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第134話
階段を上がり、2階の廊下を進み玄関ホールを抜けて足音の聞こえる方に進んでいく。
「ここだな」
ある部屋の前で止まり、後ろの2人に視線を送るとすでに準備は出来ているようだ。ドアノブに手をかけて慎重にドアを開ける。
「失礼します」
部屋の中は本棚がいくつもある書庫のような場所だった。さっきまで聞こえていた複数人の足音が止まって息を顰めているのがわかる。
「こんにちは、ご挨拶させていただきたいんですが」
しばらく静寂が続いていたが、こちらが立ち去る気がないことを察したのか本棚の影から全身を真っ黒なマントに身を包んだ6人の人物が姿を現した。
「こんにちは……あんまり友好的な感じじゃないのかな?」
挨拶をしても無言な集団を前にして部屋の中の緊張感が上がっていく。




