okamoto
その頃オカモトは先に本社へ戻り、社長室でゆっくりと寛いでいた。
「やっぱここは居心地がいいね」
ゆっくり寛いでいるとドアを開け会長が入って来た。
会長はオカモトに話しかける。
「どうだった? 壺の件、うまくいったか?」
「あぁ、大丈夫だったよ、お父さん」
オカモトと井戸会長は親子である。
「無事に破壊したし、あの山でのテーマパーク建設も予定通りだよ」
「そうか‼ さすがワシの自慢の息子じゃ」
「今回もそうだけど住んでる住民を皆殺しにしたらあっという間だね。費用もそんなかからないし」
「そうじゃな。昔から事あるごとに現地住民や反対勢力を殺していたが、ヒーローという記号で掲げ上げて、世の敵と認識させてしまえば、この社会・世の中はわしらに付いてくる」
「バカな人間がそれだけ多いってことだよね」
二人は笑いながら話していた。
「だけど、レンジャー隊は俺を除いて全滅だよ」
「あぁ分かっておる。直ぐに変わりの人員を補充してやる」
「ありがとう‼ お父さん」
「いつも危険な仕事を済まないな」
「いや、俺は好きで、このスリルが味わいたくてやっているだけなんだから、お父さんは気にしないでよ」
「そうか、さっき入って来た情報によればあのチンピラが今こっちに向かっているそうだ」
「やっぱりな… 父さん 例の手配は?」
「大丈夫だ、間もなく到着する」
ドンとドアが開き、続々と黒スーツのメンバーが入ってくる。
揃ったところで会長が両手を広げ出迎える。
「よくぞ来てくださいました。ロクサス幹部ゲルト様とその皆様!!」
―――PULLLL
タカの携帯に着信が入る。
電話の着信相手はロクサスで信用できる仲間の一人で、タカの友人からだ。
「どうした?」
「タカお前 今どこだ⁉ ―――帰還だ‼ 今すぐだ今‼ 殺されるぞ‼ ロクサスへ帰還しろ‼」
「そりゃ、―――無理だな 今この絵を仕組んだゴミをぶっ殺しに向かってるからな」
「今回は手を引け‼ おまっ―――」プツン
タカは電話を切って車を走らせる。
しばらくして、井戸財閥本社ビルのホールへとタカは到着する。
車から降りてホールに入ると、タカの携帯にオカモトから再度着信が入る。
「やぁ兄貴、よく来たな」