第114話
翌朝、王都西門に集合したプレイヤー達の前に王宮から馬車の列が出てきた。
先頭には馬に乗ったアードラー団長が近寄ってきた。
「皆さん馬上から失礼する。冒険者の皆さんには列後方の護衛をお願いします、幌馬車3台は皆さんに使っていただいて結構ですので」
「ありがとうございます、それでは依頼を開始させていただきます」
代表してレオンさんが答えるとアードラー団長はうなずき列に戻っていった。
列自体は早歩き程度のスピードで進んでいる。
「あれが王女様の乗っている馬車か」
ウォルフの視線の先にある列の中央には豪華な馬車が進んでいた。
「さぁ、我々も移動しよう」
俺とフィオレ、カツヤのパーティーは列最後尾の幌馬車に移動した。
「なんか悪いな、みんなが歩いて護衛してるのに」
昼間だと移動速度も遅くなってしまうので幌馬車に乗せてもらっている。
「しょうがないですよ、種族特性ですから」
「ごめんね、普通の人間なのに乗っちゃってて」
「いえいえ、裏ギルドのお二人は夜の見張りがありますから」
フィオレの自虐にカツヤが慌ててフォローをしている。護衛依頼にしてはほのぼのとした始まりだ。




