。ならまた封印すれば良いではないか、なんなら我が滅してみせようか?」
「バルバリン・レーベ国王、獣王としてのそのお言葉は大変心強いです」
スノーウェル首相がそう言うと、獣王は誇らしげに少し胸を張った。
「しかし残念な事に、相手は神の1柱です。かつて神々が封印するしかなかった相手を我々が倒すことは難しいでしょう」
「ふんっ」
獣王として腕に自信のあるレーベ国王は若干不満気だ。
なんとも空気の重い会議である。




