デートってこういうもんでしたっけ? 8
チヒロがニヤリと笑う。
「助っ人を頼んでおいて正解だったわね」
ということは、あの三人はやはり悪役令嬢ABCさんだろう。
三人とも戦隊スーツを着て、顔はフルフェイスのメットで隠してはいるが、体格は確かに……
三人の女ヒーローはパパパパラ、パパパパラ、パーパーパーパーパ―と勇ましいラッパの音をバックにポーズを決める。
まずは赤いノッポがばっと両手を広げて羽を広げた鳥のポーズを。
「レイジョー鷹!」
次に黄色いぽっちゃりが肉食獣を思わせるしなやかさで両足を開き、手首をちょいちょいと曲げて。
「レイジョー豹!」
最後に青が片足だけで上半身を水平に支えて泳ぐ大型魚のポーズを。
「レイジョー鮫!」
「「「お日様戦隊! サンレイジョー!」」」
名乗りの間は敵も襲い掛からない、というところまでが様式美。
正直、戦隊ヒーローで育った俺的にはたまらない。
三人のレイジョーは、悪漢の群れに飛び込んだ。
あとはちぎっては投げ、ちぎっては投げの大乱闘。
「所詮は女だ! 畳んじまえ!」
殴りかかる悪漢のパンチを、レッドレイジョーが手刀でいなす。
「おおお?」
よろけた男に向かってブルーレイジョーが蹴りを叩き込む。
長い脚から繰り出される見事なハイキックは、悪漢の顔面に的確に叩き込まれた。
「ぶはぁっ!」
顔面を押さえて身を折った悪漢に、ぽっちゃりイエローレイジョーが襲いかかる。
上から飛びかかった勢いのまま、イエローは悪漢を押し潰した。
ともかく連携が素晴らしい。
戦闘慣れもしている。
さらにはリリブラックとチヒホワイト、この二人も加勢して暴れまわるのだから、街のごろつきごとき相手にもならない。
気が付けば、ずらりといた悪漢たちはすべて倒され、地に伏せてうめいていた。
「つ、強い……」
俺の出る幕なんて一つもない。
こうして美少女戦士たちの活躍により、街には平和が戻ってきたのであった。




