anger
四人がポージングを決めて勝利を確信した。
だが、炎の中に人影が見えた。
「あれは… おいこれはまだ続くぞ!!」
小屋が跡形もなく吹き飛んでいるにも関わらず、炎の中にタカは立っていた。
「ぬぅ… 小癪な手を使ったか‼ E級風情が」
ポスト・レッドがチームに合図を送る。
「散れ フォーメーション4だ!」
フォーメーションにレパートリーはなく一つだけなのだがあえて4なのだ。
「任せて」
「いつものカマスゼ」
「レッド、大きいの期待してるよ」
隊列を組み実行に移す。
・新しく入隊した新レモン・イエローが電磁パルス砲を取り出しタカに照準を合わせる。
・新カッパ・グリーンが小型風力発電砲で竜巻の形成に入る。
・ミネラル・ブルーがミネラルウォーターを取り出す。
タカは炎の中からゆっくり歩きだす。
「小屋ごと吹き飛ばしやがって… 壺はいらねぇのか? あぁコラ?」
頭や肩に刺さった破片から血が流れる。
「こんだけ血ぃ流しても頭に血が上りすぎて、まだ怒りが収まらねぇわ。ガキのあんな顔見せられたら戦隊もんのヒーローでもぶっ殺す」
タカの言葉に、イエロー・グリーン・レッドが反論する。
「そんなただの木のために自分の命や任務を犠牲にするとは、愚かな」
「そうですねホント。チンピラはこれだから」
「一人の命、一つの木より多くの人間や社会のためだろう⁉ ヒーローが社会のために動くのは当然だ‼ なぜ木ごときを助ける?」
タカはハッと鼻で笑う。
「ガキから助けてと言われて、助けねぇ屑はな。人間やめて土に還れ」
レモン・イエローによる電磁砲が放たれ、生身で電流を浴びせられる。
その威力は大型モンスターでも痺れて暫くの間、動けなくする程の高圧電流だ。
「おいおい… これじゃ―――――じじぃの肩コリも取れねぇぞ」
タカは目で視認できぬ程のスピードでイエローとの間を詰め、腹に野球選手が豪速球を投げるかのごとく、腕を振りかぶり拳を一撃ぶちこむ。
イエローは森の奥へ奥へと木をなぎ倒しながら吹き飛んでいった。
「イエローーーーー‼ きぃぃいいさまああああ‼ よくもイエローを‼ ―――――グリーンハリケーン!!!!」
グリーンが竜巻を形成する。
「村をも破壊するほどの威力だ。そのまま淘汰されろ‼」
竜巻をタカにぶつけるが、タカは揺るがない。
「この風でなぜ耐えれる⁉‼」
「あぁ? ―――――なぜかって? わかるだろ?」
タカは一呼吸おいてレンジャー達に教える。
「…お前らはぶっころしノ刑だ。絶対に逃がさねぇ」
「くそ、おまえはなんなんだ‼ ロクサスのリストにはE登録されているのに‼」
焦るグリーンにレッドから耳に付けている無線に提案が入る。
「グリーン… 世の為だ。あれを使う」
「あれだと⁉ レッド!!! 待ってくれ‼ 頼むううう‼ まだやめてくれぇええええ」
グリーンに迫るタカが足を止めて空を見上げた。
…「なんだ?」