第105話
「ガアァ」
「くそ、こいつ俺たちの狙いがわかっているのか?」
ゴブリンキングはレオンさんを棍棒で攻撃しながらも、僕から意識を外すことがない。鞘に収めてはいるものの剣からは光が漏れしまっている、僕の攻撃がこちら側の切り札だとバレているのかもしれない。
「この攻撃は外す訳にはいかないのに、どうすれば」
ゴブリンキングはその巨大な体躯に似合わず、常に動き続けてカツヤに狙いを定めさせない。
「……でも、ここまで警戒されているってことはこの技をあいつに通用するってこと?」
一度疑問に持つとゴブリンキングの動きにだんだんと不自然な点が見えてきた。常に動き続けてはいるものの、右足を若干庇っているように見える。
「足に不安があるから、常に動いてバレないようにしているのか?」
AIで作られているモンスターがそんな事まで考えて行動しているのかわからないが、ゴブリンキングは足に不安を抱えている。
「足、右足。フィオレさんの方向でシンさんが右膝を攻撃してゴブリンキングの動きを止めたって言っていた」
一度正解に辿りつくと、すぐ行動に移すことができた。
「レオンさん右膝です!ゴブリンキングの右膝を攻撃して動きを止めてください」




